6.15.2009

意思表示

■先日、近くの交番のオマワリが《巡回連絡カード》の件で訪ねてきた。実は数週間前にやってきて、今ここでカードを記入してもらえないかと言うので断ったら、では記入後、ご都合のよいときに交番へ届けて下さいと言って用紙を置いていった(時間的な問題で断ってるんだと思ったようだ)。これまでも毎回カードはゴミ箱に捨ててそれで済ましていたが、今度のオマワリは違った。「まだ届けてもらっていないので回収にうかがった」とのことだった。

その一見物腰柔らかな初老の男は、単純に今までのオマワリより仕事熱心なのか、それとも“常習犯”としてオレがマークされているのか、いずれにしても提出する意志はないので、その旨を伝えた。

《カード》を私どもに提出してもらうと、災害のときなどに役に立ちます。スズキさんのためになりますから、是非提出して下さい。・・・でも、どうしてお嫌なんですか? 私どもに対してご意見があるんでしたら、《カード》の意見・要望欄に書いて、交番に届けていただければありがたいのですが・・・と言う。


仕方ないから一席ぶった。・・・オレは警察を信用していない。組織として、そのやり方として相当に問題があると考えている。そんなあんたたち公務員の給料は税金で、オレもその一部を負担しているから意見する権利がある。テレヴィ・新聞などで常に聞かされる警察の不祥事に怒っているだけでなく、個人的にも何度か、“公僕”のあんた方に不快な思いをさせられている。で、そんな組織から、オレの個人情報を書いて渡してくれと言われてホイホイ書く気になるはずなかろう。そんな警察への不満を書いて、わざわざ交番まで好きで睨まれに届けに行くヤツがどこにいますか?


オレが思うに、かなりの割合の市民はオレと同じように警察が嫌いなんだが、ただ単に、それを口にしない、できないだけです。でも、批判的な意見が聞こえてこないから国民に支持されてると都合よく解釈するのは小泉も多用した詭弁ですよ。ほんの一例だけど、全国交通安全運動とかいってさ、車のスピードをつい出したくなるような場所に立ってて指導するならまだしも、道のその先に隠れてんのって、公僕のやることじゃないでしょ? このへんの歩道を暴走する危険な自転車は見て見ぬふりで、そのすぐ脇で婦警が路駐の車のタイヤと地面にチョークでこそこそやってんの、みんな見てるんだよ。本当に市民の安全を考えてんなら、すぐ脇で歩行者の間を傍若無人にビュンビュン走ってく暴走自転車と、そこのエンジン停まってる車と、先に指導すべきはどっちよ? つまりあんたらのやってることって、市民の安全のためじゃなくて、あんたらの“点数”のためじゃん。そういうのを見てる人間に対して、「みなさんの安全のためにこの《カード》のご記入を」つって、誰が言葉通りに受け取りますか? まあ、記入する以前に、こういう風にたてつくオレの素性なんか、バッチリ調べられるんだろうけどさ(オマワリ:いえいえ、そんなことはありません)。


とにかくオレは、この政治システムや、役人に対してもそうだけど、警察のあり方に対しても否定的なんですよ。オレらの税金から給料貰ってるあんたたちが、何故かオレたちより偉そうに、強そうにしてるでしょ? で、それに対して不満を述べようにも、この“民主主義”の国では、実際問題そういう思いを、直接的に、安全に、表現する機会が与えられてないんですよ。オレは暴力に反対だし、交番に火炎瓶も投げないし、だからせめてこの《カード》を出さないことでささやかな意思表示をしてるんですよ。あんたたちに対して、この程度のことしかできないんだよ。哀れでしょ、善良な市民って。だから怠慢で提出しないんじゃなく、積極的に提出しないし、かつ、訊かれたから、敢えてその提出しない理由まで説明してるんですよ・・・と強がってみても、所詮、これって消極的な抵抗なんですけどね。ま、むなしいけど、そういうことですから。


という話をしている間、オマワリは何度かオレにやんわりと説得を試みたが、この件ではどう見てもオレの論理の方が正しいので、結局、では、また、もし気が変わったら提出して下さいよ、と言い残して帰っていった。


玄関口で家の中を覗かれながらオマワリと30分も立ち話をするのは決して心躍ることではないが、だからといってオマワリの言いなりになるのはそもそもおかしい。それに、オマワリの所業を無視して生きられるような鈍感な人間にコンヴァートするには、これだけ生きてりゃもう遅い。


(参考資料1)

http://www.youtube.com/watch?v=MBI5j-jFs1U&feature=related

(これが放送禁止になる国だぜ! 怖過ぎる・・・)


(参考資料2)

http://a.sanpal.co.jp/irregular/images/shokushitsu.pdf