7.27.2010

サマソニ? サマパニの間違いだろ?


■去年の第1回は、どうなることかと思ったら、みんなが予想した以上にハッピーだった〈なんとかフェス〉。去年ビビって来なかった人は、実際の記録映画を観て、その様子があまりに楽しそうなんで、みんな後悔で泣きべそかいた〈なんとかフェス〉。ってことで第2回はみんな来ちゃうんで、その意味でもパニックだろうな。

そもそも大枚むしられ、お仕着せの感動を買わされるのなんか全然ロックじゃねえ。

で、その去年の記録映画、遂に一般発売。
もうすぐだ。みんな準備せよ!


7.20.2010

Do you know / Social living is the best

14日の〈2010年のフットボール〉というエントリーに書いた、「嫌われる“社会主義” ~米政権批判のフレーズ」という記事に関して追記です。

今朝の朝刊にはもうひとつ、「嫌われる“社会主義” ~米政権批判のフレーズ」っていう由々しき記事もあったんだけど、それもweb上じゃ読めないみたい。

と書きましたが、2日後の16日に「「オバマ氏は社会主義」 米政権批判、目立つフレーズ」というタイトルに変更になって、asahi.com で読めるようになってました。その記事はこちら。

教えてくれたのは、itsukiiiくんです。どうもありがとう。
(恋に焦がれて鳴く蝉よりも……)

彼曰く、字数の都合とかもあり、紙面とウェブでは違う見出しがついたりするんだそうです。なるほどね。 確かに、今も〈嫌われる 社会主義〉じゃ記事検索にヒットしない。こういうシステムでいいのかね。

だけど、ウェブは写真がカラーで見られてよりリアルです。この5枚目の写真の、いかにもネオリベな顔つきの少年(ごめんね、見た目で判断して)には、こういうナイスな曲を聴かせてやりたい。でも、ほんとに聴かせたらライフルで射殺されそうだ。(そんな目してない?)



7.19.2010

壊す会社、直す会社

■下の記事は朝日新聞6月27日の『オチビサン』の隣の記事で、山形県のウェルボンという製本会社が、本を作るだけでなく、壊れた本を直してあげるセクション〈ブックスドクター〉も社内に設けて年間330冊の注文をこなしている、という話だ。〈本好き〉を自認する人は、クリック(拡大)して読んでみて欲しい(この記事もasahi.comでは読めない)。


なかなかいい話だと思った。もう手に入らない、代替のきかない大切な本が手元にあって、でも、ボロボロ。という場合に、多少費用が高くても、自分の手になじんだその大切な本を直してくれるなんていう仕事は素敵じゃないですか。いい靴は直して履くし、いいジーンズは直して穿くし、いい本は直してさらに読み込みたい。そういう生き方がいい。

で、この記事を読んだちょっと前に、家からそれほど遠くないところにある印刷会社で、ちょっと驚くサーヴィスが始まっていたことを知った(で、その会社のウェブ・サイトを読むと、もう既に若干いかがわしい類似業社がいっぱい出てきているので注意せよとまで書いてあってまたびっくり。こういう商売のこと、知らなかったの、オレだけ?)。

それがこれだ。《ブックスキャン(低価格書籍スキャンサービス)》というもので、なんと、350頁以内の本ならたったの100円で中身を全部データ化してくれ、それをPDF書類に加工してメイル添付で納品するか、CD-RやDVD-Rなどに焼いて郵送納品もしてくれる。350頁よりもペイジ数の多い本は、追加200頁ごとに1冊分の料金(100円)を加算する。

1冊あたりさらに100円の追加料金で〈OCRオプション〉を付けると、すべてがテキスト・データ化される。つまり本の中の文章語句を検索できるし、コピー&ペイストできるようになるというのだ。

しかし、ショックなのは、まず必要な代金をカードで先払いし、本をその会社に郵送すると、スキャン作業のために書籍は裁断され、申込者にデータが納品されるとそのバラバラになった本は製紙会社で熔解処分されるというのだ。この株式会社ブックスキャンさんのウェブ・サイトには:

《BOOKSCAN(ブックスキャン)は、書籍を裁断しスキャナーで読み取り、PDF化するサービスです。
本が好きだけど、本棚はいっぱいだし、本をたくさん買いたいのに 場所的に置く場所がなくて困ってる』という方のためのサービスです。》

