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12.29.2012

ノー・コメント

■これ、明日の日曜のイヴェントです。
このフライヤーを見るに、怪し過ぎて一切のコメントがはばかられます。ピンとくる人だけ勝手に行って下さい(すべての人に対してオープンです。それだけ記しておきます)。
ぼくはビビりなので、このフライヤーじゃ怖くて行けません。


6.20.2012

素晴らしいレーベルの、素晴らしいフリー・カセット音源

■ヒップ・ホップ、ファンク、ソウル、アフロ・ビート、エレクトロニカをまたぐラインナップが最高の、ぼくの大好きなドイツ(ケルン/ベルリン/マンハイム・ベイス)の《Jakarta Records(ジャカルタ・レコーズ)》http://www.jakarta-records.de/


が、そのリリース40作目を記念して、フリー・カセットを配布する。同レーベルのサンプラー的内容で、かつ未発表音源も満載で無料。ドイツのレコード屋で限定数配布されるけど、もらいに行けない人は、それがまるまるフリー・ダウンロードできる。

《ジャカルタ・レコーズ》の看板アーティストは、まずはガーナ出身でブルックリンで活動するブリッツ・ジ・アンバサダー(Blitz The Ambassador)だろう。フェラ・クティのアフロビートとホーンのフィーリングを継承した生管楽器バンドを従えて活動する彼は、アルバム『Stereotype』(2009)で注目を集め、去年の『Native Sun』も最高だった。ぼくは昨年作を『ミュージック・マガジン』の2011年個人ベスト10の“4位”に選んだが、先日それの日本盤が出たのでチェックして欲しい。これ→ http://plankton.co.jp/392/index.html 

そのブリッツ・ジ・アンバサダーと並んで《ジャカルタ・レコーズ》の一押しは、ドイツのフィメールMCアクア・ナル(Akua Naruだ。原初的なヒップ・ホップの質感と、そこにしかない洒脱さの奥に、ネオ・ブラック・ディアスポラ運動の静かな高揚感が聴き取れる。この〈ネオ・ブラック・ディアスポラ・ムーヴメント〉は、アメリカ、ヨーロッパ、オセアニア、カリブなど、様々な拠点で活動するアーティストによる、様々な趣向のビート/アプローチをより集めてアフリカを指向しているこのレーベルの、いわば隠れテーマだと感じる。高い評価を得たアクア・ナルのシングルも(この“カセット”とはまた別に)フリー・ダウンロードできる。クリップもキュートだ。



The World is Listening 12"(Free Download)

この曲もいい!
The Backflip 12"(Free Download)

あと、ぼくの好きなところでは……カリフォルニア/オークランドの人気ヒップ・ホップ・バンド:クラウン・シティ・ロッカーズ(The Crown City Rockers)のMCラーシャン・アーマッド(Raashan Ahmad)も、ソロ次作を《ジャカルタ》から準備していて、で、今回のカセットにも入ってる。

それから、今回の“フリー・カセット”音源の中で今一番話題になってるのは、エチオピア・ファンク・ファンが瞠目した、ニュー・ジーランドのバンド:将軍オーケストラ(Shogun Orchestra)による、「佐藤さん(Sato San)」というタイトルの曲だろう。ここはJahのおられるJahPanなんで、さもありなん、というのもあながち冗談じゃなくて、このショーグン・オーケストラ、レゲエと無関係ではない。


このバンドは、レゲエ・ファンには有名なファット・フレディーズ・ドロップ(Fat Freddy's Drop)や、ぼくがここ(音楽夜噺)で紹介したブラック・シーズ(The Black Seeds)という、ニュー・ジーランドの人気レゲエ・グループのメンバーが組んだもので、そんな彼らが今回はレゲエではなく、ハイチでアフロ・グルーヴなサウンドを録音する、という趣向の作品だったのだ。そのLP(セルフタイトル盤↑)はちょっと前に日本に入ってきて、好き者たちが話題にしてるよね(LPとディジタル・リリースのみで、今のところCDのリリースはないようだ)。


この《ジャカルタ・レコーズ》は、死語になって久しい〈レーベル買い〉という言葉を久しぶりに思い出させる。そのアウトラインを手早く聴きたければ《サウンドクラウド》と、この“フリー・カセット”音源でバッチリ。

