2.25.2010

反新宿署!高円寺路上大パーティざまあみろデモ



■市民から声が上がらなければ、それは市民に是認されていることだと思い込む。いや、そう思い込まないと、その腐った自尊心がさらに傷んでしまうから、連中はそう思い込む努力をしてきたし、今もって、そうしている。だから、その努力を邪魔するやつを排除しようとする。つまり、警察は、警察のための警察である。税金でおまんま食ってることは、きれいさっぱり忘れるように訓練されているらしい。そういう連中のことを泥棒という(広辞苑第七版)。


反新宿署! 高円寺路上大パーティざまあみろデモ

2月27日(土)

14:00~ 高円寺中央公園大パーティ
ライブ・トークなどいろいろ/酒・つまみ持ち込み自由

15:00~ デモ出発(高円寺一周)

出演→PunkRocker労動組合(LIVE)、宮崎みのり(演歌歌手)、KEIKOサクヤマ(DJ)、ヨッシー(DJ or LIVE)、白石軍団fromスタジオDOM(LIVE)、APageOfPunk(LIVE)、金目ヨシ子(バイオリン)、えびのお寿司おねえさん(LIVE)、山下陽光(なんかやる)、じゃましマン(大騒動)、雨宮処凛(アジテーション)、二木信(文化人) ほか/ライブ飛び入り出演も自由
※出演バンドまだまだ募集中です

みんなで行こうZE!!
アロンジ・アロンゾ。


2.23.2010

カーリングの素晴らしいところ


■何が聖なる炎なのか知らないが、あれだけ名だたるシオニスト企業を含む巨大多国籍企業のスポンサリングに支えられないと運営できない、スポーツの純粋性を利用したモンスター経済ショウが、聖なる祭典のはずないじゃん。
それに、76年のモントリオール五輪のようなリスク(10億米ドルの赤字を出し、その赤字を30年間かけて国民の血税で埋めた)を負うことを嫌ったアンチ五輪のヴァンクーヴァー市民の声は暴力的に封殺され、世界のテレヴィ画面は、五輪開催を誇らしげに歓ぶヴァンクーヴァー市民の笑顔しか映し出さない。そんなマス・メディアが五輪を華美にドラマティックに演出し、そこに大会開催を問題視する論調は一切ない。世界市民の目であり耳であるマス・メディアは、さすが、常に健全だ。

ってことで、巨大化したこんなグロテスクなイヴェントにはマジで興味ないのだが・・・カーリング競技それ自体の面白さは、それとはまた別の問題。チーム青森のおかげで、遅ればせながら、カーリングの強烈な面白さと素晴らしさに初めて気がついた。

オレの性格とのマッチングも多分にあるのだろうが、3時間のゲームにほとんど退屈する瞬間がない。選手たちが話し合う戦術を観戦者に聴かせる工夫も珍しくて興味深いし、(胸に日の丸なんか付けてるせいで内心は相当なプレッシャーと闘っているのだろうが、そんな様子をTV観戦者に悟られないように)あの微かな北海道アクセントで普通にしゃべってるチーム青森の選手たちは実にクールだ。

そもそもこの競技の何より素晴らしいところは、基本的に審判など不要であるべきものだと考えられているところだ。世界カーリング連盟の「カーリング精神」(スコットランド発祥の競技らしいシンプルながら厳格な美意識に貫かれた、“人間の心得”として読めるテクスト)に記されているとおり、自発的で自律的なフェア・プレイとセルフ・ジャッジを美徳とする。で、そんな文章を読むとすぐに想像してしまう・・・社会がカーリング競技で、人間が全員カーリング・プレイヤー(カーラー)だったらどうだろう、と。正義を暴力的に振りかざすオマワリやら裁判官やら、目障りな連中が不要な世の中・・・。

