3.18.2012

3.11の東京に響いた追悼と怒りの音

なんと自由なのだろう、
なんと真っすぐなのだろう、

長く音楽の世界で仕事をし、数多の音楽が生まれる瞬間に立会ってきましたが、こんなにも自由で、真摯な音に出会ったことはありませんでした。

……という書き出しで始まる録音技師:新島誠さんのブログ《Across the Street Sounds》を紹介します。
最近のドラム・ブロックの音を「3.11以降に現出した、日常に存在し、いまの風俗文化を象徴する、音風景、サウンドスケープ」と定義される新島さんは、いつもデモでドラム・ブロックの音を録音して公開されています。そして先週の日曜311の音も。

最初に引用した新島さんの文章は、次のように続いています。

あの日から一年が経ち、出掛けた日比谷公園。マーチング・バンドがまず奏でたのはアメイジング・グレイスでした。下の音源を聴いていただければ一聴瞭然なのですが、ブラス楽器を扱う上級者もいれば、初心者もいます。まず、そういう者たちが協調しひとつの音楽を奏でる行為に、そしてそれを為す心の在り方に打たれます。
続いて、この日のために用意された「追悼と怒りのテーマ」。厳かな足取りを想起させるシンプルなつくりのなかから、時折トランペットの矢が放たれ、ガイ・フォークスの仮面のような不気味さでトロンボーンが嗤います。
このテーマは、わたしにグレゴリオ聖歌の「ディエス・イレ=怒りの日」を想起させます。殊に一音一音を存分に延ばしたベルリオーズの引用を。
審判されなければならぬ者は何処だ。

(すみません、結局全文引いちゃいました)




みなさんには、是非新島さんのブログ《Across the Street Sounds》の他のエントリーも見て欲しいと思います。



先日、これも新島さんがアップしてくれた2月の《怒りのドラムデモ》の音源を爆音でかけながら愛知産キャベツを千切りしていたら、添えていた指の爪に派手な切り込みを入れてしまいました。みなさんもご注意下さい。