4.30.2010

ナカグロ、入れるか、入れないか

■《May Day》の日本語のカタカナ表記では、大多数の人がナカグロ(・)を入れませんが、オレは入れます。原語で2語からなる外国語は、なるべくカタカナ表記でも元が2つの単語だということが分かるようにした方が読み手に対して親切だと思うのです。意味のより正確な理解を助ける意味でも、外国語に関する情報をより正確に伝えるという意味でも。
翻訳仕事もやっている身としては、自分の作る欧文和訳のテクストに一定の基準を持たないと、仕事に筋が通らない、という職業的な意識があることは確かですが。とにかく、そういうわけでオレは〈ニュー・ヨーク〉なわけなんですが、固有名詞の場合は特に、〈2〉を勝手に〈1〉にしちゃうのは、それのアイデンティティーの軽視につながるんじゃないか? という思いがあります。

で、オレ的には明日の《May Day》は〈メイ・デー〉なんですが、日本中、新聞も辞書もすべて〈メーデー〉なわけです。ところが、それを見て職業柄、自動的に頭に思い浮かぶのは1語表記の〈Mayday〉なわけで、それを『プログレッシブ英和辞典』で引いてみると・・・

Mayday, mayday/méidèi/
名 詞メーデー:船舶航空機が発する救難信号. ⇒SOS
[フランス語m'aidez (Help me)の発音を写したもの]

つまり〈メーデー〉って〈SOS〉なんだよね。

もちろん、明日はこっちの方(同辞典)・・・

Máy Dày
1 五月祭:古くから5月1日に行う春の祭り.
2 労働祭, メーデー. ⇒LABOR DAY 

明日以降、心情的に全然“ゴールデン”じゃない人たちの中には〈ヘルプ・ミー〉の人が多いのかもしれないけど、弱音は吐かないで、ほんと、“棄民”が団結して逆襲しないといけないんじゃないのかな。敵は、強きを助け、弱きをくじく素敵な国と政治なんだからさ。アロンジ・アロンゾ。



4.28.2010

スーパーモーニング

■このタイトルはふざけてるわけではなくて、ほんとにテレビ朝日の朝の番組『スーパーモーニング』(08h00~)のことです。

明日4/29(祝)の同番組で〈渋谷区とナイキによる、渋谷区立宮下公園のナイキ化問題〉が扱われることが急遽決まった、という連絡が今さっき、入りました。現時点(28日午後3時)では、それ以上の詳細は不明。明日は仕事休み、って人も多いでしょうし、とにかくみんなで見ましょう。

関係者が、これからテレ朝側の取材を受けるということらしいけど・・・しかし急だよな。
http://www.tv-asahi.co.jp/morning/ 


【追伸・・・・今、29日の朝1時前ですが、外出から帰ってきたらメイルで連絡が入ってました。《テレビ朝日の方から連絡があり、本日取材した件について、他に急なニュースが入った為、放送は見送りとのことです。》とのこと! がっかり。だけど、急なニュースって何だ? 大事なことなのか? で、後日放送するのか?

サルトル言うところの『嘔吐』(c) 保母大三郎

■ええと、宮下問題になんて全然関心がない、って人にも“有意義な”話題はなんかないかな、ということで、おっぱいやおしりの話も書いてますが、宮下闘争は依然として続いてます。宮下公園なんてどうでもいいよ、って人でも、このイルコモンズ氏作の《宮下NIKEパーク》の看板くらいはじっくり眺めてみてよ。
サインを一個一個見ていくと確実に吐ける。
ゴボッ、ゲボッ、オエーッ!


*で、闘いつつ、宮下公園は楽しいこともいっぱいやってます。興味のあるイヴェントにはみんなで参加しよう。今も嘔吐公園化は阻止していて《みんなの宮下公園》なので、当然、誰でも遊びに行けます。

宮下公園、つぶやく!
A.I.R. Miyashita Park 宮下公園アーティスト・イン・レジデンス
みんなの宮下公園をナイキ化計画から守る会

おっぱい地震

■イランのテヘランで先週、イスラムの宗教指導者カゼム・セディーギ師(ayatollah Kazem Sedighi)がこんな発言をした:「大地震などの自然災害は、女性が乱れた服装や化粧をすることの過ちによるものである」

