11.25.2010

マニュ・チャオ通信(#25)Live in Tokyo & インタヴュー

通信(#24)でお伝えした、マヌ・チャオのインタヴューが掲載された『ミュージック・マガジン』12月号、出てます。


この高橋慎一さん撮影の写真は、東京・渋谷は井の頭線渋谷駅そばのパチンコ屋を背景に撮ったもので、マヌ・チャオ本人が、おおパチンコ屋だ、この前で撮ろうと言い、道の真ん中でニコニコしているところです。
インタヴューのために与えられていた時間は25分。で、その時間がきて、日本側の仕切りの人に「もう時間です」と2回言われたんですが、その都度マニュは、「この話は大事だから最後までしようぜ」「これは最後まで話したい」と言って10分近くオーヴァーしました(政治の話をしてたんですが)。それで、その日聞いた内容の9割はこのインタヴュー6ペイジ、6700字に吐き出してあります。フランス語で会話したので、このインタヴューでは実際に彼に呼びかけた通り、というかフランス語話者の常として〈マニュ〉と表記しています。

この記事の次は石田昌隆さんがインタヴューし、もちろん写真も撮られてるスタッフ・ベンダ・ビリリの記事が6ペイジ続きます! 是非お読み下さい。


ところで、この“マガジン”12月号、インタヴュアー本人は、ようやく昨日、時間が取れて読んだんですが、ちょうどその昨日、タイミングよく、10月04日の東京恵比寿リキッドルーム公演の録音が〈manuchao.net〉にアップされました。


強烈。ストリーミングを録音しつつ、ところどころ“中座”しながら1度聴いただけなのでまだ断言できないけど、長時間ゆえにファイルを複数に分けなくちゃいけなかった箇所以外は、ほとんどノー・カットだと思う。演奏よし、音質よし、雰囲気よし。会場じゃ聞こえにくかった単語もばっちりクリアに聴き取れるし、裸の胸にマイクの頭を叩きつけるハートビート・パフォーマンスの音圧も、ボコ!ボコ! 入ってる、言うことない“オフィシャル”・ライヴ録音。
〈普通のメジャー〉・アーティストだったら、これをロハで配信することなんかしないよね、っていう内容ですが、“太っ腹”とかいう形容詞をこの人にあてることすら、もう既にピントがズレてるわけで・・・特に驚くにはあたらないことなのですが、とにかく、これを聴かない手はないでしょう。コソコソと日本公演の海賊音源を探す必要ないです。

11.22.2010

スタバ、ダーウィン、パッパ&コンドーム

■18日(木)朝日朝刊に、おかしいというか、悲しいというか、さもありなん、というか、読後の気分はひとくちじゃ言えないんだけど、まあ、面白い記事が載っていたので、ここに保存しておこう。


アメリカって、これだけカラーがはっきり分かれてるぶん、分かりやすい国ではあるんだろうし、そういう国のキャラクターは『松嶋×町山 未公開映画を観るTV』なんかでも十二分に感じ取れるわけだが、でもこうして大真面目に新聞で対比記事が出たりすると、妙に笑えてきて、2色に塗り分けて読んじゃう。ま、オレがもしアメリカ人だとしても、やっぱ、どっちにも票は入れねえな。

しかし、この見出しからして、どうにも解せないものがある。スターバックスのシオニスト問題は、民主党支持層は気にしないのかしら。そういう肝心な部分に鈍感なら、オレの目には、結局彼らも共和党と一緒。大局的にはどっちも“大差ない”ように思えるな。


——ところで、大ニュース! 上↑の新聞にも出てるように、共和党支持者が結婚前に妊娠しないのは、結婚前のセックスをよからぬものとする聖書解釈によるものだし、聖書では快楽を追求するセックス自体がダメ(という解釈が主流)なわけだが、その快楽を追求するセックスが禁忌なのに、なんと Papa はコンドームの使用を認めたぞ! 


つまり“認可”の理由はどうあれ、子供を作る目的以外でもセックスしていい、とローマ法王が言ったに等しい! ってことは快楽目的のセックスを、事実上認めたってことになるぞ。こいつは大変だ! 

