2.09.2010

ギル・スコット=ヘロン通信 #04 - I'm New Here

■今朝メイルをチェックしたら、ギル・スコット=ヘロンのメイリング・リスト経由でGSHから新作のリリースに合わせたメッセージが届いていた。それは以下のような、味のある、実に彼らしいものだった。(ひどく野暮なので、訳すようなことはしないでおく)

I'm New Here: Gil Scott-Heron
The new album out today UK/tomorrow US

From Gil Scott-Heron:
There is a proper procedure for taking advantage of any investment.
Music, for example. Buying a CD is an investment.
To get the maximum you must
LISTEN TO IT FOR THE FIRST TIME UNDER OPTIMUM CONDITIONS.
Not in your car or on a portable player through a headset.
Take it home.
Get rid of all distractions, (even him or her).
Turn off your cell phone.
Turn off everything that rings or beeps or rattles or whistles.
Make yourself comfortable.
Play your CD.
LISTEN all the way through.
Think about what you got.
Think about who would appreciate this investment.
Decide if there is someone to share this with.
Turn it on again.
Enjoy Yourself.
(オフィシャル・サイトに行ってみると、同じメッセージがアップされていた)

で、今日の午前中に折よく予約していたLPが届いたので即、中を開けてみると、オフィシャル・サイトには:

Deluxe LP Bonus Track Listing

Side C:
1. Piano Player (Intro)
2. Home Is Where The Hatred Is*
3. Winter In America*

Side D:
1. Jazz (Interlude)
2. Is That Jazz*
3. A Place To Go (Interlude)
4. My Cloud (Unreleased exclusive track)

*All new versions

という記載だったのでてっきり2枚組4面構成だと思っていたが、なんとレコードは1枚しか入っていない(★追記↓)。そのかわりに、中にシークレット・コードが書いてあるカードが入っていて、指定のウェブ・サイトにアクセスしてシークレット・コードを入力すると、アルバムまるまる・プラス上記の7曲がダウンロードできるようになっていて、そのカードには、〈トラディショナル・フォーム〉でも〈ディジタル・フォーム〉でも楽しみたい人のために、高音質MP3でも全曲あげるよ、というようなことが書いてある。CDを買った人には、このサーヴィスはないんだろうか(↑この表記だと、ないんだろうな・・・)。

GSHに“言われた通り”にLPの表・裏を聴き、早速MP3全22トラックもダウンロードして(それも3回までダウンロードできる設定になってる)ボーナス・トラックも聴いてみた。

まだ聴いていない人の楽しみのために細かい感想は書かないが、1度聴いて思ったのは、(CD購入者には本当にボーナス7曲を聴く術がないのだとすれば)これはGSHのディジタル文化/インターネット文化に対する痛烈な批判というか、かなりオリジナルな挑戦状なんじゃないか、ということだ。こういうミュージシャンは他に知らないし、これまで十何年も新作を出さずにいた気持ちも分かる気がする・・・。
いつも長々と書くオレだが、GSHの思いを自分なりに忖度するに、これ以上書くのは、これまた野暮な気がする。

ただ、LPとMP3で全曲聴いた上で、ファンとして感じたことを1つだけつけ加えるなら、オレはこれまで以上にGSHが好きになった。あと、それから、もっと英語を勉強しなくちゃならん、ということも。


★追記(02/18)・・・UK盤LP(XL Recordings XLLP471)は2枚組だった。値段は2倍強するみたいだけど、全曲ヴァイナルで欲しい人はそっちだね。