オリンピックのメディア報道はほとんどかしましいばかりだが、例外的にサンスポの《チーム青森、英国を撃破!》の見出しは、クスッと笑えて文章的に気持ちがいい。ユニフォームに国名として“GBR”をつけた、あのグレイト・ブリテンを青森の“カー娘(バカな愛称なりに、愛嬌はある)”がギヴ・アップさせた先日の強烈な名勝負は、やはり青森とグレイト・ブリテンの対比として記憶したい。〈クリスタル・ジャパン〉なんていう、“カー娘”より100倍安くて役所臭がプンプンする呼称をアナウンサーが連呼するのを聞くと、クリスタルどころかオレはどんより興醒めしてしまう。

カーリングを愛する人たちが、本州最北の県に集まって地道に育み、伝道してきた競技文化を、活躍が見込めるからといって、すぐ“なにやらジャパン”と称してナショナリズム発揚のダシに利用したがる連中の魂胆が薄っぺらで、貧しくて、嫌気が差す。オレは〈ジャパン〉とか〈ニッポン〉とかいう国を応援している覚えはなくて、〈チーム青森〉が好きなんですが、そういうの、ダメですか?

今さっき、〈チーム青森〉はスイス・チームに降参した。見苦しい“あがき”をさらすようなことはせずに、相手のプレイを賞賛し、自分から相手ににっこり手を差し出した。・・・ほんと、そういう気持ちのいい世界を夢想しちゃうね。そんな世の中が“きれいごと”だとしても、〈聖なる祭典〉やら〈クリスタル・ジャパン〉のそれよりはずっとマシだと思います。

2.18.2010

アンチ・キャピタリズム・カフェ #1

(↑写真はCOP15で逮捕されたデモ参加者)

■今週の火曜16日で下北沢・気流舎がオープン3周年を迎え、夕方ちょっくらそのお祝いに寄った。
で、木曜18日は同所でこれだ、アロンジ・アロンゾ。

〈以下、気流舎サイトから〉 ★★★★★★★

鶴見済さんが行き過ぎた資本主義(とオルタナティブな未来)について考える、その名も「アンチ・キャピタリズム・カフェ」を始めます。
第一回目は気流舎にて、COP15 に合わせて各地の自律スペースをまわってきたヒグチさんの報告を聞きます。

アンチ・キャピタリズム・カフェ #1
「COP15デモとヨーロッパ・ソーシャルセンター報告会」
日時:2月18日(木)19:30~
場所:気流舎
ワンドリンクオーダーをお願いします

以下は報告者ヒグチさんによる内容説明です。

*****************
2013年以降の気候変動の枠組みが決められるCOP15とその対抗行動があったので、11月26日から12月17日まで、最初にスイスとドイツに行ってからコペンハーゲンに行ってきたのでその様子を報告します。

1.【自律スペースをめぐるインフォツアー―スイス&ドイツの日常実践編―】
コペンハーゲンに行くまでの2週間、武漢でソーシャルセンター(我門家青年自治実験室)を作った中国の友達と、東京で自主出版物のアーカイブ(東京ZINE図書館)を作りたいと思っている僕の二人で、中国と日本の自律スペースを紹介しながらスイスとドイツを回り、70年代以降の Autonomous 運動に起源をもつ自律スペースの現在を見てきました。
http://stressfaktor.squat.net/termine.php?tag=03122009
Lausanne・Geneva・Berlin の合法化されたソーシャルセンターや占拠された大学を回りながら話し合ったこと、しぶとく非合法占拠を続ける Lausanne のスクワットやGeneva のワゴンプレースで生活したこと、立ち退きをめぐって係争中のBerlin の路上クイアスペースに行ったり立ち退きに抗するデモに出たりしたこと、Lausannne で半世紀にわたって自主出版物の収集・貯蔵を続けるアナキズム文献センターを再訪問したこと、などについてお話します。