“一流”レコード会社が政治屋と組んで、ダウンロードやリッピングの規制に躍起になってる国があるかと思えば、その考え方と真っ向から対立する海賊党が議会に議席を得る国々がある。で、そうしたテクノロジーを使ってディジタル・リリースもやりながら、LPだってプレスするし、フリー・カセット・テイプも配って、「ハイテクにばっかり頼らずに、楽しくラジカセでも聴いて、忘れてた何かを思い出してくれ」、っていう粋なことをやるドイツのレーベルもある、って話。……しかし“一流”レコード会社って、図体デカいと守るものが多くてダメね。結局あの人たちの守ってんの、音楽とか文化じゃないもんね。楽しくクリエイトしている活き活き感がないでしょ。で、リスナーを悪者扱い。私たちは被害者です、っていうふてヅラから、ネガティヴなオーラがドバドバ出てる。

オレは楽しそうに音楽を作り、慎ましく暮らし、余裕ができた分は、まずみんなを楽しませることに使う、っていう《ジャカルタ》みたいな音楽ビジネスが好きだね。気持ちよくサンプルを配るレーベルの商品って、結局のところ、気持ちよく買える。そういうものでしょ。



このリンク(↑)先のカセットのジャケをクリックするとダウンロード・リンクに飛びます(FLACもあり)。

6.15.2012

スライ・ダンバー・インタヴュー

■以前もどこかで紹介したけれど、レゲエ・ファンが毎月楽しみにしているUnited Reggae - Online Reggae Magazine
その最新号が今日アップされたのでざっと読んだが、目玉記事、16ペイジに及ぶスライ・ダンバーのロング・インタヴューがとても素晴らしい。
知っている話も多いが、これだけの分量で本人が自分のキャリアを語るということは、このポイントを押さえるだけで、レゲエ史の3割くらいの見出し部分を把握できる感じだ。



ステッパーズ・ドラミングの始まり/デニス・ブラウンとのセッション/ソウル・ミュージック/フレディー・マッケイ/チャンネル・ワン/マーリーの「Punky Reggae Party」/ピーター・トッシュ/ローリング・ストーンズ/ブラック・ユフルー(マイケル・ローズ)/セルジュ・ゲンズブール(とのセッションをスライはいたく評価している!)/グレイス・ジョーンズ/グウェン・ガスリーについて、などなど、読みどころ満載。

特にスライがiPadで〈GarageBand〉アプリをいじり倒してる話(笑)とか、facebookでファンが書いているスライの評価を読んでよろこんでるとか、テレヴィとラジオをつけっぱなしにして寝る話なんかは実に楽しいし、ワン・ドロップ・リズムに対する考え方と、今のドラマーの“保守性”についてのメンションなんかは、まさにドラミングから受け取れるスライらしさが全開でガンガンにうなずける。

あと、今号ならピーター・ハニンゲイルのインタヴューもいい。彼のiTunes(圧縮ファイルで音楽を聴くことを当り前のことにしたジョブズのテクノロジー)批判には全く同意する。オレ、今までMac専門で6台買ってきたけど、iTunesで曲を買ったのは全部で5曲未満だろう。それも仕事の資料として必要になって買っただけで、繰り返し聴いてる曲はほとんどないし。

それから、今号にはアルトン・エリスの息子クリストファーのインタヴューもあるし、ドンキー・ジョー・ボーンの(シマロンズ:ウィンストン・リーディーと組んだ)新作のことも載ってる。あと、9月日本公開になる話題のマーリー映画、『ボブ・マーリー/ルーツ・オブ・レジェンド』のデイヴィッド・カッツによるレヴューも必読だね。

毎号のサウンド・サンプラー(無料)も楽しみ(笑・圧縮ファイルは買いたくないけど、こういうオマケなら好き)。でも、今月号のサンプラーのリンクは今のところ出てない(仕事の凡ミスに過ぎず、そのうち表示されるだろう)。

11.25.2010

マニュ・チャオ通信(#25)Live in Tokyo & インタヴュー

通信(#24)でお伝えした、マヌ・チャオのインタヴューが掲載された『ミュージック・マガジン』12月号、出てます。


この高橋慎一さん撮影の写真は、東京・渋谷は井の頭線渋谷駅そばのパチンコ屋を背景に撮ったもので、マヌ・チャオ本人が、おおパチンコ屋だ、この前で撮ろうと言い、道の真ん中でニコニコしているところです。
インタヴューのために与えられていた時間は25分。で、その時間がきて、日本側の仕切りの人に「もう時間です」と2回言われたんですが、その都度マニュは、「この話は大事だから最後までしようぜ」「これは最後まで話したい」と言って10分近くオーヴァーしました(政治の話をしてたんですが)。それで、その日聞いた内容の9割はこのインタヴュー6ペイジ、6700字に吐き出してあります。フランス語で会話したので、このインタヴューでは実際に彼に呼びかけた通り、というかフランス語話者の常として〈マニュ〉と表記しています。