オレがパリに住んでいた90年代、右派大統領のジャック・シラクでさえ、フランスの高校・大学の構内や、メトロの駅にコンドームの自動販売機を設置し続けたことに対して、幾度となく前のローマ法王がそのシラクの“コンドーム観”をチクチク批判していたのを思い出すが、あれから10年でこの“変節”なんだから、これって歴史的に見たら強烈に大事件だよね。あー、時代は、変わるところは変わるんだな、と感慨深い・・・けど、でもクリスチャンは、ダーウィンはまだ信じてないからね。つーか、そもそもそこを許したら、キリスト教の大前提(創世記)が無きものになっちゃうもんね。

もうこの際、ダーウィンとかいう男は完全無視でいいからさ、ぜひパッパには、コンドームの次はイズラエル=パレスチナ問題について、もっと積極的仲介に踏み込んで欲しいね。ヴァチカンを守るより、彼の地の和平の方が、聖職者として身体を張るべき重要事ではないでしょうか?

あー! そういえばこの人、同性愛もまだ“病気扱い”してるんだった・・・。

11.20.2010

なぜ日本人は、民主主義国家では日常茶飯事の「デモ」に消極的なのか


ダイヤモンド・オンライン 週刊上杉隆【第150回】 
2010年11月18日 


毎週水曜の夜、東京FMの「タイムライン」に生出演している。
きょう(11月17日)の放送では「デモ」について取り上げた。先週末、横浜で開かれたAPEC、その会場周辺で行われたデモを受けての特集である。
番組ではデモ参加者の声も拾っている。そこで驚いたのは、デモに対する日本人の消極的な態度である。
 「趣旨には賛同できるけど、お巡りさんを見ると怖い。法律的には問題ないけど威圧感がある」
管理統制社会・日本に住んでいればこうした感覚に陥るのも仕方あるまい。情報の鎖国状態から脱却するのはまだ相当先の話なのだろう。本来、積極的なデモ参加者ですらこうである。そうでない多くの日本人の考え方は言うに及ばずだ。
日本国憲法21条では、集会、結社、表現の自由が保障されている。もちろんデモも国民の権利として保障され、単に警察へ申請すれば何人であろうと行うことは可能だ。
だが、先の参加者の声にもあるように、日本社会全体がそうした当然の権利行使に対して理解があるとは言いがたい。デモ参加者は奇異な目で見られ、お上に逆らう、不埒な人物というレッテルを貼られがちだ。
なぜ日本では国内のデモが
大きく報じられないのか?
世界の民主主義の国ではデモは普通に行われている。番組に出演した作家の雨宮処凛氏もこう語っている。
 「ベルリンでは一日平均8つのデモがあると言われている。フランスでは100万人規模のデモが起こることもある。その背景には自分たちの権利を徹底的に教えられる教育システムがある」
日本では逆だ。むしろ個人の権利を主張することは「社会の敵」というレッテルを貼られることを意味する。
国内で起きた4000人規模の「反中デモ」、APEC反対を掲げた横浜でのデモも大きく報じられることはなかった。それはお行儀のよい記者クラブ制度に起因する。
官僚組織と同根のマスコミからすれば、デモ参加者とは「お上」に逆らう好ましからぬ人物の集まりだということになる。そうした官僚的な共通認識がマスコミ界に蔓延し、デモ参加者を白眼視する傾向が続いているのではないか。
これまでAPECやサミットの度にデモは発生していた。カナダやドイツでの激しいデモは日本のマスコミでも再三取り上げられた。ところが、それが国内で同じデモが起きた途端、あたかもそれは一切発生していないかのような報道になってしまう。
ダブルスタンダードの背後には
やはり“官報複合体”の影が
そうした報道のダブルスタンダードを説明するのは、毎回言及するようで申し訳ないが、やはり記者クラブ制度の存在が大きい。
中国での「反日デモ」が大きく取り上げられている。じつは今回の「反日デモ」は、北京や上海などの大都市部では一切発生しておらず、地方都市だけのものである。さらには、それらのデモがいかにも暴力に偏っているように扱われている。
実際はどうなのか。月刊誌「G2」の対談で中国人ジャーナリストの安寧氏に聞くと次のような回答があった。
 「反日を訴えてデモを起こしている者も確かにいます。だが、いま共産党政府が最も恐れていることは、そうしたデモの目的が、反日から反共産党に変わることです。実際に都市部のデモはまったく認められていないのは、反政府デモに変わる要素があることを当局が察知しているからです」
日本のマスコミがそうしたデモを積極的に報じるのは、それが日本政府にとってマイナス要因にならないと確信しているからだ。
その一方で国内のデモをほとんど報じないのは、政府や霞ヶ関の機嫌を損ねることになりかねないという自主規制によるものだ。
マイクロメディア連動型のデモが
国際政治の新たな風景に
いま世界では新しい形式のデモが広がっている。それはツイッターやフェイスブックなどのマイクロメディアを使って、直接的に施政者に働きかける新しいスタイルのデモだ。
イラン、モルドバ、タイなどではすでにツイッターと連動した形でのデモが行われている。これまでの通常のデモを鎮圧された後、再びツイッター上の呼びかけに応じて、デモが復活、政府を脅かすほどまでになったのだ。
同時に、ツイッター上で政治家や有名人のアカウントにRT攻撃を仕掛ける。そこで政策の変更を求めるといった具合だ。
こうしたネットメディアを融合させた新しい形のデモと権利の主張は、国際政治において当然の現象になりはじめている。
じつは日本でも今年初め、検察の捜査に対して不満を持つネットユーザーによって同種のデモが行われた。また、ハイチ支援に遅々とする鳩山官邸(当時)に対しても同種のツイッターデモがなされた。これらはともに本コラムで触れている(第111回第112回)。
だが、あいもかわらず、日本のマスコミはこうした表現の自由と国民の権利主張に対して鈍感だ。憲法21条を読み直すべきなのは、デモを嫌う為政者や官僚ではなく、その恩恵に与っているはずの記者クラブの記者たちなのではないだろうか。