2.【COP15対抗行動とサミットインフラ―コペンハーゲンの象徴的大行動編―】
コペンハーゲンで9日間、一連の行動に参加するなかで、10万人のデモでの1000人近い大量逮捕に拘置所の外も中も大熱狂であったり、滞在していたクリスティアニアが深夜に警察に囲まれて夜戦が繰り広げられたり、Bike Bloc に参加してFilastine の I.N.B 以後の新作戦「サウンドスワーム(音の群れ)」のアフィニティグループとしてCOP会議に騒音的介入を試みたり、一連の非日常的スペクタクルがありました。
一方で、コンバージェンスセンター/マス・フィーディング/インフォポイント/メディアセンター、そしてアフィニティグループを基礎行動単位に想定した合議方法などのサミット対抗インフラがシアトル以後10年を経て高い水準で定着していたのですが、それらは自律スペースでの地味な日常の延長にありました。
象徴的大行動のスペクタクルは突如として巻き起るものではなく、自律スペースでの日常実践と地続きに連続していました。
住む場所を作ること、食べ物を分けること、親密圏を築くこと、等などと。
象徴的大行動と日常的実践はどのように連続していて、いかにコインの表裏のように一体となって一つの生(活)を構成しているのか。このことについて考えてみようと思いながら COP15 の大行動に参加してきました。そうすることで、生権力に対する生政治を予示的に遂行する手掛かりが得られると思ったからです。

★★★★★★★

2.16.2010

マイ・ウェイは歌うな!

■オリンピックと同じくらいカラオケにもまるで興味がないオレが、初めてカラオケ情報に目を奪われた。

お隣りのフィリピンでは、この10年で、フランク・シナトラの世界的大ヒット曲「My Way」をカラオケで歌ったことが原因で殺人事件が起き、ハッキリ報道されただけでも少なくとも6人以上の犠牲者が出ているという。フィリピンのメディアはそれを“My Way Killings”と命名していて、カラオケ・バーでは、曲のリストからこの曲を外す、という事態になってるらしい。


イギリスの音楽ニュース・サイト《NME.com》
でも報じられ、そのリンクで飛んだ『ニュー・ヨーク・タイムズ』の「心の琴線ならぬ致死ラインに触れるシナトラの歌」といったタイトルの記事で詳細を読んだのだが、

そこで63歳のフィリピン人グレゴリオさんがこんな風に発言している。「オレ、“マイ・ウェイ”が好きだったんだけどさ、この一連のトラブルがあって歌うのはやめたよ。あれ歌ったら、あんた、殺されるかも知れんぞ」

記事によると、なんで「マイ・ウェイ」を歌うと殺人が起きるのかの因果関係はハッキリとはしていない。ただ、カラオケが国民共通の趣味として普及している同国では、つまりみんなが“シンガー”であり、そんな中、この曲はあまりに有名で人気があって、みんなが“歌い手”としてこの曲に関してそれぞれに一家言持っている。だから、自分の解釈と違う「マイ・ウェイ」、あるいは、あまりに下手くそで聴くに耐えない「マイ・ウェイ」を歌われると、笑うとか、ヤジるとか、激怒するとか、それで逆ギレするとか、とにかくこの曲に端を発してあらゆる理由でトラブルが起きやすいのだそうだ。

また、この曲の歌詞(つまりポール・アンカがシナトラのために書いた英語詞)の“尊大さ”が、歌い手の気持ちを妙にでっかくしてしまい、周囲の迷惑も顧みず、陶酔しきって絶叫し、その態度が喧嘩を誘発するという意見もあるという。(オレはその意見に一票。うっかり、どっかでこの曲を耳にするたびに、こういうことをデカい声で言う人間にだけはなりたくない、と思う)。

布施明の日本語ヴァージョンは、シナトラがこれでもか、とばかりに畳みかける〈I did it my way〉のフレイズが“日本人向き”に翻訳されている。つまり、シナトラのマッチョで脂ぎった自己顕示欲を消したのはいいけど、そもそもどんな年頃の人がどんなシチュエイションで歌ってるメッセイジなのかすらよく分かんない曖昧模糊とした歌詞になってるのだ。布施明の歌唱力に聴き惚れて、そんな点には思いが到らなかったりするのだが。