この記事の次は石田昌隆さんがインタヴューし、もちろん写真も撮られてるスタッフ・ベンダ・ビリリの記事が6ペイジ続きます! 是非お読み下さい。


ところで、この“マガジン”12月号、インタヴュアー本人は、ようやく昨日、時間が取れて読んだんですが、ちょうどその昨日、タイミングよく、10月04日の東京恵比寿リキッドルーム公演の録音が〈manuchao.net〉にアップされました。


強烈。ストリーミングを録音しつつ、ところどころ“中座”しながら1度聴いただけなのでまだ断言できないけど、長時間ゆえにファイルを複数に分けなくちゃいけなかった箇所以外は、ほとんどノー・カットだと思う。演奏よし、音質よし、雰囲気よし。会場じゃ聞こえにくかった単語もばっちりクリアに聴き取れるし、裸の胸にマイクの頭を叩きつけるハートビート・パフォーマンスの音圧も、ボコ!ボコ! 入ってる、言うことない“オフィシャル”・ライヴ録音。
〈普通のメジャー〉・アーティストだったら、これをロハで配信することなんかしないよね、っていう内容ですが、“太っ腹”とかいう形容詞をこの人にあてることすら、もう既にピントがズレてるわけで・・・特に驚くにはあたらないことなのですが、とにかく、これを聴かない手はないでしょう。コソコソと日本公演の海賊音源を探す必要ないです。

8.11.2010

tokyoなんとか2010-08 & なんとかフェス新ヴィジュアル

■この男、多忙につき、またもコピペにドラッグ・ン・ドロップでブログ更新。


この表紙は〈なんとかフェス〉オフィシャルTシャツのデザインをアレンジしたものだけど、またまた別のかわいいやつもできてた!

(作者)

他のグッズも告知ヴィデオもできてる!

6.30.2010

tokyoなんとか07月号

■気が狂いそうだ。オレの正常な感覚からすると、選挙カーは堪え難いやかましさだ。オレはもう、3回、中指立てた。それでも、ごせ~えん、ありがと~ございます!って叫ぶのな。ああ、悲しき営業(ウー)マンたちよ。お騒がせしております!!!と絶叫するやつの良識を、どうやって信じろというのよ。職業に貴賎なしというが、絶対ウソだね。社会の安寧を確実に乱している職業、2つはあるもの。

長野(日本の夏フェスといえばもはや、《なんとかフェス in 長野》)と大阪の話題も載ってます。


1.26.2010

店の中で、携帯電話のカメラで商品の写真を撮っちゃいけないんだって?

■以前テレヴィで、本屋で本の中身を携帯電話のカメラで撮影する人のことを問題視する番組を見たことがある。全ページ撮るわけじゃないんだから、つーか、カシャッと1枚撮るくらいならそんな目くじら立てなくてもいいだろうに、と個人的には思う。
書店で本をめくっていると、その本の著者がある別の本を紹介していて、そっちの本が欲しくなることがよくある。先日も、本屋で見た本の中に書いてあった『なんとか』(かんとか文庫)という書名と出版社名を暗記してその本を探しに文庫のコーナーに行ったら、その本がない。そこで、書名を忘れないようにメモしようと思ったが、あいにく手帳もペンも持っていない。・・・こんなときにカメラ付き携帯電話があって、そのページの書名の情報の箇所だけ写真に撮れたらどんなに便利だろうと思った。それが“いけないこと”なら、写真を撮らなくたって携帯電話のメモ機能を使って書名と出版社名をメモすればいいんだろうけど、携帯電話という物体を所有する気持ちがないオレには、立っててもきちんとメモできるタフなモレスキンとペンを常に携行する以外ない。・・・でも、本を見て、その中の情報を手帳に書き写してんのも、いけないんでしょ、その論理だと。