11.17.2010

マニュ・チャオ通信(#24)話題3題

■今日のマヌ・チャオ通信は、話題が3つ。

その1・・・5日ほど前、西サハラ問題に関してマヌ・チャオが声明文を出した。


西サハラはサハラ=アラブ民主共和国として76年に独立を宣言したものの、今もってモロッコが武力をもって領有支配している。首都エル・アアイウンと近郊のキャンプでは、先日からモロッコ軍がサハラウィ(=独立派市民)の運動を野蛮な暴力で鎮圧しようとし、死者や行方不明者が多数出ている。

マヌはEU諸国や世界の国々に対し、モロッコ政府に暴挙を止めるべく説得することを、そして現地で何が起きているのかを正しく世界に伝えるために、各国のジャーナリストが現地に自由に入れるよう、モロッコ政府に働きかけることを求めている。国連には、世界人権宣言の第二条(↓)が適用されるべく、しかるべき処置を取ることを、また、フランス政府とスペイン政府に対しては、サハラウィを殺し、虐待し、抑圧することに使われている武器をモロッコ政府に売ることを直ちに止めるよう、訴えている。

(世界人権宣言 第二条)すべて人は、人種、皮膚の色、性、言語、宗教、政治上その他の意見、国民的もしくは社会的出身、財産、門地その他の地位又はこれに類するいかなる自由による差別をも受けることなく、この宣言に掲げるすべての権利と自由とを享有することができる。さらに、個人の属する国又は地域が独立国であると、信託統治地域であると、非自治地域であると、又は他のなんらかの主権制限の下にあるとを問わず、その国又は地域の政治上、管轄上又は国際上の地位に基ずく(原文ママ)いかなる差別もしてはならない。

なお、このサハラ=アラブ民主共和国を日本は承認していない。



その2・・・先日11月8日にフランスでリリクソンの待望の新譜がリリースされた。これが強烈に素晴らしい! チャオ・マニアには知られたことだが、西アフリカはギニア生まれでパリ在住のレゲエ・シングジェイであるリリクソンは、マヌ・チャオ2002年のライヴCD『Radio Bemba Sound System』とDVD『Babylonia en guagua』で聴くことのできる、当時のラジオ・ベンバ構成員だった、あのレゲエMCだ。