と、こともなげにあっけらかんと書いてあるが、本というのは紙質の手触りや匂い、表紙、カヴァー、ときにオビまで含む装丁美術の価値も含めてのものだと思うし(じゃなきゃ、それって本じゃなくて、ただのデータじゃん?)、本来「本が好きだ」っていう人の多くは、そこまで全部含めた物体が好きなんじゃないかと思うんだけど。
・・・で、結局、この会社の論理では、問題の元凶は家賃の高さってこと? 家賃が高くて本を置くための充分なスペイスが確保できないから、人間の暮らしから本が消え、物理的な体積を持たないデータが残る。家賃に追われ、暮らしに潤いがなくなり、本は切り刻まれて溶かされる、ってことなのね。
しかしこの会社、日本の出版業界の電子書籍化に相当時間がかかることまで読んでこういう商売やってんの、凄いなあ。“本”を読んでんのかどうかは知らないけど、少なくとも世の中は読んでるってことなんだろうな。
いつかこういうサーヴィスを頼る日がオレにも来るのかな。今も音楽はできるだけLPで聴きたいと思い続けてるようなアナクロなオレに……。 

で、オレはこの会社と同じ国道246号線沿いにある古本屋《三茶文庫》で先日古本を6冊ほど買ってきたので、この海の日は、本の海で過ごしてます。しっかし、“データ”じゃ、顔に載っけて活字の迫力と紙の匂いの中にまどろむこともできないよね。ロマンティックじゃねえなあ、やっぱ。

7.15.2010

久々にショックです


■久々にショックです。

シュガー・マイノットは、レゲエ・シンガーらしいレゲエ・シンガーであるのみならず、レゲエの重要なファクターであるダンスホール・スタイルの近代的なかたちを作り、その大衆娯楽としての音楽様式に懐の深さを与えながら、しかし、安易な卑俗さに堕することのない、硬派で自律的で品性いやしからぬ好漢でした。男として男に愛される人でした。

ぼくなりに、喪に服します。

このペイジの右側、上から3番目の本『Roots Rock Reggae』(ディスク・ガイド/白地表紙)の右下の方の縦長写真――青いTシャツに黒のボーラーハット、口には大麻のジョイント――、彼がシュガー・マイノットです。

以下、英『Guardian』紙の追悼記事(上の写真も)。

The Jamaican reggae singer Sugar Minott, who has died unexpectedly aged 54, had a prolific solo career from the 1970s onwards. He scored his biggest hit with Good Thing Going, a cover version of a recording by Michael Jackson. Minott's single reached No 4 in the UK in 1981 and prompted a well-received follow-up album of the same name. Minott worked with many of Jamaica's leading producers, including Coxsone Dodd, Mikey Dread and Sly & Robbie, and also nurtured younger artists through his Black Roots label and his company Youthman Promotion.
He was born in Kingston, Jamaica, and began working with local sound systems (groups of disc jockeys and MCs) before he reached his teens. "I started singing when I was about 12, in an amateur talent festival near where I lived in Maxfield Park in Kingston," he recalled. "I reached the final with two others, but didn't win. It gave me some encouragement to go on, really." He cited as his musical inspirations Ken Boothe, Delroy Wilson and Dennis Brown.
After a stint as a selector with the Sound of Silence Keytone outfit, picking records for the sound system and "toasting" (chanting) over them, Minott teamed up with Derrick Howard and Tony Tuff to form the African Brothers, which gave him his first experience as a singer. The trio recorded for the Micron label as well as for their own Ital imprint, working with producers including Keith Weston, Winston "Merritone" Blake and Rupie Edwards.
In 1974 the African Brothers cut No Cup No Broke for Dodd's renowned Studio One, the pioneering black-owned music studio in the Caribbean. When the group split up shortly afterwards, Minott stayed on with Dodd and worked as a singer and guitarist at Studio One. He began recording his own singles, notching up successes with Vanity, Mr DC, House Is Not a Home and Hang On Natty, and followed these up with his first solo album, Live Loving, in 1978.
It was during this period that Minott earned a reputation as a pioneer of reggae's dancehall style, in which he would lay new vocal tracks over original 1960s backing tapes instead of using a live band. Other artists had done this in live performance, but Minott brought the technique into the recording studio, triggering a revolution in Jamaican music. His efforts helped to boost the fortunes of Studio One at a period when the company was reeling from the defection of artists such as John Holt and Alton Ellis to other labels.
After cutting a second album, Showcase (which made innovative use of electronic drums), Minott left Studio One in 1979 and formed his own label, Black Roots. He saw this as more than just a record company, as it was linked to Minott's Youth Promotion project, an organisation designed to "help youth from going through the same struggle as me".
Another 1979 album, Black Roots, generated two of Minott's biggest hits, Hard Time Pressure and River Jordan. Hard Time Pressure was a big success in the UK reggae charts, which prompted Minott to relocate to Britain for a time. In 1980, his Roots Lovers album found him leaning towards the more romantic, soulful sound of lovers' rock.
He returned to Jamaica to supervise his Youth Promotion operation, celebrating his return with a scintillating performance at 1983's Reggae Sunsplash festival. The dancehall music he had helped to create was going strong, and Minott released the Dancehall Showcase album. Music was pouring out of him: he cut several albums in the mid-80s, and also launched his own Youth Promotion sound system, which offered career opportunities to acts such as Ranking Joe, Captain Sinbad and Ranking Dread.
In 1986 he released Sugar & Spice, a collaboration with Sly & Robbie. In 1987 he teamed up with Gregory Isaacs for the Double Dose collection, which was followed by a further swath of releases including Ghetto Youth Dem Rising, Sugar Minott & Youth Promotion and the political concept album African Soldier. He also collaborated with the teen star Frankie Paul for Showdown Vol 2.
By the end of the 1980s, Black Roots had closed down and Minott's influence was beginning to fade. Nonetheless, he continued to deliver galvanising live performances, and his 1991 album Happy Together was a dramatic mix of musical styles. Further evidence that Minott still had some creative juice in the tank was provided by the albums Breaking Free (1994), produced by Tapper Zukie, Musical Murder (1997) and Easy Squeeze (1999). He could still deliver potent singles, too, such as Wah Them a Do (with Junior Reid) and Chow (with Shaggy).
Earlier this year Minott cancelled concerts in Canada after complaining of chest pains. He was due to perform in California later this week.
Minott is survived by his wife, Maxine Stowe.
Sugar (Lincoln Barrington) Minott, musician and producer, born 25 May 1956; died 10 July 2010