はっきりいって、オレが手帳に何かを一番メモしたい場所は本屋の中だ。本を買わないで情報だけ盗む、なんて断じるのは(思うに)多くの場合浅はかな言いがかりに過ぎず、例えばオレは月に何度も本屋に行って多ければ月に10冊とか20冊とかの本を買うけど、本屋にいる時間が長ければ長いほど、上記のように〈情報元の本はいらないけど、その中で知った本が欲しいが、在庫なし〉という状況が起きるのだ。その本に載っている参考文献リストの本を片端から見てみたいときだってあるだろう。まあ、確かにその情報元の本の著者にしたら、自分の本が売れずに自分の提供した情報だけ〈盗まれる〉わけだが、そんなことにガタガタ言う著者だとしたら、そもそもそんな了見の狭い人間がいい本、作れんのかね・・・とも思うが、またそれは別の問題で・・・つーか、そもそも今日はそんな話を書くつもりじゃなかったんだ。

『ザ・ニュー・ヨーク・タイムズ』の記事でiPhone用の新しいアプリケイションの話題を読んで、すげー感心してしまった。こういうの見ると、特に冬の今頃、食器洗い洗剤でよく手がかゆくなるオレはiPhoneをちょっと欲しくなる。




環境と労働問題を研究しているバークリーのダラ・オルーク教授は、ある朝、自分の小さな娘の顔に日焼け止めのローションを塗りながら、自分がそのローションの中にどんな物質が入っているのかを知らずにいたことに気づく。研究室に行ってその内容物を調べてみると、そのローションには発ガン性物質が入っており、その物質はなんと日光に当たることで悪影響が促進される種類の物質だった。そこで、家に帰って娘の使っている他のものも調べてみると、石鹸にはジオキサン類のものやら何やらが、それから娘の“一流メイカー製の”おもちゃには、原材料に鉛が使われていた・・・。

ということで、オルーク教授は商品の安全性やメイカー企業の社会的責任に対する姿勢などの最新の情報を一般消費者間で共有するためのウェブ・サイトGoodGuideを2005年に立ち上げた。それまでは、例えばスーパー・マーケットで洗剤を買おうとして、その買おうとしている商品に自然と人体に悪影響を与える物質がどれだけ入っているかを調べようと思ったら、棚の前で立ちすくみ、携帯電話のインターネット・ブラウザでその商品に関する情報を自分で収集しなくてはならなかった(つまり、そんなことをする人間はまず、いなかった)。それがGoodGuideができたことで、そのサイトにさえ行けば、商品について知りたい情報が随分楽に、効率よく得られるようにはなったが、いかんせん、売場で気になる商品に出くわすたびに、いちいち商品名を入力して検索する手間はなくならない。

ところが、このたび彼が制作したiPhone用のアプリをインストールすると、売場で気になる商品(食品、化粧品にスキン・ケア商品、家庭用洗剤、子供用のおもちゃ類など)のバー・コードをiPhoneのカメラでスキャニングすることで、瞬時にこんな情報が得られるのだ。



































さらに、このアプリも無料で iTunes > App Store からダウンロードできる。




とはいえ、これ、まだ日本国内じゃ意味を成さないわけだが、このニュース自体は日本の消費者の強い関心を引くだろうし、同アプリの日本ヴァージョンができることも予想されるし・・・ってことで、今のうちから日本の企業も“刺激”を受け始めるんじゃないだろうか。近い将来、日本人も自分や子供の身を守るために、店内で携帯電話のカメラでパシャパシャ商品の写真を撮れるようになるだろう(実際のところスキャニングで撮影音がするのかどうか、そのへんのことは分かんないけど・・・はたから見てればスキャニングも撮影も一緒に見えるだろう)。その頃になったら、本屋で書名のメモくらい取っても許されるだろうか・・・?

ちなみに、このバークリーのダラ・オルーク教授は、1997年にナイキのヴェトナム工場がどんなスウェットショップぶりなのかを暴いた人物でもある。ちなみに、繰り返しておくが、《sweatshop》とは、爽やかな汗のかけるスポーツ用品を作ったり売ったりするメイカーのことではない。

12.10.2009

ギル・スコット=ヘロン通信



■ここしばらく2冊の本の最終作業と校正で他のことが一切考えられなかったので、この続報もちょっと遅くなってしまったが、Better late than never  と言うしね。って感じで、スコット=ヘロンを聴くと、何でもいいから英語を使いたくなってしまうな。音楽家の中で誰よりも好きなボブ・ディランをどれだけ聴いても、自分で英語を使いたいという気分にはならないのだが、GSH を聴くといつも、何でもいいから書きつけたり、トイレでつぶやいてみたくなる。強烈にミーハーだ。