話戻って、同記事はフィリピン社会の特徴を指摘しながらこの問題を考察しつつ、しかし“カラオケ禍”はフィリピンに限ったことではないとも報じている。マレーシアでも近年、人の迷惑を考えずにマイクを手放さなかった男が刺されたり、タイでは逆に、ジョン・デンヴァーの「(Take Me Home,) Country Roads」を歌った隣人たちに激高した男が、その隣人8人を殺した事件もあったらしい。アメリカでだって、シアトルのバーでコールド・プレイの「Yellow」を歌った男の歌に腹を立てた女性がその男を殴ったとか(!)。

ところで、話しついでにこの「My Way」の原曲(フランス産)は好きだ。その67年リリースのクロード・フランソワによるオリジナルのタイトルは「Comme d'habitude(コム・ダビテュード=いつものように)」というもので、倦怠期を迎えたカップルが、表面上はいつも通りの生活を続けながら、その関係が少しずつ冷えていく感じを、男の目線による日常の淡々としたスケッチの中で描いている写実的で現実的な曲だ。いつも通りに一人で朝起きて、背を向けて眠ってるきみの髪を撫で、いつも通りに一人でコーヒーを飲み、彼女を起こさないように静かに出かけ、いつも通りの曇天の下、既に遅刻してるオフィスに急ぎ、いつも通り仕事から帰り、いつも通り夜遊びで帰りの遅い彼女を一人待ち、いつも通り微笑み、笑い、セックスするのだが、その実、オレたちは“ごっこ”をしてるだけだ・・・という内容の、鬱々とした胸の内を歌の中で爆発させた情けなく悲しい歌が、大西洋を渡るとどうしてあの、一見紳士的なようでどうにも傲慢かつ大袈裟な自己肯定ソングになっちゃったのか、それが何より不思議だ。原曲の内容のまま英語にしてたら、カラオケで歌っても絶対に殺しは起きなかったと思うが。

2.09.2010

ギル・スコット=ヘロン通信 #04 - I'm New Here

■今朝メイルをチェックしたら、ギル・スコット=ヘロンのメイリング・リスト経由でGSHから新作のリリースに合わせたメッセージが届いていた。それは以下のような、味のある、実に彼らしいものだった。(ひどく野暮なので、訳すようなことはしないでおく)

I'm New Here: Gil Scott-Heron
The new album out today UK/tomorrow US

From Gil Scott-Heron:
There is a proper procedure for taking advantage of any investment.
Music, for example. Buying a CD is an investment.
To get the maximum you must
LISTEN TO IT FOR THE FIRST TIME UNDER OPTIMUM CONDITIONS.
Not in your car or on a portable player through a headset.
Take it home.
Get rid of all distractions, (even him or her).
Turn off your cell phone.
Turn off everything that rings or beeps or rattles or whistles.
Make yourself comfortable.
Play your CD.
LISTEN all the way through.
Think about what you got.
Think about who would appreciate this investment.
Decide if there is someone to share this with.
Turn it on again.
Enjoy Yourself.
(オフィシャル・サイトに行ってみると、同じメッセージがアップされていた)

で、今日の午前中に折よく予約していたLPが届いたので即、中を開けてみると、オフィシャル・サイトには:

Deluxe LP Bonus Track Listing

Side C:
1. Piano Player (Intro)
2. Home Is Where The Hatred Is*
3. Winter In America*

Side D:
1. Jazz (Interlude)
2. Is That Jazz*
3. A Place To Go (Interlude)
4. My Cloud (Unreleased exclusive track)

*All new versions

という記載だったのでてっきり2枚組4面構成だと思っていたが、なんとレコードは1枚しか入っていない(★追記↓)。そのかわりに、中にシークレット・コードが書いてあるカードが入っていて、指定のウェブ・サイトにアクセスしてシークレット・コードを入力すると、アルバムまるまる・プラス上記の7曲がダウンロードできるようになっていて、そのカードには、〈トラディショナル・フォーム〉でも〈ディジタル・フォーム〉でも楽しみたい人のために、高音質MP3でも全曲あげるよ、というようなことが書いてある。CDを買った人には、このサーヴィスはないんだろうか(↑この表記だと、ないんだろうな・・・)。

