5.29.2011

ギル・スコット=ヘロン通信 #07 『ル・モンド』紙の死亡記事

■今日起きたら、昨日土曜付けの仏『ル・モンド』紙のニューズ・レターが届いていて(『ル・モンド』は夕刊紙なので日本時間の深夜に届く)、ギル・スコット=ヘロンが死んだことが第2番目の見出しで報じられていた。


トップ記事は、“シリア民主化革命”の様子を同紙にレポートしていたアルジェリア人ジャーナリストのカレド・シッド・モハンドが、シリア当局に4月9日に逮捕されてから25日間拘束されていた間にシリア当局から受けた扱い、尋問された内容、集めた情報などを自らのペンで綴った『ル・モンド』のいわゆる特ダネだから、このフランスの左派紙が一般記事として昨日の一番のニュースとして取り上げたのがスコット=ヘロンのことだったわけだ。

なおかつ、同紙ではGSHの死因についても報じている。この前のヨーロッパ・ツアーからニュー・ヨークに戻ったあとに病気になり、同市の病院で息を引き取ったということだ。オフィシャルな情報として伝えているが、その病名までは書かれていない。

この記事だが、

そこにはGSHの3つの映像のリンクが貼られている。最初は「The Bottle」で70年代の映像が観られるもの。で、その次の「Three Miles Down」のライヴ・シーンは、日本では彼のファンにもそれほど多くは知られていない映像だと思う。

『ル・モンド』のサイトではノー・クレジットだが、ここでも触れた、
自身のアムニージア(記憶喪失)・エクスプレス・バンドを従えた、ちょうど10年前、パリの老舗ジャズ・クラブ《ニュー・モーニング》での映像だ。

ぼくはこのパフォーマンスをその場でかぶりつきで観ていたし、個人的にはその日のライヴで最も印象深かったのもこの曲だった。だから泣けるどころの話ではないのだが・・・とにかく、今世紀に入って以降のGSHの貴重な姿と、その永遠のフェンダー・ローズ(エレピ)・サウンドを是非堪能して欲しい。素晴らしいどころではない9分15秒だ。


Gil Scott Heron 投稿者 Zycopolis