6.05.2013

眠られぬ夜に

■ヒルティはもう読みたくならないし、遠藤周作の『眠れぬ夜に読む本』も中身を覚えちゃってるし、……代わりに團伊玖磨の『パイプのけむり』シリーズを乱読していたらすっかり眠れなくなった。

随分ブログを更新しなかったが、仕事で毎日かなりの(量もしくは時間)文章を読み、訳したり書いたりし続けた上に気分的なノリの欠如が加わり、仕事以外の文章を書きたいと思う気持ちにならなかったので、それに任せて書かなかっただけで、多少体調がすぐれない以外、特に変わりはないです。

ならばツイートするかというと、同じ理由で140字の文章を作るのも億劫、という日々(“文章を作る”という意識からして twitter に不向きな証拠か)ですが…

…今《ツイログ》で調べてみたら、オレは、
[twitter歴772日/ツイート数1,110(1.4件/日)]
だそう。
もう2年もやってるし、これって自分では相当なつぶやき量な気がするけど、リツイートも含めての数だからなあ。twitter って結局そんなに熱心になれないけど、どことなく人生修業みたいな気分がしている。


毎日結構な量/時間、文章を読んでる、という中には新聞も入ってて……、で、思うところあって、この数ヶ月、新聞を二紙、読んでいる。40代半ばにして、毎朝新聞が二紙配達されるという経験は初。いつまでこの状態が続くか分からないけれど、相当に気に入っていて、ああ、新聞は一紙じゃだめだな、という思いが日に日に深まっている。

“だめ”っていうのも語弊があるかもしれない。より正確に言えば――毎朝起きると新聞が届いてる(今日は眠れないことに悶々としているうちに二紙とも来ちゃったが)ことがどれほど幸せなことかは前々から分かっていたが、それが二紙になると、その幸せ感がほぼ純粋に2倍になることを知った、というニュアンスだ。毎日それなりの時間を割いて、新聞を最低でもふたつくらい読むことを許す生き方が望ましいなあ、とも思う。

読んでるのは『東京』と『朝日』で、膝を打つ記事が多いのは『東京』、一方、切り抜きたい記事が多いのは『朝日』。こうなると、明らかに不愉快な新聞もひとつくらい取ってみたくなる(オレは一日おきに爪を切るし、散髪もスキカル使って自分でやるので)。
毎月、一番嫌いな日は新聞休刊日だ。二紙取ると痛感するんだけど、新聞休刊日まで横並びにしなくていいだろうよ、日本人。

今朝の一面は、そりゃ本田だろうね。個人的には、(何度も書いててしつこいけど)日本代表で一番好きなの圧倒的に遠藤選手だけどね。

ワールド・カップをその最たるものとして、国際試合というのはイコール、“ナショナル・チームの概念”なので、日本チームに日の丸と君が代はついてまわる。オレは、そのどちらも好きじゃないが、好きな人を否定する権利もないし、顔に描く人を頭おかしいとも思わない。オレもデザインは嫌いではないが、日の丸を目にするということは、それが美しい円形であればあるだけ、そこに血塗られた赤の生臭さを嗅ぎ取り続ける努力を強いられることだという認識を持っている。オレには今もって理解できないが、もし本当に、国旗と誇りというものが結びつくのなら、誇りとはその努力のことだろうと思う。その誇りとは、日の丸を嫌う人を否定することではなく、そうした人々の気持ちを忖度することを必要要件とするものだと思う。

夜のTVニュースで、例の渋谷駅前のバカ騒ぎvsオマワリの様子見てふと気づいたことだけど、君が代って、次代を担う若者たちがこんな風にナショナル・チームを讃える“美しい”場面で歌えない国歌なんだよね。大歓びでスクランブル交差点をスキップしながら君が代を歌ってる若者、見たことないでしょ(笑)。もしオレが君が代で好もしいところをがんばって探すとしたら、国威の発揚とか、高揚感とか、そういうアッパーさと縁遠いその曲調だね。ま、闘いの前に歌うのにも向かないわけだけど。

さて、遺伝子組み換え作物問題、モンサント問題がいよいよたいへんなことになってきた。
オレゴン州の例の問題に関して:

米農務省は29日、オレゴン州の農家の畑で、政府が承認していない遺伝子組み換え小麦が見つかったと発表した。同省は「事態を深刻に受け止めている」として、本格調査に乗り出した。事態を受けて農林水産省は30日、同州で生産された小麦を、政府の買い入れ入札から当面外すことを決めた。
(中略)
日本は主に家畜のえさや食用油の原料として、特定の除草剤に強い遺伝子組み換えの大豆やトウモロコシを輸入している。今回の遺伝子組み換え小麦はこれらと同じ種類のもので、食べても安全だが、小麦は日本が輸入を認めている8作物には入っていない。(後略) 
(毎日jp)※太字はオレ
この記事自体が相当に怖い。
つまり〈アメリカ政府が承認〉したモンサントの食物“兵器”は流通させて問題ない、という話なのである。そして毎日新聞も〈食べても安全〉だと断言している
こんな断言、していいの? スキャンダルだろ!? これ。

6月8日に公開される
ジャン=ポール・ジョー監督の『世界が食べられなくなる日』を観た。

映画『世界が食べられなくなる日』
日本政府の連中や、霞が関の遺伝子組み換え作物、および原発関連の当事者は、この映画を観ないだろう。もし観たとしたら、観たことを絶対口外しないだろう。すなわち、この映画は、我々平民が自分の命を守るために、絶対に見るべき作品なのだ。

参議院選挙が大切だと思っている人は、必ず選挙前に観た方がいい。なるべく健康で、死ぬまでに1大会でも多くワールド・カップを観たいと思うなら、どこに投票してはダメか、ハチ公前でスキップしてる連中こそ知っておくべきだろう。
オレはこの映画を観てる最中に2回泣いた。

さて、『あまちゃん』見っか。