GSHに“言われた通り”にLPの表・裏を聴き、早速MP3全22トラックもダウンロードして(それも3回までダウンロードできる設定になってる)ボーナス・トラックも聴いてみた。

まだ聴いていない人の楽しみのために細かい感想は書かないが、1度聴いて思ったのは、(CD購入者には本当にボーナス7曲を聴く術がないのだとすれば)これはGSHのディジタル文化/インターネット文化に対する痛烈な批判というか、かなりオリジナルな挑戦状なんじゃないか、ということだ。こういうミュージシャンは他に知らないし、これまで十何年も新作を出さずにいた気持ちも分かる気がする・・・。
いつも長々と書くオレだが、GSHの思いを自分なりに忖度するに、これ以上書くのは、これまた野暮な気がする。

ただ、LPとMP3で全曲聴いた上で、ファンとして感じたことを1つだけつけ加えるなら、オレはこれまで以上にGSHが好きになった。あと、それから、もっと英語を勉強しなくちゃならん、ということも。


★追記(02/18)・・・UK盤LP(XL Recordings XLLP471)は2枚組だった。値段は2倍強するみたいだけど、全曲ヴァイナルで欲しい人はそっちだね。

2.05.2010

『人は同性愛者に生まれる』

















■日本というところは、同性愛者にとって生きにくい国だろう。多分間違いなく、"先進国"の中では最もこの話題を避けている国だ。同性愛者が自分たちの人権を主張する運動を大手を振って行なうことができないし、やってもそれを大手メディアが真正面から報道ですくい上げないから、いつまでたっても“地下運動”のままだ。
世界に冠たる大都会の東京ですら、同性愛者が街中で手をつないだり、抱きあってキスをする光景を全然目にすることはない。昼の日中に同性愛者が集えることが広く知られているような場所、カフェ、地区などが、まず、ない。あるとしても、これまた“地下”の存在のままで、結局同性愛者たちも、太陽の光が届かないかわり雑音も少ない安らげる場所に篭ってしまうことを選んできた――選ばざるを得なかった――のかもしれない。そして、彼らの大切なアイデンティティーが、“先進民主国家”の中で不可視なものとして扱われている。


《教えて!goo》で、自分の中3の息子が同性愛者であることに気づき困惑した父親が、息子の同性愛指向のことを〈興味〉とか〈傾向〉〈趣味〉といった言葉を用いながら世間に相談しているのだが(以下、相談文の一部抜粋)・・・

《家族は小生40歳前半、妻同後半、当事者の息子に中一の次男、そして小生の母。
裕福でもなく、切羽詰った状況でもなく、ごくごく普通のサラリーマン家族と意識しています。今までそのような傾向のメディアには接することもなく、むしろクラスのガールフレンドなどの話題について冗談を言い合ったりしていました。

とりあえずパソコンや携帯にはフィルタリングをかけようと考えていますが、本人へのアプローチや妻への相談、今後そのような嗜好から脱却させるためにはどのような対応が必要なのか、専門家や専門医への相談も含めて検討をしています。
または、親が口出しするべきか、本人の自主性に任せるべきか、悩んでおります。

このような場合、そのような態度で臨むべきか、また上記のような専門会への具体的対応が必要か否か、必要であればどのような方法があるのか、ご指南頂ければ幸いに存じます。》

こんなのを読むと、この、“当事者の双方”を不幸にする事態は、〈好き〉〈寛容〉〈嫌い〉〈困る〉といったレヴェルの心証や態度を大きく凌駕する、客観的で科学的な説得力でしか救えないのではないかと思う。(そんなことを、分かった風な口調で書いているオレも、ゲイ/レズビアン/バイ/トランスそれぞれの知り合いが(中には親友も)できて話を聞いているうちに、彼女・彼たちが責められるべき理由など1mgもないのだと確信したので現在こんな考えに到ったのであり、20代の終わり頃までは、同性愛は不自然なものだと感じていたのだ――じゃあ“自然”とは一体何なんだ? という問いを一切自分自身に向かって投げることなく、である)。