GSH の待望の新作『I'm New Here』のティーザー広告サイトから、「Where Did the Night Go」が無料でダウンロードできるようになっている。リーディング・スタイルの1分14秒のナンバーだが、GSH のよさが、再び、しみじみと味わえる。で、次にトイレに行ったときに、きっと、頭に残ってる一節をつぶやいてみたりするのだ。夜になったら、ウイスキーを飲みながらこの詩を書き出してみよう。やっぱり今、実にミーハーな中学生の気分だ。http://imnewhere.net/


10.14.2009

マニュ・チャオ通信(#14)


■この写真は、なにも間違えたんじゃなくて、今月10日からタワーレコード各店店頭で配布しているフリー・ペイパー『intoxicate』最新号です。

このブログで Manu Chao & Radio Bemba Sound System『Baionarena』のレヴューをしていなかったのは何故かというと、それは音楽中毒誌『intoxicate』に書いたからです。書いたのは800字の文章ですが、これだけのビッグ・アーティストなので、ぼく以外にもタワーレコードの2人=鈴木智彦さんと篠原裕治さんとの計3人によるクロス・レヴューになってますから、この新作については全2400字書いてあります。

この新作の2枚組CDについていたDVD(ライヴ映像だけで2時間半はあったよね)を観た人の多くは、何でマヌや観客がみんな、白と赤の服装をしてるんだろう? と強烈に疑問に思ったはずですが、そのことについても書きました。

原稿料をいただいている道義上、同じ内容をここに書くわけにはいかないので、興味のある方は是非、タワーレコードでもらってください。その他にも興味深い記事がいっぱいありますし、読み終わったら、この『パンドラの匣』川上未映子の写真を額に入れて壁に飾り、その前で、湯呑みで焼酎なんかを飲みながら、「竹さん・・・」とつぶやいて楽しむこともできます。無料で、です。

『Baionarena』はロング・ボックスもありますが(限定じゃないかな?)、ぼくは収納に困るので普通のサイズで四つ折りジャケの方を買いました。これから買う人は、今ならまだ好きな形を選べるんじゃないかな。

10.03.2009

(みんな)リタ・ミツコ(憶えてる?)

■今週のグラトス=グラティス=ロハ、その2。

Les Rita Mitsouko(レ・リタ・ミツコ)は素晴らしいユニットだった。音楽が素晴らしいだけでなく、2人にはユーモアがあり、政治的な発言にも説得力があり、ときには”商売”を度外視して市民運動を率先し、多くのフランス国民(右翼除く)に愛された。もちろん、80年代には世界中に知られたし、そもそもその名前自体が、《“リタ(南米の女性名)”と“ミツコ(日本の女性名)”》・・・要するに“世界の端から端まで”を意味する、彼らの世界主義的な思想を表象したネイミングだった。


             The No Comprendo (1986)



           Best Ov Les Rita Mitsouko(2001) 
                    http://www.ritamitsouko.com/

と、過去形で書かねばならないのは、2年前に惜しくもフレッド・シシャンが他界してしまったからで、去年からカトゥリーヌ・ランジェが1人で活動を再開している。

このフレッド他界の報道に載っている写真の日のパフォーマンスが、YouTubeで観られる。フレッドのギター1本で「Marcia Baila」を歌い、その後ヘロヘロのヴァネッサ・パラディーが飛び入りして一緒に「Les histoires d'A.(Aの話/これは”Amour”の方)」を歌う。なかなかいい。

http://www.youtube.com/watch?v=n6Ley20SFcg

最近では、カトゥリーヌ・ランジェがお友だちイギー・ポップにエスコートされ、スクリーミン・ジェイ・ホーキンズのクレイジー・ワルツ「I Put a Spell on You」をTVショウでデュエットしたのも話題になった。
http://www.youtube.com/watch?v=aad0EoncFRw


前置きはさておき、何がタダかというと・・・その待たれるカトゥリーヌのソロ・スタジオ・アルバムに先駆けて、少し前から彼女の新曲が無料でダウンロードできるようになっているのだ。で、その曲がフランスで結構な”物議”を醸しているので、DLする人に曲の背景を解説しておこうと思う。

曲は「Je kiffe Raymond(大好きよ、レモン)」という。



レモンとは、レモン・ドメネック(Raymond Domenech)のことで、日本でもサッカー・マニアなら知ってるのかもしれないが、フランスのナショナル・フットボール・チームの監督だ。オレは全然熱心なサッカー・ファンじゃないが、この男はなかなか興味深いので、彼についてはちょっとだけ知っている。