シリアスなマヌ・ファンで、まさかあのDVDを観たことのない人はいないと思うが、そこまでのファンじゃない、という人のために、そのハイライトのひとつ、「Mr. Bobby」のYouTubeのリンクを。


ちなみに、「Mr. Bobby」はもちろんボブ・マーリーのことだし、そもそもこのDVDのタイトル『Babylonia en guagua』だって、ボブ・マーリー&ザ・ウェイラーズのライヴ盤『Babylon By Bus(バビロンをバスで行く)』の表題をまんまスペイン語にしたものだ。そのマーリーの『Babylon By Bus』は(その大半が)78年〈Kaya〉ツアーのパリ・ライヴの実況だったわけだけど、マニュの『Babylonia en guagua』も同じパリ・ライヴだったわけで、つまり自分もマーリーと同じくパリのライヴ録音をリリースする際に、その映像の方にマーリーのライヴ・アルバムと同じタイトルをスペイン語でつけたわけで、それくらいマニュはマーリーに心酔してるってことだろうし・・・きっと、当時17歳のマニュ青年はパリでBMWのその公演を直接観てビビッときたんじゃないだろうか・・・と、想像するに、なかなかいい話である。

だから、なおのことその『Babylonia en guagua』のショウ(ツアー)では、演奏のレゲエ度をバッチリ高めたかったのではないか? で、そのためにフィーチャーするラスタMCとして抜擢されたのがビジー(Bidji)だったわけで、それが Lyricson の別名だ。彼はラジオ・ベンバに加わる前年の91年にも、フランスのヒップホップ・グループの第一世代の筆頭にある名グループ Assassin(アササン)のアルバム『Touche d'Espoir』とそのツアーに参加していた。それを聴いたか観たかして、マニュは彼に声をかけたのかもしれない・・・それくらい、アササンでのリリクソンの活躍は光っていたのだが、御存知のとおり、『RBSS』/『Babylonia en guagua』でも彼の存在感は強烈で、その起用は大成功だったから、あれを観て〈Bidji〉の音源を探した人もいたかもね。でもその名義では彼の作品は見つからない。ソロでのシングルやアルバム(これが3作目)はすべて〈Lyricson〉の名前で出しているからだ。


で、このアルバム『Messages』が最高なのだ。オケのプロダクションは、パリ、ロンドン、キングストン(ファイアーハウス・クルー)。歌詞は全曲英語(というのが、彼のソロ・ワークでの常)。あのハイ・トーン・ヴォイスで縦横無尽にトラックを駆け回る歌とトースティングには円熟味が出てきたし、オケも素晴らしい。オレなら今年のレゲエ・アルバムのベスト5に入れたいところだが・・・そのためには『ミュージック・マガジン』の年間レゲエ・ベスト・アルバム選考合議のお相手である大石始さんにも、即、聴いてもらわないといけない。合議は今月の末に持たれるのだ。・・・ああ、もうそんな季節か。・・・そういえば、大石さんが書いたマヌ・チャオのリキッドルーム公演のレポートはここで読めるし、彼がとったインタヴュー記事は『CDジャーナル』11月号で読めます。

リリクソン myspace


その3・・・で、ぼくのとったインタヴューは、『ミュージック・マガジン』の12月号に6700字くらいの分量で載ります。発売は20日だけど、その日は土曜なんで、今週金曜には書店に並ぶんじゃないでしょうか。(HMV、仕事速いな。表紙はコーネリアスか)

11.15.2010

サルコジーVSジプシー

■“21世紀のヒトラー”、ニコラ・サルコジーが、移民犯罪対策と称してフランスからロマを出身国に送還していることがフランス国内はもとより、政権内部からも、そして欧州議会やヴァチカンからも非難されていることがここしばらく大きなニュースになっているが、そんな中、11月04日にルーマニアのバンド Vama がリリースし、ヨーロッパ中で話題になっている曲が、この「Sarkozy versus Gypsy」。

“もしジプシー全員が盗みはたらくなら、エッフェル塔なんかとっくにねえぞ!”