昨日(2月4日)、ベルギーの出版社《エディシオン・マルダガ》から、その〈客観的で科学的な説得力〉を持ったと思われる本が発売になった。書名は『同性愛の生物学(人は同性愛者に生まれる。そうなることを決めるのではない)Biologie de l’homosexualité (On naît homosexuel, on ne choisit pas de l'être)で、著者はベルギーはリエージュ大学のジャック・バルタザール教授(生物学)。

バルタザールさんは35年間に渡って、性的な行動をつかさどるホルモンと神経のメカニズムを、ヒトにおいても他の動物においても合わせて研究してきたが、この本のサブ・タイトルがその結論である。この言い回しは、シモーヌ・ドゥ・ボーヴォワール『第二の性』の名文句〈人は女に生まれるのではない、女になるのだ〉をパロっているのだろうが、『第二の性』が20世紀後半の女性解放運動のバイブルとなったように、この本も21世紀の同性愛者解放運動のバイブルになるのでは?・・・そんな雰囲気が、この副題のボーヴォワールをもじった言い回しから濃厚に漂ってくる

フランスの日刊紙『ル・モンド』のジャーナリスト:エリック・アザンの昨日(2月4日)付けのブログ(本エントリー冒頭の写真)で、この本の主旨=研究の結論と、バルタザール教授の発言が明快にまとめられているが、それを芯だけかいつまんで訳するとこうなる:

《ホモセクシュアリティーは病癖などではなく、胎児期における遺伝子とホルモン因子との相互作用の結果なのであり、要するに生まれる前に決定されるものゆえ、同性愛者本人にもその親にも全くその相互作用の原因はなく、よって同性愛者を追放しようとする考え方には客観的な正当性は一切ない》。(最後の“追放”という訳語が強過ぎると感じる人がいるかもしれないが、同教授は古代ギリシャ時代、危険人物の国外追放を意味した語"ostracisme"の動詞形“ostraciser”という語を用いて話している)

(このブログを読んでくれている同性愛者の人たちにとって、オレのこんな発言は余計なお世話なのかもしれないが・・・)同性愛者の自己肯定を、ならびに同性愛に対する客観的肯定を断固促すための、もうこれ以上の理屈は不要なのではないか? つまり、これは〈決定打〉ではないのか? もちろん他の学者からこの本の中身に対してどういう意見が出てくるのかを聞くにはしばらくときを待たなくてはならないだろうが、とはいえ、いち学者の35年に渡る研究の結論がさほど軽いものだとは考えにくい。少なくとも現時点ではこういう本がベルギーで出版されたことが日本でも知られるべきだと思ったし、そして日本の同性愛者や人権擁護団体に携わる人たちは本書を即刻入手して、よほどひどい本でない限り、邦訳出版に動いたらいいんじゃないかと思う。オレはこの本を日本語で1日も早く、読んでみたいという思いに駆られてこれを書いた。

世界規模で考えても、この本は、今もって同性愛が〈偏異・変質〉であるという公式見解を変えていないローマ・カトリック教会(ヴァチカン)の態度を変えさせる決定打になって欲しいものだ。

2.04.2010

黒くて長いものには巻かれよ


■この歳になるとちょっとのことでは興奮したりしなくなるが、昨日シーナ&ザ・ロケッツや元ロッキングタイム今野英明くんのマネイジメント会社で、音楽原盤制作などもやっている株式会社エッセンスの本根誠さん(オレはこの人のセンスをとてもリスペクトしている)から送られてきたこんな見出しのメイルを読んで、キョーレツに舞い上がった。

=========================================
祝デビュー35周年!サンハウスが奇跡の復活ツアー!
=========================================

あのサンハウスが5月、再結成ツアーを行なうという・・・

日本のバンドで、オレが心の底から見たいのは、もはやサンハウスだけだ。83年の再結成時には山形の高校生だったから、その日比谷野音の実況録音盤『Crazy Diamonds』を買うことしかできず、遅れて、それも地方都市に生まれた境遇を恨み、半べそをかきながら、♪俺の身体は黒くてながい♪の「キング・スネーク・ブルース」から始まるあの強烈なレコードを溶けるほど聴いていた。98年の2度目の再結成の東京公演時には、訳あってオレがまるで見に行ける状況になかった。・・・3度目の正直。