というのも去年の6月にマニュ・チャオのパリ公演を観に行ったちょうどそのとき、ヨーロッパはサッカーの欧州選手権でガンガンに盛り上がっていた(欧州では多分にお祭りっぽいワールド・カップよりも、近隣諸国とのガチンコ勝負=欧州選手権の方が、サッカー好きはずっと熱くなるらしい)。で、フランス・チームは大事なイタリア戦で敗退し、ちょうどそのテレヴィを観ていたのだが、その試合直後の監督インタヴューの最後に「この負けの責任を取って進退について考えるか?」とアナウンサーに問われたときにこのレモンという男、「分からない。ただ、今の私の唯一の予定は・・・エステル、きみと結婚したい。こんなときだからこそ、きみが必要なんだ」と、カメラ目線で恋人にプロポーズしたのである。民放TV M6の生放送の敗戦の弁の場で、だ。(観たい人はこれ)

彼の恋人とはそのM6のサッカー番組の司会をしているエステル・ドゥニ(Estelle Denis)で、そのインタヴューをスタジオで観ているのである。2人の間には子供もいるし、両者の関係は有名なのだが、それにしても、国中のファンがイタリアに負けて怒っているその瞬間に、監督がそのあとテレヴィに映る恋人に公共の電波でプロポーズしたんだから、メディアはナショナル・チーム監督のその良識を疑い、国内サポーターも彼をけちょんけちょんに叩きまくった。ある意味当然である。

その恋人のエステル・ドゥニは、担当する人気サッカー番組で、いつもお世辞にも品がいいとはいえないサッカー評論家やジャーナリスト連中と丁々発止でやりあうなかなか気持ちのいい女性で・・・

(この映像では、評論家連中が全員、彼女に対して、ドメネックは監督を辞めた方がいいと言っている)
(これはその翌日の放送で、ドゥニは「結婚するのか? どうなんだ」と評論家に責められるも平然とシラを切りまくっている。この日のスタジオには、その様子をあきれ顔で眺めるミュージシャンのバンジャマン・ビオレーもいる)

・・・視聴者からの人気も高い。なので、彼女のファンはますます、「おまえ、結婚どころじゃねえぞ、さっさと監督辞任しろ!」ということになるのだが、その欧州選手権の痛恨の敗退、プラス、前代未聞のプロポーズ大作戦から1年以上たった今も、レモン・ドメネックはフランス代表チームの監督であり続けていて、ますますプレッシャー高まる中で2010年ワールド・カップの予選を戦っている。

そんなときに、“国民的歌手”カトゥリーヌ・ランジェは「Je kiffe Raymond(大好きよ、レモン)」という新曲を作り、それをタダで配信し始めたというわけだ。話題はあっという間に広がり、間違いなく、物凄い回数ダウンロードされているだろう。

で、その内容はというと、「アタシはレモンが大好き。いい男。凄く、いい男だわ。あの視線がステキ。彼はまわりの言うことなんか構っちゃいないのよ。彼のやり方、その口調も・・・完璧よ、ドメネック。みんなあんたのこと大好きなんだから」って感じで、笑っちゃうくらいベタ褒め。

当然彼を“みんなが大好き”なはずはないし、ここまで持ち上げると強烈な冗談にも思えるわけで、あの硬派な(そしてこっちはみんながその良識を信用している)カトゥリーヌ・ランジェが、こんな歌をどこまでマジで歌っているのか、みんな笑いながら首をかしげている感じなのだ。

で、肝心のヴォーカルは、相変わらずカッコいい、クールに歌い飛ばすカトゥリーヌ節だし、文句なく楽しい曲だ。オレは昔から彼女の大ファンなので、地球の裏側の“ミツコ”の国からも、この曲をたくさんダウンロードして欲しいと思うわけです。

ちなみに曲名「Je kiffe Raymond(ジュ・キフ・レモン)」の“kiffe(不定詞 kiffer)”という動詞が、普通のフランス語辞書には絶対に出てこないスラングで、“凄く好き”という意味。語源はアラビア語の“kif(キフ)”で、大麻(樹脂/ハシシ)のことだ。この言葉がフランスの旧植民地だった北アフリカ諸国経由でフランス語の中に入ってきたときに、“大麻”が“大好き”という意味になり、みんなが使うようになった。最後、いい話だろ。

tokyoなんとか10月号


■今週のグラトス=グラティス=ロハ(は死語か? でもオレはロハスよりロハな人間だ)・・・要するに金を払わずに楽しめるもの、その1。現物を手にできる人は配布店で。難しい人は、毎月のように以下のリンクから落とせる。