師曰く・・・自然災害は、人間の行いの結果として起こるものだ。多くの女性が不適切にファッショナブルで扇情的な服装や過度の化粧をしていることが若者を堕落させ、世の中に婚外/不倫の性行為を引き起こし、それが地震を増大させるのだ(注:この論理の飛躍は、オレが師の話を端折ったものではないよ)。


先週金曜の礼拝で師は、イランの“イスラミック・ドレス・コード”が遵守されていない事態を憂い、それに対する指導としてそのように語ったらしい。英『テレグラフ』紙(↑写真・リンク)によると、テヘランなどの都市部では、女性たちは身体の線にフィットした服を着ているし、髪を覆うスカーフも薄く、幾重にも重ねた巧みなメイク=アップをしている。確かにこの写真の女の子たちは相当カッコいい。こういう女の子たちの服装ですらイカンと。地震が起きるぞ、と言うわけだ。

で、このイスラム宗教指導者の発言に対し、アメリカ人の学生で自称“自由主義で悪趣味でダサいけど科学的で性倒錯的で無神論者でフェミニスト”のジェニファー・マックレイト(Jennifer McCreight)さんが《ブーブクエイク(Boobquake=おっぱい地震)》なるサイバー運動をオーガナイズした。

26日に、世界で同時にみんながデコルテを強調するなどの露出度の高い服装をして、それで地震が起きるか様子を見てみようよ、というもので、Facebook や Twitter で全世界の女性に呼びかけたところ、5万5千人以上が賛同。彼女たちはアメリカ2箇所での当日の集会で、あるいはそれぞれの街で運動に参加した。

そしたらその26日に台湾で大きめの地震が起きたそうだ(笑)が、そこは頻繁に地震が起きるところらしい。

大地震で不幸な目に遭った人は、それが、街で女性が肩や胸の谷間や太ももを出して歩いてるせいだと言われたって複雑な気持ちになるだけだろうし、それを思うと単純にイスラム指導者を皮肉りたかった《おっぱい地震》運動についても、スカッとは笑えないし・・・その意味では妙に困ったニュースだ。

が、少なくともこの《おっぱい地震》、〈自然〉と〈人間の自由〉と〈宗教〉という、地球上の3大問題が全部一緒になってるという点では、深遠なるテーマを数々はらんだ、なかなかレアなニュースではある。これで一躍有名になったジェニファー・マックレイトの話は、ここで聞けます。

4.25.2010

なんでだめなの?

■昨日の《Live Under the Bridge》、最高だった。
最高のイヴェントだった。
今日はこれ。


なんでだめなの?
21世紀のええじゃないか~

4月25日(日)
15時スタート
15時~19時:トーク
19時~24時:音楽パーティ

Cafe★Lavanderia
〒160-0022 東京都新宿区新宿2-12-9
広洋舎ビル1FTEL03-3341-4845


入場無料/但しワンドリンクオーダー
軽食あり/カンパ制


<司会>
ぺぺ長谷川&のびた

<出演>
鶴見済
麻生結(カンナビスト)

LIVE:
ウランアゲル頭チューニング

DJ:
vAqy
MIX NOIZ (FZRK・SOUND DEMO DJ)
Waterr
細(菩薩)

