6.27.2010

もし、私たちが推進者の正体を暴くことができるなら

■【この会議は、各国政府の「シェルパ」(実務官僚のこと。一、二日の会議のために、一年中、準備をしてすごす高級公務員や外交官たち)によって前もってほぼすべてが準備される、どうでもいいコミュニケの発表会のようなものである。その大部分は華やかに飾り立てられて表現されているが、真面目に打ち出された提案の部分は、新自由主義ドクトリンの陳腐な焼き直しであり、貧困地域に関わる多くの問題(負債やエイズなど)に配慮するそぶりは見せたりするが、その約束を実際には実行したためしがない。
彼ら権力的リーダーたちは、世界中の諸問題にあまねく対処しようという自負を持っているようだが、誰も、彼らをそのために選んだわけではない。

(中略)

G8の発するメッセージとは、“誇示”“権勢”“服従”といったものなのである。それに対して、抗議運動のメッセージとは、G8は不当なものであるということ、そして、いかなる役にも立たないということである。そして、私たちが求めるのは、G8などという閉鎖的なものではなく「Gワールド」であり、私たちはその一部でありたいのだ、ということである。】

第一部 もうひとつの世界は可能だ! もし・・・・・・
>第3章 もし、私たちが推進者の正体を暴くことができるなら 
093頁より

まだみなさんの記憶に新しいところだと思うが、『なぜ世界の半分が飢えるのか』の著者であるこの政治経済学者が2年前の洞爺湖サミット抗議運動で来日した際、成田の入国管理局は、“必要事項を確認する”というだけの理由で4時間以上、彼女に足留めを食らわせている。