7.14.2010

〈2010年のフットボール〉

■最初から書いときますが、事実でなかったらごめんなさい。
asahi.com(朝日新聞社)では、朝日新聞のすべての記事を読めるわけではないんですね? 

今日の同紙朝刊〈耕論〉欄で「2010年のフットボール」というタイトルで蓮實重彦と姜尚中がサッカー・ワールド・カップを愛国心、ナショナリズムをからめて総括していたのが実に面白かったのでここでリンクを紹介しようと思ったら、asahi.com にその記事が掲載されてないみたいなのよ。

同サイトのトップ・ペイジから〈2010年のフットボール〉(『朝日』らしく大江のモジり?だとしたら芸がなさすぎ……)で検索してもノー=ヒット。そもそも〈耕論〉というワード自体でも【検索結果がありません。】となるので、この欄自体が、お金を払って購読する人のためのエクスクルーシヴな記事ってことなんだろう。

何年も前から、なんだか『朝日新聞』も面白くなくなってきたなあと思いつつ、しかし朝刊を触らない朝というものがいまだに想像できないオレは、なかば“だらだら”と朝日をとり続けてきて、今となってはほとんど、日曜の書評欄、同じく安野モヨコれんさい漫画「オチビサン」と、夕刊なら川上未映子コラム「おめかしの引力」だけの理由で『東京新聞』への乗り換えを躊躇しているような状況なのだが、今朝のその2人のサッカー論には、(おこがましいけど、ほんと)我が意を得たりという気持ちでありました。こういう記事が載ってるとトイレも快調なんだよ。

今朝の朝刊にはもうひとつ、「嫌われる“社会主義” ~米政権批判のフレーズ」っていう由々しき記事もあったんだけど、それもweb上じゃ読めないみたい。価値のある記事はタダ読みできない、ってことなんだな、資本主義経済下では。

オレには asahi.com を訪ねる動機がないのでいままで知らなかったが、そういう(冒頭に書いた)ことがほんとだとしたら、オレにも多少良心の呵責ってものがあるんで、まさか記事の出たその日にスキャンなどできませんな。