<お問い合わせ先>


ええじゃないか!
ええじゃないか!
ええじゃないか~
世直ししてもええじゃないか~

ええじゃないか!
ええじゃないか!
ええじゃないか~
自由を求めてええじゃないか~

ええじゃないか!
ええじゃないか!
ええじゃないか~
大麻で逮捕しなくてええじゃないか~

ええじゃないか!
ええじゃないか!
ええじゃないか~
情報操作しなくてええじゃないか~

ええじゃないか!
ええじゃないか!
ええじゃないか~
真実語ってええじゃないか~

ええじゃないか!
ええじゃないか!
ええじゃないか~
医薬品に使ってええじゃないか~

ええじゃないか!
ええじゃないか!
ええじゃないか~
衣食住に使ってええじゃないか~

ええじゃないか!
ええじゃないか!
ええじゃないか~
大麻と共生してええじゃないか~

ええじゃないか!
ええじゃないか!
ええじゃないか~
本来、共生してたんだからええじゃないか~

ええじゃないか!
ええじゃないか!
ええじゃないか~
意識を変えてええじゃないか~

ええじゃないか!
ええじゃないか!
ええじゃないか~
繋がり求めてええじゃないか~

ええじゃないか!
ええじゃないか!
ええじゃないか~
繋がり創ってええじゃないか~

ええじゃないか!
ええじゃないか!
ええじゃないか~
本来、繋がってるからええじゃないか~

ええじゃないか!
ええじゃないか!
ええじゃないか~
喜びに生きてええじゃないか~
なんでだめなの?
21世紀のええじゃないか~

興味を持った方はぜひお越しくださいね!
肯定派も否定派も中立派も、都会派も田舎派も郊外派も、エコロジー派もスピリチュアル派も音楽家も活動家も、みんな集まり、ワイワイ語らい、そして遊びましょう!生きましょう!

Let'sギャザリング!

21世紀のええじゃないか!

はじまり!はじまり~♪

LOVE&RAGE★
ANARCHY&PEACE☆

4.23.2010

国旗でケツを拭くなんて

■この写真は、フランスはニースのフナック(fnac/書籍・音楽・映像・家電・写真関連の大型総合販売店チェーン)で先月催されたアマチュア写真コンテストの中のいちカテゴリー《politiquement incorrect(=politically incorrect)》部門で賞を取った作品。

見ての通り、男がトリコロールのフランス国旗でおしりを拭いているもので、受賞作としてこの写真がフナックのニース店に飾られると、無料新聞『Metro France』で報じられるなどしてすぐに議論を呼んだ。フナック側は騒ぎを収めようとしてこの写真を展示から外し、写真家の名前も受賞者リストから外したのだが、それでも話は大きくなる一方で、法務大臣のミシェル・アリヨ=マリーはこの写真家を、そして場合によっては主催者のフナック側も起訴する意向まで示した。かつて御旗のもとに闘った退役軍人の団体も、この写真にショックを受けて抗議したという。

で、マダム・アリヨ=マリーは「とても容認できない事態であり、フランス国旗に対するこのような許しがたい行為が現行法の下で罰せられないのなら、現在の法律の方が不備なのだ」とカンカンになってる。

メディアでは、表現の自由はどこまで認められるか?芸術とは何か?論にもなってるみたいだが、そんなことより、オレはやだな、こんなの使うの。ウォシュレットでないと。

フランスじゃ一般的にトイレの紙質があまり優れてないし、ほとんどのフランス人はウォシュレット(系ハイテク装置)がこの世に存在すすことすら知らない。こんな話で目くじら立てるんなら、もっと国を挙げて家庭の水圧を上げる対策を取って、“ウォシュレット”を普及させりゃあいいんだよ。そしたら、こんなものでおしりは拭かなくなるだろ。

Live Under the Bridge

■いよいよ明日! 
見る前に、これがあることが、すでに素晴らしい。






告知映像/文章/写真各種、詳細は以下:

東京ZINE図書館 

4.21.2010

(快挙!)アラブ初のゲイ・マガジン! @モロッコ


■この4月1日に、アラブ世界で初めての〈ホモセクシュアル〉向け雑誌『Mithly』(この誌名はアラビア語で〈homo〉と〈like me(ぼくのように)〉の掛け言葉だそうだ)が刊行された。でも、最初、多くの人はエイプリル・フールの冗談だと思ったのだという。

というのも、この出版は結構な危険を伴っているからだ。アラブ諸国の中でも最も西洋ナイズが進み、生活の自由度の高い国の筆頭にあるモロッコであっても、同性愛は最高3年の禁固刑に処される可能性がある“重罪”(刑法489条【同性間でのみだらな、あるいは自然に反した行為については、6ヶ月以上3年以下の禁固刑、および罰金を科す】)。つまり他のアラブ諸国同様に、明確に嫌同性愛の国なのだ。そして表向きには、いまだにモロッコ社会は“同性愛なんていうものはこの世に存在しない”・・・的な態度を取り続けている。