いい曲、いいクリップです。



Lyrics/paroles de  Sarkozy versus Gypsy, by VAMA feat. Ralflo
We love to live and we live to travel
Alalala like it, alalala like it
Hop! Hop! Alalalikeit
We’re looking for the better way
But you decide we cannot stay
Hop! Hop! Alalalikeit
You take the right to dream, to work
Three hundred euros won’t buy hope
Alalala like it, alalala like it
Hop!
The fingerprint is not our soul
We’re human beings first of all
Alalala like it, alalala like it
Hop! Hop!
R: Hey, hey Sarkozy why don’t you like the gypsies
Hey, hey Sarkozy why don’t you like the gypsies
Hey, hey Sarkozy why don’t you like the gypsies
The gypsies, gypsies
We ask permission to love your country
Why don’t you like it, why don’t you like it
Hop, hop,
Why don’t you like it
If all the gypsies were to steal
Tour Eiffel would disappear
Alalalikeit, alalalikeit
Hop! Hop!
The world belongs to all the people
Gypsy people is not people?
Hop! Hop!
Alalalikeit
Gypsy groove and French chanson
We all play l’accordeon
Alalala like it, alalala like it
Hop! Hop!
R: Hey, hey Sarkozy why don’t you like the gypsies
Hey, hey Sarkozy why don’t you like the gypsies
Hey, hey Sarkozy why don’t you like the gypsies
The gypsies, gypsies
Ilegal! Ilegal! Ilegal!
Ilegal! Ilegal! Ilegal!
Ilegal! Ilegal! Ilegal!
La France s’imprègne d’un sale arôme
Ca blaire le pogrom le long des aérodromes
Ils brisent, rasent les palettes des romantiques
Vident nets les caravanes de leurs sérums
Culs secs, 3 shooters puis on gerbe le rhum
Expulse par tripes aéroportées c’est des roms
Ce Roméo atterrit en Roumanie
Juliette est un homme elle l’a bannit Abolit
Les frontières Comme Ebola
Elle boula sa définition
Du vrai Rome Surhomme
Consensus de leur forum
Y’a de quoi écrire des milliers de romans
On est tous des fils de tzig, de nomades, de migrants
Sarkozy lui continue d’en faire des tonnes
Alors que tous les chemins mènent aux Roms
(France smells like a bad aroma
It’s like a riot along the runways
They are crushing, demolishing the vivid dreams of the romantics
Remove their serums from all caravans
Cash, 3 shooters and we throw up the rum
The Rom(a) sent away, guts by airmail
This Romeo lands in Romania
Juliet is a man, she banished him
Abolished borders as Ebola did
Definition of Roma, the real, modified
Superman, consensus, all abide
One could write thousands of novels about
We are all sons of gypsies, nomads, migrants
Sarkozy continues to do a lot
But still all roads lead to the Rom(a).)
R: Hey, hey Sarkozy why don’t you like the gypsies
Hey, hey Sarkozy why don’t you like the gypsies
Hey, hey Sarkozy why don’t you like the gypsies
The gypsies, gypsies
R: Hey, hey Sarkozy why don’t you like the gypsies
Hey, hey Sarkozy why don’t you like the gypsies
Hey, hey Sarkozy why don’t you like the gypsies
The gypsies, gypsies, gypsies

反省会

(REUTERS)

APECで、県警の警備対策費は約8億4600万円に上り、警察官らの時間外手当は約3億円を見込んだ。首脳会議では、テロ警戒や要人警護などで、08年の北海道洞爺湖サミットを上回る2万人超の警察官が配置された(神奈川発コミュニティーサイト〈カナロコ〉http://news.kanaloco.jp/localnews/article/1002100007/ )。

さて、非公式なフォーラムに、この血税は必要だったのか?
あの「横浜ビジョン」(↓)なるものを宣言するための、その集まりの警備にこれだけの税金が使われたわけですが、以下の宣言が、はたしてその金額に見合った素晴らしい成果でしょうか? その税金を負担した国民は、各自、反省会をするべきでしょう。この国の議会制民主主義を支持するならば。

