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1.15.2013

雪の日の日記

■昨日の大雪の中、かれこれ20年来の友人で、パリから帰郷中のジャーナリスト、佐藤久理子とランチした。

場所は《農民カフェ》学芸大学店(東京都目黒区)。下北沢店には行ったことがあってとても好きな店だが、二号店が学芸大学(駅)にも出来たというので行ってみた。といってもオーナーの和気優さんはそもそもくりちゃんのお知り合いで、その関係で下北沢の《農民カフェ》を知ったのだったが。


で、このランチ・プレイトがまたおいしいんだよ。普段、脂っこいものとか刺激物がガンガンに好きなオレも、ときおりヴィーガン・レストランに行く趣味もある。動物性の味(旨味)に頼らない野菜料理は、当然その素材の滋味を味わうのと同時に、その調理法の“工夫”がごちそうだ。プレイトになっていると、素材ごとの味の違いを引き出す技とアイディアがいろいろ体験できるのがとても楽しい。

前回下北沢店で食べたランチ・プレイトはヴィーガンだったけど、学芸大学店で昨日食べたものは、ほんのちょっとだけ肉を使っていた。食べたくない人はオーダー時にそう言えば、きっとそこだけ別の一品と変えてくれるんだと思う(下北沢店でも、夜の酒場営業時には肉を使った料理も出す)が、それでも95%ヴェジなプレイト。左は付いているスープで、赤カブのボルシチ風な感じのもの(写真のヘタさのせいじゃなく、つまり本当に赤い。ほんのり甘苦い、こっくりとしたうまさ!)。

くりちゃんとの話は密談なので書けない(笑)。和気さんを交えたディスカッションも有意義だった。

で、オレは彼女にできたてホヤホヤの『コンバ』(今日明日くらいから順次書店に流れるはず)をあげたが、彼女はアンヌ・ヴィアゼムスキーの新刊『ユナネ・ステュディユーズ』と、くりちゃんの友人の写真家リシャール・デュマ(Richard Dumas)が撮ったジャン=ピエール・レオーのポートレイトをおみやげにくれた!!!


ゴダール作品(『中国女』↓『ウィークエンド』〜ジガ・ヴェルトフ集団作品)で有名な俳優で自らも映画を作り、作家でもあるアンヌ・ヴィアゼムスキーの昨年フランスで話題になった新刊は、彼女が『男性・女性』を観てゴダールにファンレターを送るところから始まって、二人が激しい恋に落ち、1967年の『中国女』に起用され、結婚に至る時期について書かれたもの。小説とはいえ、ほぼノン・フィクションに決まっている(ざっとめくっただけでもブレッソン、ロッセリーニ、ラングから、ラ・ヌーヴェル・ヴァーグ関係者の面々が実名で登場するし、もちろん68年5月革命に向かう“政治の季節”ならではのくだりとして、5月革命の重要拠点となったパリ第10大学(ナンテール)の構内でダニエル・コーン=ベンディットがヴィアゼムスキーをナンパする場面が出てきたりする!)。ダニエル・コーン=ベンディットの名前は『コンバ』にも出てくるよ(くりちゃん、ありがとう!)

なんかiPhoneを買ったら、いきなりブロガーっぽいブログを書いてみたくなった(笑)ので、実行してみました。結構楽しいな。



10.14.2009

Le Bentō, c'est chic.

■“弁当男子”なる言葉が流行しているが、実は若い世代の節約志向が高まって性別問わず、弁当持参で出勤、って人が増えてるらしい。テレヴィのワイドショウでもその特集を何度か見たし、東急ハンズやら西友やらでも、弁当自作者のためのグッズを売るコーナーがデカくなってる。

特に、日本男児は概して未だに家庭的な作業をすることを肯定的に考えていないと欧米諸国から見なされているフシがあり、昨今の“弁当男子”現象はニューズ・ヴァリューがあるものとして結構外国でも報道されてるみたいだ。
(アメリカ、イギリス、フランスの報道で日本の“bento danshi”の記事を読んだが、その現象の原因としては、だいたいどこも日本の景況悪化を挙げている。が、この国のうそつき年金制度を見限った若者が、早くも20代から老後を見すえて貯金に精を出していることに言及した記事は、オレが見たところない。東京特派員のジャーナリスト連中もたいしたことねえな)。

ところが、それらの国ではそもそもしばらく前から“bento”そのものへの注目が高まってるのだ。特に最近はフランスのメディアでも〈Bentō〉の文字が踊っているのがまま目につく。“愛好者”のブログも数あり、例えば写真がきれいでいつも見ている(確か)ボルドーの女の子の bento blog がこれ。フランスでも相当のアクセス数がある人気ブログらしい(このトップから飛べる、フランス語圏&インターナショナル・ベントー・ブログのリンクも凄い)。



これによると、モード誌『marie claire』の今月号でも Bentō 特集が組まれたという。ル・ベントー、セ・シック、ってことらしい(・・・別に初めての特集ではないようだが)。

もちろんフランスにも “bento danshi” はいる。日本好き男子は、まさか流行に乗り遅れたりしない。この人は、たまにギョッとする弁当をこしらえるが、この日はタブレ&チョリソ(へえー)、キャロット・サラダで、結構フォトジェニックだ。



アメリカにも Bento Specialist がいて、このサン・フランシスコのビギーさんは、その道で結構有名な人のようだ。

で彼女、日本のメディアから、「アメリカにも“bento danshi” はいるの?」と訊かれたもんだから、律義に自分のブログでアンケートを取っている(もし、あなたがアメリカ人の bento maker なら、教えて。あなた、男性? 女性?)
結果は、今日現在で、彼女のブログを見てるアメリカの弁当自作人口における男子率は17%・・・これが多いのか、少ないのか分かんないが、ちゃんといる。

で、このビギーさんのブログのリンクから今度はイギリスの新聞『The Guardian』のサイトに飛んでみたら、その記事の笑える書き出しはこうだ。

《戦後最大の景気後退により、”サラリーマン”の名称で知られる日本のキッチン恐怖症ホワイトカラーたちも、彼らの内なるジェイミー・オリヴァーを引き出さざるを得ない状況になった》。

その記事を書いた東京特派員が、嬉々として“正しい”日本風弁当の作り方をイギリス人に教えてるヴィデオが、また、しみじみと可笑しい(このヴィデオの音楽の被せ方なんか、きみがジェイミー気取りなんじゃねえの? とツッコミを入れたくなる)。

といった風に、最近オレはキー・ワード《bento》で検索して、いろんな国のベントー事情を見るのが趣味だ(昼飯は結構頻繁に――晩飯はほぼ毎日――自分で作っているが、勤め人じゃないから別に弁当箱に入れる必要性がないので、こういうブログには全く実用性を求めていない。ただ、人の作る弁当を見るのが楽しい)。ただし、親切心に溢れた日本人女子が得意の英語を駆使して外国人向けに弁当作り指南サイトを作ってたりするのには、あまり興味がない(オレが日本人なんだから当然か)。

今日発売の週刊『東洋経済』誌でも《弁当男子が増殖中》という記事を組んでいたので、男子をターゲットにした楽しい弁当グッズの新製品なんかがどっさり載ってんのかと思ったら・・・若者の生活スタイルの変化が経済に及ぼす影響やら、それで弁当が売れなくなったコンヴィニの苦悩やら、数字だらけの色気のない記事で(経済誌なんだから当然か)、それも興味なかった。経済はシックじゃねえ。