落とすのが面倒、という人でも、是非イルコモンズ氏の《なんとかフェス》原稿だけでも、倫理的に正しくかっぱらってきたので、ここで読んで欲しい↓

▼イルコモンズ「イルコモンズのなんとか原稿」

4泊5日の「なんとかフェスティヴァル2009」からもどってきたら、気のせいか、ものがよくみえ、耳がよくなってた。気のせいでなければ、あたまもすこしよくなった気がする。どうやら感覚がひらいたらしい。じっくりものをみたり、じっと耳をすましたり、しっかりものを考えるようになった。こどものころ、キャンプから帰ると、「なんだか、たくましくなって帰ってきたね」と、よくそう云われたもので、なるほどそれに似たところもあるが、すこしちがう気もする。おそらくそれは、日ごろ、聞きたくもない音楽や見たくもない広告、知りたくもないニュースや食べたくもないメニューであふれた、アシッドな資本主義の世界で、あたまを狂わさずにサヴァイヴしてゆくため、知らず知らずのうちにOFFにしていた感覚がオープンになり、リヴァイヴしたのだと思う。つまり「サヴァイヴ&アライヴ」の「なんとかフェスティヴァル」は、「リヴァイヴ」のフェスでもあったわけだが、それ以上にまずは「アライヴ」のフェスだったと思う。なにを「生きた」かといえば、もちろん「革命後の世界の暮らし」であり、「金もうけ連中の世話や餌食にならなくて済む生活」であり、「エコ=ECO=END CAPITALISM ORGANICALY=有機的に資本主義を終結させる)」な生活である。それは、朝起きてから朝寝るまで、ひっきりなしに誰かがドラムやギターを鳴らしていたり、昼間からなにもせずただぶらぶらしてたり、夜中に酔っぱらって地面で眠りこんでたりしても、まぁ「なんとか」なってゆく暮らしであり、「なんとか」なりそうにない場面になればなるほど、みんなでよってたかって「なんとか」してしまう、たくましい生活である。そんな「なんとか」ライフをアライヴしたのだから、このフェスに参加した100人はさぞかしみんなたくましくなって帰ったのではないかと思う。。。という、この作文も実は、「こまった、こまった。「TOKYOなんとか」10月号に載せてもいい原稿とかないでしょうか?」というIRAの成田くんからのSOSメールをみて書いた「なんとか原稿」だったりする。成田くん、これで「なんとか」なるかな?

それはさておき、こないだ、この「なんとかフェス」をドキュメントした映画「なんとかフェス・ざ・ムービー」をみた。その、とにかく、うるさくて、やかましくて、みてると、また感覚がひらいてしまいそうになる映画をみながら思ったのは、「世界がもし100人の村だったら」ではなく、「世界がもしこんな100人の村だったら」ということである。映画はまだ未完成だけど、完成後の映画の宣伝コピーを先につくったので、この「なんとか原稿」のおまけにつけておきます。

この映画は
「革命後の世界」を先につくって生きてしまった
「百人一揆」の記録である。
「もうひとつの世界」は可能なだけでなく、
もうとっくに生きられはじめている。
 見よ、呆れよ、
そして、おもしろければ、来年、参加したまえ。
 これが「革命後の世界の暮らし」だ!


【名称】 「イルコモンズのなんとか原稿」 ブログ版
【分類】 オープンソース・コンテンツ
【仕様】 「TOKYOなんとか」10月号掲載版をソースにコンテンツを改変。
【帰属】 排他的・独占的コピーライトなし
「クリエイティヴコモンズ・ライセンス 表示-非営利 2.1 日本」対応
   この作品は、クリエイティブ・コモンズ・ライセンスの下でライセンスされています。
【備考】 文章の改変・翻訳・リミックス推奨

[警告] この記事の無断転載の禁止を禁じる。

***かっぱらい、ここまで***

試写会で観た、「なんとかフェス・ざ・ムービー」の1st. ヴァージョン、すげえ面白かった。
決定版が一般公開されるあかつきには、またここで告知します。

9.20.2009

マニュ・チャオ通信(#13)