7.09.2010

いまだ選挙に行く者たちは……

■《政治代表制の領域は閉塞している。左から右まで、同じように中身のない連中が、大物を気取り、救済者を演じている。似たような顔ぶれが並び、マーケティングによる最新情報にもとづいて得意げに言葉を交わす。いまだ選挙に行く者たちは、純粋な抗議として投票することで、投票箱を冒涜するという意図しかないかのようだ。じっさい皆が気づき始めているように、ひとは投票自体に反して投票しつづけているのである。そこで提起されるものは何ひとつ状況を反映していない。民衆を統治するためにくだらない口論を続ける操り人形のような政治家たちよりも、沈黙を守る民衆のほうがよほど分別をわきまえている……》(太字・原文)

『来たるべき蜂起』(P.7)
不可視委員会・著
/『来たるべき蜂起』翻訳委員会・訳(彩流社)

*オレなら:《いまだ選挙に行く者たちは、純粋な抗議として票を投じ続けることに、投票箱を破壊しようという意図しか、もはや持っていないかのように見える。みんな察し始めているのだ、ひとが投票し続けるのは、実際のところ票決行為そのものに逆らってのことなのだと。》てな、感じに訳しますが・・・あんま変わんないか。

“冒涜する”のところは、原義は“爆発させる”なので、もっと物理的に投票箱をぶっ壊すというか、その存在自体を無きものにしてしまうために紙爆弾をぶつけに行く、というイメージを持って原文を読んだ。あさって投票に行く人も、そういう感じで投票箱の穴に紙くず……じゃなくって、紙爆弾を投下して欲しいね。そう考えると、なんか楽しいじゃん。梶井基次郎がレモン爆弾で丸善を爆破させようとしたみたいでさ。

7.07.2010

マニュ・チャオ通信(#18)Manu Chao 講座 第2回


■バルセロナ《RADIOCHANGO - Music and Revolution-》のオフィシャル日本語サイト《RADIOCHANGO.JP》に招かれまして、Manu Chao 講座でしゃべります。
4月の第1回に続いて、その第2回。来週末です。

RADIOCHANGO.JP

Café★Lavanderìa

7.05.2010

世界で一番の国になることに反対



■おい、小泉。オマエの親父、イラク戦争に肩入れしたことについて一切反省の弁を口にすることなく、オマエとすり替わってドロンしたな。あのブッシュですら、イラクに大量破壊兵器があるという情報は誤りだったと自分の口で述べて去っていったが、真っ先にイラク戦争を支持してブッシュのA級のポチとして悦に入ってたオマエの親父は、結局口をぬぐい涼しい顔して身を隠した卑劣な殺しの共犯者だ。

だったら、オマエの最初の仕事は、その口をぬぐった親父の尻をぬぐうことだろ? オマエのやってることはまるで逆じゃねえか。純ちゃんまんじゅうだかなんだか知らないが、永田町までそんな茶菓子を買いに行ってキャーキャーいってたオバハン方をもう一回騙すために、瀕死の自民党に天から舞い降りたマダム・キラーの救世主気取りだ。

オマエの親父は、イラク市民を大勢殺した戦争の片棒を担いだ日本国の責任者だった。くだらん選挙のために駄弁を弄す前に、国民の前に親父を引っ張り出してイラク戦争を総括させろよ。デタラメな男の息子の話を聞くのはそれからだ。ものには順序があるだろ。

世界で一番の国になることなんて大反対だね。そもそも、人間の暮らしに何故、順位が要るんだ? 順位が上の国が、下の国にミサイル打ち込むためか?

7.02.2010

カルタイ&新宿ど真ん中デモ

■今週末は、『ミュージック・マガジン』の締め切りもあるのに、イヴェントも忙しい。


土・日はカルチュラル・タイフーン。今年の会場は駒澤大学深沢キャンパス(東京都世田谷区)。

特に〈シネマタイフーン〉の日曜午前のプログラム『Good Copy Bad Copy』は、寝坊しないで絶対に観に行こう。

毎年充実のブース・エリアにはIRARLLも出店するし、(昨夜の《なんとかフェス2010》準備ミーティングを鮮やかにすっぽかした)音楽ライター二木信先生が話をする日曜午後の基調講演『町で生きる:ヒップホップ・アニメ・団地』も楽しみだが、しかし、

【沖縄に基地を押し付けるな! 決着はついてないぞ! 7.4新宿ど真ん中デモ】と、モロに時間が重なってしまっている。

さて、どうするか...。その前に、日曜日までにレゲエのニュー・アルバム15枚を聴いて全部のレヴューを書くことはできるのか...。