これは、そんな状況下に、LGBT(レズビアン・ゲイ・バイセクシュアル・トランスセクシュアル)人権擁護の活動家集団によって落とされた“爆弾”である。で、その活動家集団〈Kif-Kif〉――“kif”が1つだとマリファナ/ハシシたばこの意味だが、2つだと“同じ”の意味。おそらく、ホモもヘテロも同じ人間、というメッセイジだろう――は、“オフィシャル”にはスペインのマドリードに事務所があって、そこに編集部がある(ことになっている)。こんな雑誌だから、外国で作らなくちゃいけないのだ。


一般的に、アラブ諸国のLGBTの人たちは、イスラム法の存在ゆえに決してそこから逃れられない根源的な“罪悪感”に苛まれて一生を送らなくてはならない。この雑誌の編集部は、なんとかそれを解消するための運動の一環として、一度は正面からモロッコ政府に雑誌の出版許可を申請したが認められず、それで、同国の首都のラバトで極秘裏にたったの200部だけ印刷してこういった“クランデスタン(不法)”な形で創刊した。

しかし、たとえ印刷製本されたのがたったの200部だとはいえ、インターネット上では無料でこの全19ページ(100%アラビア語)がpdfファイルでダウンロードできる(ページ左上、PDFアイコン)から、他のアラビア語圏のホモセクシュアルを巻き込んで、今後はイスラム教の原理(ファンダメンタリズム)に基づいている各国の法や“道徳観”に対して、少なからず目に見える脅威になってくることは間違いないと思う。

実際問題、この数週間で世界的にもこの話題はかなり浸透しており(『3軒茶屋40男辞典』に載るくらいだ・・・)、その好反応を受けて同誌の編集部は、次号でさらなる具体的タブー:モロッコで同性愛者の自殺率が、ヘテロのそれよりも遥かに高いという事実に踏み込む予定だという。

中身は全然読めないんだけど、でもこういう雑誌を作る人たちを心から応援したい。こういうのこそ、人間にとって“本当に”必要な雑誌だと思う。

(ソース:Rue89)

4.09.2010

アデュー、ムッシュ・マルコム・M.

■夕刊で、マルコム・マクラーレンの死を知った。

オレは物心ついたときからセックス・ピストルズが嫌いだった。オレはパンク・ロックに対してある種の潔癖症なのだ・・・若い頃は感覚的に(軟派なものを忌み)、今は政治的に(意味のないものを忌む)・・・。クラッシュの『サンディニスタ』に衝撃を受けて以降――最初からインチキ臭かったセックス・ピストルズだったが――その雑音が、いよいよリカちゃんがホットケーキを焼くおもちゃのままごとになった。あの最低さが最高だという言説の意味は、頭では分かったが、あの最低さをそれ以上のものとして暖かく評価する無駄な心の広さがオレには決定的に欠けていた。若さの貧困的側面だ。

今日、マクラーレンの死について一気に報道が流れ、〈彼がいなかったら、パンクは生まれなかったかもしれない〉だの、〈“アナーキー”という言葉を世界一カッコよく世の中に広めた男〉だの、ジャーナリストや評論家がチャラチャラした文句で原稿料を稼いでいるみたいだが、超一流のペテン師を送る言葉として、三流の偽善・妄言は失礼なんじゃないか?

マルコム・マクラーレンの魅力は、ただただその真摯なペテン振りであり、その堂に入った奥深さに目を奪われているうちに、ペテンが真実になって本物より美しく見える事故も起きた。三文役者集団のセックス・ピストルズが時代の寵児になったのは、それが、連中の生みの親マクラーレンによる、オールド・スクールなロックン・ロールに対抗する真剣に出鱈目なアートだったからだと思う。

トリックスターのトリックスターたるゆえんは、ペテンの核に、目をみはるインパクトとクリエイションとリアリティーがあることだ。マクラーレンは80年代に自分名義の音楽作品でヒップホップを真剣に茶化し、しかしその“インパクトとクリエイションとリアリティー”が時間のフィルターで濾された末に残った輝ける核の部分が、今日ヒップホップの古典として満場一致の評価を受けている。要するにピストルズが受けているのと同じ評価をヒップホップ界でも博したわけであって、これがマクラーレンの天才だ。

