■と、思う人は、ウィキリークス弾圧への抗議キャンペインに参加しよう(リンクは一番下)。
ホワイト・ハウスは機密文書を相次いで暴露しているウィキリークスの行為を、〈守られるべき秘密を暴露することが基本的人権の原則を踏みにじるばかりか、人命を危険にさらしている〉と非難しているが、おそらく世界中のどんなテロ組織よりも人命にとって危険なホワイト・ハウスが、よくいけしゃあしゃあと言うよな。
分かりやすいことに、こういうタイミングでウィキリークスの創設者、ジュリアン・アサンジュが強姦や性的虐待の容疑で逮捕されたと報じられたが、実際は“sex by surprise”の容疑だという話みたいで……ことの真実は知る由がないが、とにかく本人は否定しているし、陰謀だと主張している。冷静に見るべきは、この件で彼は――“まだ”、か、“確実に”、かは分からないが――犯罪者ではないことだ。
“人類”にとっては秘密文書の内容こそが問題なのに、ホワイト・ハウスの言うことが正しく、婦女暴行をはたらくようなヤツがやってる告発サイトなんてロクなもんじゃない、という方向に風向きを持っていく演出をしている勢力があるのではないか? と考える方が自然なように個人的には思うが、そこは断言を避けるとしても、このウィキリークスという組織が悪、あるいは無価値などころか、“人類”にとっては相当の益を(少なくともホワイト・ハウスよりは遥かに)もたらすだろうことは、ウィキリークスが外に出した、あの衝撃的な米軍ヘリがイラク民間人を無差別に爆撃する様子のヴィデオを観ただけでも分かるはずだ。
こういうウィキリークスのような組織は日本にも絶対に必要だ。
《現代ビジネス》の、牧野洋(まきの・よう)の素晴らしい連載〈ジャーナリズムは死んだか〉の12月02日の記事は:
だった。興味のある方は読んでみて欲しい。ぼくは全面的に牧野洋の意見に賛成。
――日本の新聞が内部告発者を受け入れる場になっておらず、その報道は権力側の視点になりがち。新聞社は「情報源の秘匿」を理由に権力側の圧力を跳ね返すこともできるはずなのに、内部告発者の情報を守り通し、盾となって権力と闘う気概がない、と彼は言う。
同記事は、以下のように締められている。
【 歴史的にも、アメリカではニューヨーク・タイムズやワシントン・ポストなどの大新聞は内部告発者にとっての「駆け込み寺」に相当した。前の記事(「ウィキリークスと組んだニューヨーク・タイムズ」)でも触れたが、1970年代のペンタゴンペーパー事件やウォーターゲート事件でも、大新聞が内部告発者を守りながら「政府の悪事」を暴いたのである。 「内部告発冬の時代」が続いてきた日本。ウィキリークスが日本での活動を本格化したら、「冬の時代」から抜け出せるだろうか。カギを握るのは、取材力でも影響力でも圧倒的な大新聞がウィキリークスを受け入れるかどうか、である。
ウィキリークスから連携を打診されたら、大新聞は難しい選択を強いられる。連携して内部告発を紙面に載せれば、権力側の怒りを買って記者クラブで出入り禁止にされかねない。そうなったら、日本的な特ダネに欠かせないリーク依存型報道で他紙に勝てなくなる。
内部告発は、権力側が国民に隠しておきたい秘密を暴く「反権力型」である。権力側が発信したい情報を漏れなく報じる「親権力型」の記者クラブとは、本質的に相容れない。言い換えると、ウィキリークスの日本進出は、大新聞が記者クラブ的体質と決別する覚悟があるかどうかを占う試金石にもなる。】(太字にしたのはオレです)
とにかく、ホワイト・ハウスや日本政府、権力とそのポチになってる報道機関に対し、今意見する最も簡単な方法の1つが、反ウィキリークス弾圧キャンペインに署名することだ。今、これを見ているパソコンから、1分で終わります。