10.31.2012

脱原発のきざし

■このままいくと、イギリスでは2018年に再生可能エネルギーが原発産の電力を追い越す計算らしい。脱原発への転換はないと思われていた英国でも、あと5~6年したらこうなる、という試算。
昨日(10.30付けの『ザ・ガーディアン』)


イギリスでは、これまで保守系議員が風力発電に対して冷淡な態度を散々取り続けてきたにも関わらず、かつ、大蔵大臣が風力発電に対する将来的な国としての助成を疑問視したのにも関わらず、風力発電産業は成長を続けている。で、それによってこれまで反対の姿勢を取り続けてきた新エネルギー大臣も考えを改めている。

ただし、特に外国の《GE》とか《三菱》など風力発電タービンのメイカーは、英国政府が将来的にその事業をどのくらいサポートするか(=自分たちが英国に進出する旨味があるか?)を判断しかねているので、この表題の試算通りに行くかどうか、鍵はそこらしい。

でもこの記事によると、英国で風力発電を疑問視している勢力(つまり保守党は未だにいろいろ割れている)のうちの一定の議員ですら、彼の国の将来のエネルギーの主力を担うのはガスだろうと考えているようで、結局、本当に、国として脱原発路線に舵を切っていくのかもしれない。

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特に沖合の風力発電は、四方を海に囲まれた日本でも相当イケるんじゃないか? イギリスとは事情が違う、***とは事情が違う、とすぐに言い出すのがこの国の推進派の論法だけど、じゃあ風でどれだけ見込めて、地熱でどれだけ見込めて、このまま行けばいつ原発を追い抜く、という展望をちゃんと示せばいいんだよね。推進派は、当然それを嫌う。はっきりこんなイギリスみたいな展望が示されると、どんどんそこに投資されて再生可能エネルギー事業が勢いづいちゃうから。日本の技術に潤沢な資金が集まって本気で開発したら、実は簡単に原発が不要なことが露呈しちゃうからだろうね。

少なくとも、世の中の考え方はこういった方向へ向かってる、ということは言える。なのに、あれだけの事故を起こした国が他の国に原発を売って儲けたいとは何事なのよ。それが、世界で初めて人工放射線の被曝をこうむった首都である東京から世界に発信するメッセージだとはね。特に自民党やら石原新党の支持者は、こういうニュースを読んでどう思うのかね。