90年代に入ってロンドンからアシッド・ジャズ・ムーヴメントが世界を席巻すると、今度は真剣にジャズを茶化す。しかし、長きに渡ってDJ連中が育ててきたレア・グルーヴ~アシッド・ジャズ畑が、当時派手な収穫期に入って沸き立っていたロンドン・シーンの後塵を拝することもなく、ならばニュー・ヨークに乗り込むでもなく、パリをそのネタにしたのがマクラーレンのセンス。


それが94年にリリースされたパリとジャズへのオマージュ・アルバム『Paris』で、本人はエリック・サティーの、アート・ブレイキーの、セルジュ・ゲンズブールのパリに対する憧れを作品化したとCDの裏ジャケにメモしていたが、欧州や日本では猫も杓子も“新型ジャズ”を標榜する中で、トリックスターの真打ちも満を持して今度はジャズだとのたまい、当時他界して間もなかったゲンズブールもダシにして、えせドアノー風のモノクロのセルフ・ポートレイトをブックレットにちりばめ、カトゥリーヌ・ドゥヌーヴに、フランソワーズ・アルディーに・・・とにかく、この世界中の非フランス人のパリ・コンプレックスを煽るベタベタな打ち出し方がインチキ臭いことこの上なかった。そのドゥヌーヴをフィーチャーした「Paris Paris」のシングル・ヒットでこのアルバムはまんまと世界中で話題になったが、あんな陶酔境のようなパリは実際にはどこにも存在しない。世界中のみんなが見事にマルコムのインチキなパリにやられた。

オレはこのアルバムが出た94年の、ちょうどその直後にパリに引っ越したので、この作品が個人的にとても思い出深い。それまで東京で“レゲエ屋”だった男がレコード屋を退職してパリに行く理由が、当時なかなか周囲に理解してもらえなかった。そもそもオマエのようなストリート・ミュージック系の音楽屋が、ロンドン、ニュー・ヨーク、キングストンではなくて、なんでパリなんだと。・・・いや、でもパリは世界に名だたるレゲエ・シティーなんですよ――独自のヒップホップ文化も充実しているし、ブラック・アフリカやアラブの音楽もパリでどんどん洗練されてるし、もちろん欧州のジャズの首都でもあるし、音楽的に聴くものだらけなんですよと、多くの人に説明したり、雑誌なんかにいろいろ書いても彼らの先入観を覆す効果はほとんどなかったようだ。とある大手レコード会社の優秀なA&Rマンはその後何年間も、オレが行ったのは〈Paris〉ではなくて〈Bali〉だと思っていたくらいだ。まだ、レゲエには海と太陽が不可欠だと思われていた石器時代の話だ。
で、そんな連中もみんなマクラーレンのこのアルバムを聴いて、オシャレだとか洒脱だとか、さすがスタイリストは違うな、とか納得しながらウットリしていた。

だけど、オレはこのアルバムの1曲目がレゲエであることに誰も注目していないのが不思議でならなかった。〈古き佳きジャジーなパリ〉をテーマにしたはずのアルバムが、なんでレゲエから始まり、わざわざ曲のクレジットに〈African Chorus〉と強調したり、他の曲ではアフリカ人のストリート・スタイルのラップも、アラブのメロディーも入っているというのに、このアルバムのそういう側面には(いくつか日本語のレヴューを読んだが)ほとんど留意されていないようだった。

マクラーレンは、ノスタルジーとファンテジー渦巻くインチキ(非リアル)な“魅惑のパリ”で世界中の耳目を集め、その中に、彼の目に映るリアルなパリを忍び込ませた。もちろん戦後のパリにも、当時のサン=ジェルマン=デ=プレ文化、ジャズやボリス・ヴィアンにも、その弟子のゲンズブールにも憧れを抱いていたことは間違いないし、そのイメージを音的に表現したことは事実だろうが、彼が一番この作品でやりたかったことは、ジャズ・ブームを手玉にとり、世界の多くの人がいまだにパリのイメージをアップデイトしていないことの鈍感さを揶揄しながらリアルなパリの街角の感触を表現することだったはずだ。彼は過去のパリも好みつつ、でも、現在のパリの姿をより一層好んだからこそ、こういうシニカルなアルバム作りをしたはずだ。そしてその現在のパリを音で表現すると、それはレゲエであり、ラップであり、アフリカ人の声であり、マグレブのメロディーなのだ。