2/17には『THE CLASSICS 』というタイトルのデビュー35周年記念の8枚組ボックスが出る。オレのサンハウスのレコードはどれも聴き過ぎてすり減った骨董盤化してしまったので、この機会にCDで買い直すことにするか・・・。

とにかく東京公演は一番先(今度の日曜、7日)に発売になる。何があっても、行かなくては!!!!!

それにしても今年の前半は、ボブ・ディランの奇跡的なライヴ・ハウス公演と、サンハウスの奇跡的な復活を拝めるとは・・・なんて素晴らしい年なんだろう。3度の飯を1度にしても行かねばならん。

以下、読み返すに身体がザワザワしてくる大イヴェント&決定版BOXセットの詳細!

=========================================
祝デビュー35周年!サンハウスが奇跡の復活ツアー!
=========================================
関係者各位

お世話になっています!

70年代日本のロックシーンを駆け抜け
現在でもその影響が多岐に渡るサンハウス。
今回はその活動を網羅したBOXの発売に合わせて
デビュー35周年ツアーのための再結成します!

この春、日本全土に本物のロックスピリットが吹き荒れます!

【取材、記事扱い等大歓迎です!よろしくご高配ください】

──────────────────────────
SONHOUSE
──────────────────────────
柴山俊之 / Vocal (東京在住 / 1947年生)
鮎川誠 / Guitar (東京在住 / 1948年生)
篠山哲雄 / Guitar (福岡在住 / 1948年生)
坂田鬼平紳一 / Drums (福岡在住 / 1950年生)
奈良敏博 / Bass (東京在住 / 1951年生)

──────────────────────────
SONHOUSE結成から本日に至るまで
──────────────────────────
1970年福岡にて結成。
当時、九州から本格的なエレクトリック・ブルーズ・ バンドの
誕生として注目を集める。
その後、独自の歌詞世界を持つ「日本語のロック」を確立し
1975年にはファースト・アルバム『有頂天』を発表。
メジャー・シーンに君臨しつつも福岡に根ざした活動を続けるが
1978年に惜しまれながら解散。
ライヴハウス前夜のダンスホール時代から培ってきた
ブルーズ・ロック・サウンド、刺激に満ちた歌詞、
グラム・ロック~パンクともリンクしたヴィジュアル性、
そして地元に対する強いこだわりは
後にめんたいロックとよばれるムーヴメントの始祖として
現在に至るまで高い評価を得続けている。

バンド解散後、柴山は作詞家を経てRUBY
ブルース・ライオン等のバンドを結成。
現在はZi:LIE-YAを率いて活動中。
鮎川は1978年からシーナ&ザ・ロケッツのバンマスとして
既に結成32年を誇る。
奈良はEXを経た後、アレンジャー、プロデューサー、
ベーシスト(松田優作ほか)として活躍中。
福岡在住の坂田はYAMAZEN BANDをメインにしつつ
他にも多くの地元のバンドをサポートしている。
サンハウス解散と同時に音楽業界から退いた篠山は
現在に至るまで、サンハウスの再結成以外ではプレイをしない。

また、サンハウスはツアー規模では1983年、1998年に
次いで今回三度目の再結成である。
日頃バンドしての活動はしていないが
メンバー同士の交流は現在も盛んで
福岡にはSONRISE2000という管理組織もある。

BOXセット『The Classics』の発表を記念して行われる今回のツアーは
メンバーの大半が60代にさしかかった時期であるだけに
最後のサンハウス・ツアーと評する声もある。
が、彼らのパフォーマンスに劣化の危惧は無用である。
彼らは、誰かの指図や都合で動くミュージシャンではないし
誰から頼まれたわけでもないのに集まったバンド稼業の第一世代。