〈横浜ビジョン〉

一、アジア太平洋地域は世界経済の原動力、成長のエンジンになった。域内の13カ国・地域は「ボゴール目標」の達成に向けて顕著な進展を遂げたと結論。
一、アジア太平洋地域の経済は金融危機から回復しつつあるが、不確実性はまだ残っている。
一、世界貿易機関(WTO)の新多角的貿易交渉(ドーハ・ラウンド)の妥結は2011年が極めて重要な機会。
一、輸出規制などの新たな保護主義的措置を取らない方針を13年末まで延長することに合意。
一、貿易・投資がより自由化され開かれているAPEC共同体の発展を追求。「緊密な共同体」「強い共同体」「安全な共同体」を構想する。
一、緊密な共同体への道筋としてボゴール目標が想定した20年の目標年に向けて、地域経済統合をさらに推進する。
一、アジア太平洋自由貿易圏は東南アジア諸国連合(ASEAN)プラス3、プラス6、環太平洋連携協定(TPP)などの地域の取り組みを基礎に発展させ、包括的な自由貿易協定(FTA)として追求されるべきだと信じる
一、APECはアジア太平洋自由貿易圏の育ての親として、重要で意義のある貢献をする。
一、APECの非拘束的かつ自主的な性質を考慮
一、アジア太平洋地域の物品やサービスの移動時間、費用、不確実性の削減の点から、国際物流能力を15年までに10%改善させる目標の達成に取り組む。
一、強い共同体への道筋として成長戦略を策定し、15年に向けて着実に実施。環境に配慮した「持続可能な成長」など5分野に焦点を当て、低炭素エネルギー分野の開発や中小企業、女性起業家支援といった政策を実施する。
一、安全な共同体への道筋として食料の安全保障、テロ、感染症などに関する取り組みを促進。
一、APECの新規参加に関する課題の検討を継続。
一、地域経済統合を強化、深化させ、貿易・投資に対する障壁に取り組むためのイニシアチブを策定、実施し、質の高い持続可能な成長を確保するための作業を加速。

毎度のG8/20サミットの最後に採択される宣言文しかり、こういうのは常にゆるゆるで、ぐだぐだな文章だ。国民の中に、世界の人間の中に、こんな文章をていねいに読むヤツはほとんどいないと思ってナメくさっているとしか思えない。これ読んで、連中が結局何のために集まったのか、何のために2万何千の鼠で大山鳴動させたのか、理解できるだろうか? 北海道で、山形で、福岡で、農民がTPP反対のデモをしていることを知りながら、「追求されるべきだと信じる」のは一体誰なのか? 反対する国民が存在しても、一切存在していないようにふるまい、そんなデタラメな信念を軽薄に宣言するための非公式な集まりに国民の血税を使うのだ。TPP反対の人たちは、その理不尽さに対して税金の返還請求訴訟をおこすべきだろう。経団連は、政府を使ってこの宣言を採択させ、これを口実に農作物市場の開放を進めたいんだろうが、一方で約二ヶ国の"大国"が嫌なことは拒否できるように「非拘束」なのだ。当然である、非公式フォーラムなんだから。つまり日本人もこんな宣言に従う義務はない。

とにかく、いかにも立派なことをやっているようにみせかけて、どんなに経済不況になってもこれまで金の回ってきたところには金を回り続けるようにし、金持ちの生活が貧乏人の叛乱で危険に晒されないように警察力にもっと金をかけたいという、これってとどのつまり、金持ちの幼稚な欲求以外の何物でもない。金持ちは、貧乏人からもっともっと吸い取ってまで、金持ちのままで安全に暮らしたいのだ。で、そのセコム代は税金で払いたいのである。

政治屋と財界は“安全に”APECを終えられてホッとしているだろう。反対デモに合計何千人も集まろうと、メジャーなテレヴィ局にはその報道をしないようにばっちり指導できたようだし、大成功。連中は反省会などする理由なし。