オレは、だからこの出たばかりのアルバムをパリで、胸のすくような思いで繰り返し聴いていた。レゲエ屋が東京の会社勤めを辞めてパリに住んじゃったけど、そんなオレのセンスって結構イケてんじゃん、という確信を持たせてくれたのがマルコム・マクラーレンなのだ。その意味で、この人もちょっとだけオレの恩人である。そして、純粋で真剣なインチキは、その存在自体でおのずと本物を相対化して可視化させるから、つまりマクラーレンは反面教師なんかじゃなくて、クソったれにかっこいいインチキズムの巨匠としてクールだったんだ。弔いに1曲聴こうよ。ほな、さいなら、マクラーレンはん。

4.07.2010

マニュ・チャオ通信(#15)Radiochango JP Manu Chao 特別講座

■来週土曜(04/17)、こんなクールな講座に招かれました。・・・パンクやら、レゲエやら、アルテルモンディアリスム(オルター・グローバリズム)やら、いろんな方向から攻めながら、この、今、地球上でも最も熱狂的に愛されているミュージシャンの1人(つーか、おそらくナンバー・ワンじゃない?)であるマニュ(マヌ)・チャオについて話をしたいと思っています。


Café★Lavandería
http://cafelavanderia.blogspot.com/

オーガナイズ:Radiochango. jp
http://radiochango.jp/


4/1、宮下公園のナイキによる工事着工を100名の仲間で阻止!今後ともすべての仲間の力で阻止し続けよう!

■《Circle A》サイトより、4月5日までの状況報告。
http://makhno.sanpal.co.jp/CircleA/?q=node/82 
4/1、宮下公園のナイキによる工事着工を100名の仲間で阻止!今後ともすべての仲間の力で阻止し続けよう!
宮下公園のナイキ化工事についにゴーサインが出され、工事着工予定日の4月1日を迎えた。3月10日の渋谷区議会都市環境委員会において、公園課が4月1日から10月末まで工事を行い、11月初め宮下ナイキパークオープン予定との日程を報告。3月16日、公園課長は作業員とともに原宿区画のフェンス完全封鎖を強行しようとしたが、約60名の仲間の実力で撃退、3月中は各地の野宿の仲間や宮下ナイキ化に反対するアーティストたちなどとともにテントなどで占拠し、工事を阻止した。3月24日の工事説明会では肝心のナイキ関係者は出席せず(警察からの入れ知恵とのこと)、公園課と工事を請け負った東急建設が説明し、仲間の怒りの声を浴びる。
 工事着工前日、3月31日、昼に渋谷区議会抗議情宣、傍聴行動を闘った。この日の本会議で工事のために、「宮下公園運動施設管理条例」、「渋谷区立都市公園条例の一部を改正する条例」の採決がある。この2つの条例が可決された直後、傍聴席で横断幕を広げ、抗議の声を区長桑原と賛成議員に叩きつける。夜のデモでは190名の仲間が結集し、渋谷の街に「宮下ナイキ化工事反対」の声をとどろかせた。特に原宿のあたらしくできたナイキショップ前では音楽隊が抗議のサウンドを叩きつけた。その後、この間「占拠」し続けている宮下の原宿側に集まり、打ち合わせの後、皆でテントに泊まり込む。この日は世界同時行動、フランス・パリでナイキへ、オーストラリア・シドニーで日本領事館へ、タイ・バンコクで日本大使館へ抗議の声を届けた。
 そして4月1日、朝から監視態勢に入り延べ100名の仲間が結集、公園課も東急建設も姿を現すことができなかった。宮下中央階段の通りの向こうにある東急建設本社に対して抗議のシュプレヒコールを叩きつける。その後、これまで野宿の仲間を追い出してきた東急グループの頂点である東急電鉄本社前でストライキを闘った労働組合の仲間と合流。
 公園課は原宿側のテントの仲間を強引に遊歩道の代替地に移転させ、「ホームレスの問題は解決した」とうそぶくが、だからといって工事着工を許していいという話にはならない。年度初めから5月連休にかけて仕事が全くなくなり、多くの不安定雇用労働者が野宿を余儀なくされ、仲間の寝場所をこれ以上奪われてはならない。現在(4/5)まで工事を阻止し続けているが、4月中に何らかの動きを見せる可能性はあり、またまだ予断は許さない。闘いは始まったばかりだ。毎日のように宮下公園現地で朝7時半から監視態勢に入っている。渋谷区=ナイキ=東急建設に抗議の声を!すべての仲間の力でナイキ化工事を阻止しよう!
<抗議送り先>
渋谷区
区長 桑原敏武
電話03-3463-1211
FAX 03-5458-4900
メールmayor@city.shibuya.tokyo.jp
ナイキジャパン
社長 ジェームズ・ゴッドバウト
電話 0120-500-719
FAX 03-5463-3295
東急建設
社長 飯塚 恒生
150-8340 東京都渋谷区渋谷1-16-14 渋谷地下鉄ビル
電話 03-5466-5020
FAX 03-3486-8340
メール webmaster@tokyu-cnst.co.jp
みんなの宮下公園をナイキ化計画から守る会
TEL 080-3127-0639
Mail miyashita@riseup.net