つまり、やると言ったらやる、やらない時はテコでも動かない。
そんな博多気質を代表する男達だから。
ロックが本来持っている緊張感、リスペクト、そしてインパクト。
そのデビュー時、業界の異端児であった彼らは
解散後も含めてその異端性を貫き
時代の移ろいの中でロックの王道となった。

2010年、サンハウスの再結成は、日本の音楽シーンに
とてつもないメッセージを投げかけてくれるだろう。

──────────────────────────
SONHOUSE 35th ANNIVERSARY TOUR
──────────────────────────

201059() 恵比寿 LIQUIDROOM
2010515() 大阪 BIGCAT
2010516() 京都 磔磔
2010522() 福岡 DRUM LOGOS
2010529() 札幌 BESSIE HALL


201059() 恵比寿 LIQUIDROOM
開場/開演 17:00/18:00
料金:前売5,000(1drink)

チケット一般発売 2/7()10:00
・チケットぴあ http://pia.jp/t 0570-02-9999Pコード:346-175
・ローソンチケット 0570-084-003 (Lコード:74452
・イープラス http://eplus.jp
GAN-BAN 03-3477-5701(店頭販売のみ)

企画・制作:SONRISE2000 / ESSENCE / DOOBIE
協力:テイチクエンタテインメント
お問い合わせ:HOT STUFF PROMOTION 03-5720-9999

2010515() 大阪 BIGCAT
開場/開演 17:00/18:00
料金:前売5,000(1drink)

チケット一般発売 3/6()
・チケットぴあ http://pia.jp/t 0570-02-9999Pコード:348-326
・ローソンチケット 0570-084-005 (Lコード:54091
・イープラス http://eplus.jp

お問い合わせ:サウンドクリエーター 06-6357-4400

2010516() 京都 磔磔
開場/開演 17:00/18:00
料金:前売5,000(1drink)

チケット一般発売 3/6()
・チケットぴあ http://pia.jp/t 0570-02-9999Pコード:348-326
・ローソンチケット 0570-084-005 (Lコード:54091
・イープラス http://eplus.jp

お問い合わせ:サウンドクリエーター 06-6357-4400

2010522() 福岡 DRUM LOGOS
開場/開演 17:00/18:00
料金:前売5,000(1drink)

JUKE RECORDSチケット先行発売 227()3/5()
チケット一般発売 3/6()
・チケットぴあ http://pia.jp/t 0570-02-9999Pコード:348-616
・ローソンチケット 0570-084-008 (Lコード:87877
・イープラス http://eplus.jp

お問い合わせ:
TSUKUSU 06-6357-4400
JUKE RECORDS 092-781-4369

2010529() 札幌 BESSIE HALL
開場/開演 17:30/18:00
料金:前売5,000(1drink)

チケット一般発売 3/20()
・チケットぴあ http://pia.jp/t 0570-02-9999Pコード:348-711
・ローソンチケット 0570-084-001 (Lコード:11639
・イープラス http://eplus.jp

お問い合わせ:マウントアライブ 011-211-5600

──────────────────────────
SONHOUSETHE CLASSICS 2010/2/17 Release!!
──────────────────────────
THE CLASSICS ~ 35th anniversary ~

◎監修 : サンハウス◎

★全8枚組(CD7/DVD1)
★価格:税込定価¥17,000/税抜¥16,190
★品番:TECS−17431

限定生産BOX/初回生産シリアル・ナンバー入り
●SHM-CD 紙ジャケット
デビュー・パンプレット(復刻)
ブックレット(32PCDサイズ)
「柴山俊之&鮎川 &奈良敏博」の最新ヒストリー・インタビュー&
未発表を含む写真等々掲載
●1998年「ROCK’N BLUES BEFORE SONSET
(限定BOX/メンバー監修によるリマスタリング作品をもとにリマスタリング)

BOX詳細情報はコチラ!

=========================================
サンハウスオフィシャルHP
=========================================
SHEENA & THE ROKKETSの活動はコチラ
=========================================
Zi:LiE-YAの活動はコチラ
=========================================

+++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++