■ウガンダのゲイ殺し法案に反対する署名運動のことは、オレも Facebook と Twitter では情報を拡散して署名を呼びかけたが、このブログには書かなかった。
この場合のゲイとは広義の“ゲイ”であって、実際はLGBT(レズビアン、ゲイ、バイセクシュアル、トランスジェンダー)の人権をいっさい認めず、見つけたら死刑にできる、その存在を見かけた者には通報の義務を課す、といったような、きわめて暴力的なものだった。その法案に対する抗議の署名運動は結果として、この4日間で192ヶ国と10準州(テリトリー)から合計500,000署名を集めた。
そのアンチ・ゲイ法案は〈審議時間切れ〉という理由で国会が休会し、法案は棚上げになった。噂によると、反ゲイの主張を唱える議員連盟は来期の議会にまた改めて法案を提出する構えらしい。4日間で世界中からこれだけの署名が集まったことは大きな効果を上げたと思うし、実際はその署名の数以上に、世界各国でこの件が話題となり、特に西側メディアがウガンダを人権後進国家として伝えることを恐れたのだろうと思うが・・・いずれにしても〈アンチ・ゲイ〉の人間の頭の中を4日間で入れ替えることなどどだい無理なんだから、彼らの今の考えとしては、まあ、今は審議をやめて、このほとぼりがさめてからまた、再度。そして、今度こそ・・・という感じなのだろう。
議会が休会する直前の報道だが、昨日付け《Newsweek》の『ウガンダ独裁大統領と反ゲイ法案』という記事(2011年05月13日(金)16時38分 アンドルー・メルドラム)には、こんな記述があった(記事の一部抜粋)。
http://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2011/05/post-2088.php
http://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2011/05/post-2088.php
ゲイ弾圧にアメリカ福音派の影
一方、13日には悪名高い反同性愛法案の審議が再開される。同性愛者の死刑を盛り込んだ同法案が最初に提出されたのは09年。以来、国内で物議を醸すのはもとより国際社会からも非難されている。
はたして死刑の条項は削除されるのか? 身内の同性愛者を当局に届け出ない家族に対する実刑も避けられないのか? そもそも同性愛であることは罪なのか? 同法案の行方に世界の耳目が集まっている。
ムセベニによるベシジェや反体制派に対する弾圧の強化と同様、ウガンダ社会の同性愛者に対する弾圧も激化している。ウガンダでの反同性愛運動の高まりには、同国を往来して集会を開くなどしているアメリカの福音派宣教師らが関係していると言われている。(引用おわり)
現在でも、同性愛は世界70ヶ国以上において法律で禁じられた“違法行為”だが、その“違法”の根拠は、知る限り、ほとんどが宗教である。オレが神を信じないと言うと、熱心な信者は「それはとてもかわいそうなことです」と言う。しかしその宗教が、こんな風に一部の人々の人権をおとしめていることに関する彼らの見解は当然、それは「神様がお決めになったことです」ということになる。これでは全く建設的な会話が成り立たないが、その議論が深まらないことも“神のおぼしめし”、ということになる。結局、署名運動の真の“敵”は、見えないし、声明も発しない〈神〉なのだろうか?
オレが反“アンチ・ゲイ”運動に賛同するたびに、この地球が〈神〉の世界だからこそ、数々の“終わらない対立”が起きていることを改めて確認してしまい、胸の辺りがキリキリと苦しくなってくる。
思い出して欲しい。神はアダムとイヴを最初の人間としてそこからこの世界を創造したが、その全知全能の神が、早々に世界の作り方を失敗しているのだ。自分の思うような世界とは違う方向へ向かってしまったので、邪悪な者どもを洪水で溺死させ、ノアの一家だけを救ったのだ。だから現在の人間は全員ノアの子孫で全員親戚なのだ。で、みんなで仲良く暮らすはずだったのだ。しかし、ある国では人間が法的に親戚を殺していいことになっているし、長らく探していた親戚に会えた瞬間に射殺して、そのまま海に捨てていい国もある。それに対する報復も親戚の一部に熱烈に支持される。親戚同士の殺し合いは絶対に終わることがない。つまり神様が、またもやこの世の作り方を間違ってしまったことは明白である。だから、そのうちにもう一回、世界中を洗浄する大洪水が起きて、同性愛者も異教徒もアナキストも大麻容認派も自分の夫や妻以外とセックスしたことのある人も、結婚前にセックスしちゃった人も、大酒飲みも、遅かれ早かれ全員、溺死するのだ。じたばたしても始まらない。それまでの残り短い人生、どう生きるべきかは明白であろう。
上川あやさんも映ってる。