ブログ http://minnanokouenn.blogspot.com
(追記)本日4月7日も、工事を着工させていません。

4.05.2010

公園のあな/Hole in the Park

■3月28日に行なわれた「葬式パレード」後の宮下公園の光景。

オレが思うに、渋谷区はナイキと結託して宮下公園にこっそり民主主義を埋葬しようとした。もっとハッキリ言えば、市民の自由と、カネづるにならないやつらと、家のないやつらと、しかし意見は持ってる“うるさい”やつらを、ナイキのネイム・ヴァリューを利用して排斥しようとしたのだ。自分たちが望む人間だけに来てもらいたいという、モロ、やつらのための“宮下ナイキパーク”を、世間がその露骨さに注目する前に、ササッと素早く造っちまおうとしているのだ。


ナイキは、この暴挙のせいでその企業イメイジを損なうことを多少なりとも危惧したはずだ。でも、連中は、一部の“おかしな分からず屋”の反対意見など、世の中の大多数の人には届くまい・・・ちょっとくらい届いたとしても、そんな妙な連中の声など、“良識ある”一般大衆は真に受けないだろう・・・とタカをくくっている。

つまり、みなさんがナイキにベロベロになめられているのだ。

感じてみて欲しい。今、あなたの体のどこかを、ナイキ・ジャパンにベロベロに舐められているところを。

このヴィデオでは、誰もがその名を知っている渋谷区とナイキに先んじて、名もない市民たちが宮下公園に何を埋葬したのか、想像しながら観て欲しい。




A.I.R. Miyashita Park 宮下公園アーティスト・イン・レジデンス

宮下公園、つぶやく!

みんなの宮下公園をナイキ化計画から守る会

4.03.2010

今日、あなたが楽しく花見をしている公園は、いつまで今の公園のままでいられるのだろう?



【民主主義よ開かれ NO NIKE/2010.3.31 】

■桜が満開だとか、花見の情報もいいけど、それに割く時間の1割でも、宮下ナイキ問題をテレヴィ・ショウで報じてくれないものかな。花は来年も咲くからいいが・・・。

A.I.R. Miyashita Park 宮下公園アーティスト・イン・レジデンス

宮下公園、つぶやく!

みんなの宮下公園をナイキ化計画から守る会

4.02.2010

汚れたモラルの排泄


■この動詞《EXPULSE》は、“(宮下公園から一般市民を)追い出す”という意味と、“ナイキが日本で(汚いものを)排泄している”という意味をひっかけているのだろう。


このフランス NO-VOX / DAL の共同声明では《東京で非常に貴重な公共の緑のスペースが、いち私企業のものになってしまうことは言語道断のスキャンダルである。渋谷区がナイキのような企業に宮下公園を売ることは、市民の生活のための空間を企業の利潤のための場所にしてしまうことであり、そこで生きる人たちの権利を剥奪することである》と、渋谷区とナイキの両者を断罪している。

4.01.2010

宮下闘争

■宮下公園での動きが気になるけど、闘いに直接参加できない、という人は、↓ここで動向をフォローするなり、つぶやいてリアクションするなりしてみて下さい!