オマワリ側の深刻な反省会の議題は、
の(おまけ2)にまとまっているので参照のこと。

11.13.2010

おそらく大多数の日本人がAPECなど必要としていない

1) 13:30~14:30 APECいらない!街頭アピール(JR桜木町駅前広場)
2) 14:30 デモ出発地点(JR桜木町駅前広場)
http://chizuz.com/map/map76545.html

■2万何千だかの日本中から集められた人形のようなオマワリも、おそらくAPECがなんなのか、分かってないだろう。「大事な会議だから、偉い人を守らなくちゃ」的な、ゾウリムシ・レヴェルの考えしかないのに違いない。連中は自分たちも税金から給料取ってるから、この馬鹿げた非公式フォーラムの警備に莫大な国民の血税が注がれてたって疑問に思わないのだ——そもそもオマワリが、「国民の血税を無駄にしちゃいけない」なんていう殊勝な意識を持ってるなら、この日本からオマワリが真っ先に消えるはずだ。

オレは納税者として、望まない税金の使われ方には抗議する権利がある。今日は、だからデモに行く。100%非暴力を貫く国民の正当な権利行使だ。しかし、茄子漬けの汁みたいな色の忌まわしい制服を着たギャングどもは、しばしば権力という名の暴力をふるう。万が一、デタラメな被害を被ったらたいへんだから、今夜の竹内結子のテレヴィ・ドラマは録画をセットしていこう。



NO! APEC TV 48時間ライヴ

いらないAPEC!

11.12.2010

反権力人権賞

人権擁護などに尽くした市民団体などに贈られる「多田謡子反権力人権賞」の第22回の受賞者が決まった。次の3団体。

*マスコミ報道による人権侵害の防止活動に取り組む「人権と報道・連絡会」

*日雇い・野宿労働者の支援団体「山谷労働者福祉会館活動委員会」

*原子力発電所への反対運動を続けてきた「柏崎刈羽原発反対地元三団体」

(以上、本日付朝日新聞朝刊37面)

11.11.2010

APEC?

No thanks, absolutely no need.

アジア太平洋経済協力(アジアたいへいようけいざいきょうりょく、Asia-Pacific Economic Cooperation、略称:APEC)は、環太平洋地域における多国間経済協力を進めるための非公式なフォーラムである。
なお、マスコミ等ではアジア太平洋経済協力会議という呼び方がされることも多いが、APECは非公式なフォーラムであって、メンバーを法的に拘束しない緩やかな協力の枠組という性格を持ち、この観点から原語においてもその名称に組織を意味する語が含まれていないため、日本語でも名称に「会議」を含めることは適当ではない。(Wikipedia〈アジア太平洋経済協力〉より抜粋)

2020年までに、世界最大の自由貿易地域を確立するために協議をすすめているが、アメリカと日本の競合関係を長期的視野に立って調整することが主な目的の一つであり、さらに中国を含めてさまざまな政治的なもくろみが錯綜している。(『グローバリゼーション・新自由主義批判事典』イグナシオ・ラモネ、ラモン・チャオ、ヤセク・ヴォズニアク P.037〈APEC〉より抜粋)

〈いらない!APEC 横浜民衆フォーラム〉
http://susquehanna.edoblog.net/



11.08.2010

叛乱の香り

〈民衆の怒りの声を聞け〉

■1968年の写真ではないです。

サルコジーの年金改革と、定年年齢の2歳引き上げ(60→62歳)審議に対する反対デモの様子は日本の新聞なんかでもちょいとは報じられたが、『Boston Globe』紙のウェブ・フォト・アルバム・ペイジ《Boston.com》で素晴らしい写真が40点も掲載されていることを最近知った。本当にナイス、見る価値のあるフォト・アルバムです。

http://www.boston.com/bigpicture/2010/10/france_on_strike.html#photo22 

発煙筒の煙の粉っぽさが舞っている。催涙ガスのツーンとした刺激が漂ってくる。黒パーカのフードを深くかぶった高校生が、深く吸い込む大麻の匂いがしてくる。パリの、フランスの、祝祭の匂い。

パリのラジオ・ノヴァ《Novaplanet》では、このアルバムを〈Parfum de révolte(叛乱の香り)〉と紹介している。