■“通信”最新号は、マニュ・チャオを知らない、あるいはよく知らない人にこそ伝えたい情報。


まず新作ライヴ・アルバム『Baionarena』、フランスでは出ましたが、日本では少なくともとあるオンライン・ショップには1度入荷し、初回入荷分は予約分ですべて売り切れた模様。そこでぼくの予約した分はきちんと確保されてるのだが、配送料無料の“一括発送”で一緒にオーダーした商品の中のたった1点が未入荷なせいで、入荷後1週間も経ちながら、少々間抜けなことにまだ『Baionarena』を聴けずにいる。まあ、楽しみは逃げないから、急ぐことはない。


その新作に気を取られていた裏で――これが今日の本題――実はチャオの2004年の企画盤『Sibérie m'était contéee』が、彼のオフィシャル・サイトからアルバム1枚、まるまる無料でダウンロードできるようになっている!


この『シベリー・メテ・コンテ』は、絵本(写真上:チャオのポエムとヴォズニアックのイラストによる)と、全曲フランス語詞による録りおろしシャンソン23曲が入ったCD(その上の写真)がセットになったもの。それが“完全版”と、絵本を抜粋した“キオスク版”との2ヴァージョンでリリースされたが、どちらも限定版で、本国ではとうに売り切れ絶版。CDだけのバラ売りはしなかったので、当然CDも入手不可能になっていたが、リリースから5年経った今、この反グローバリゼイション闘士、貧者の味方マニュ・チャオは、音の方だけ全部タダにして、その楽しい歌たちを哀しい経済システムのくびきから解放したのだ。

04年のオリジナル・エディションでは23曲収録だったものが今回20曲になっているのと、数曲がリミックス、あるいはリエディットされている(曲によっては2009エディションの方がタイムが延びている)ものの、全体の聴後感に大きな違いはない。全体としては約10分ほど短くなったが、それでも全58分超。ファイルはMP3。

マニュ・チャオを聴いたことのない人は、この好機にDLして聴いてみたらいかがでしょう? この作品は他のラジオ・ベンバ・サウンド・システムによる作品(通常の路線)とは作風が少々違うので、こっちが特別なのですが(ラテン度もレゲエ度もロック度も低く、バンド・サウンドというよりは遥かに宅録風)、それでも、いや、だからこそ彼の詩人、ミュージシャンとしてのセンスがストレートに分かります。


『Sibérie m'était contéee』の参考文献:

RADIOCHANGO JP の nahoko さんによる、キオスク版の絵本のオフィシャル対訳の素晴らしい労作がここで読めます。基本的に、絵本の中身は楽曲の歌詞をモティーフにしているので、絵本を見たことのない人も、このアルバムの歌詞の意味が知りたかった人も必見。

★Wikipedia の英文サイト(詳しい)。

★『ミュージック・マガジン』誌(2005年04月号)の輸入盤レヴュー欄にぼくが原稿を書いていますが、その中の一段落。
《音はラ・マノ・ネグラ以来のミクスチャー感覚とジョルジュ・ブラッサンスの風合いが合体した、いつにも増して飾らない雰囲気。今作は、彼の好む場末の(=日本のメディアが忌避する)パリをテーマにしているからだが、稀代のヴァガボンらしく、そのリズムや音色にときおり南米やアフリカのザラついた砂埃感が混じる。素晴らしきマニュの世界。》


で、肝心のダウンロードはここの、


このグラフィックをクリック。・・・欲しい人は、同ページから”歌詞カード”も1枚ずつ、手動で落とせます。Merci Manu Gracias !

9.07.2009

tokyoなんとか 09月号


■現物を手にできる人は配布店で。難しい人は、毎月のように以下のリンクからPDF書類でDLを!
今月の《TOKYOなんとか集会》は25日(金)19時〜 @Café★Lavandería 、《なんとかフェス》の記録映像上映会!

5.22.2009

Gratos #1 (zine)

■世界A級のスタイリッシュな新自由主義バビロン・シティー東京の中でも、今、最もイケてる人種の間で毎月争奪戦になる、最高にオシャレなフリー・ペイパー。なかなか入手できない人のために、PDFで落とせます。よかった! これで読み逃しがない。いつゴージャスな丸の内OLと会っても、これで会話に困らずに済む。


IRREGULAR RHYTHM ASYLUM Blog: 「TOKYOなんとか」5月号

毎月IRAのBlogから入手可能。グラトス! ムチャス・グラシアス!