5.12.2010

罪状:日焼け

■この季節、半年以上ぶりにTシャツ1枚で外に出て、自分の腕のなまっちろさを何とかしたいと感じる人がいることは全然想像に難くない。昨年、WHOの国際がん研究機関が“日焼けカプセル”を皮膚がんの原因となるものの危険度最高レヴェルに位置づけたことで、今年、生白い肌を気にする人にとってはますます悩みが増えたのではないかとお察しします。

しかし世界は広い。日焼けサロンの健康被害を考えるどころか、自然日光で日焼けするだけで逮捕される国もあるんだよ。


先日《おっぱい地震運動》について書いたが、肌が露出する服や体の線が出る服を着たり、髪の毛を見せるような女が地震の元凶なのだと宗教指導者がのたまったイランで、今度はテヘランの警察署長が、日焼けした女には警告を与え、改善がなければ逮捕、収監するとぶち上げたらしい。「北テヘランの一部エリアでは、多くの日焼けした女性を見かける。まるで歩くマネキン人形だ。こういった事態に対して寛容でいることはできない。我々がそうした女性たちを見つけたら警告し、次いで逮捕、投獄する」と(英『テレグラフ』紙。上記写真・リンク)。

つまりイランでは肌や髪の毛を露出するばかりか、日焼けした女性もみんなビッチ扱いなわけだが、その感覚からいくと、言うまでもなく日本の女性なんか全員ビッチである。日焼けしてなくたって、今テレヴィで盛んに流れてる、カメラが山田優の足首から背中、顔と順に見せていくユニクロのCMなんか、当然言語道断だろうね。女性の体の物理的な美しさの表現、なんていう考え方は一切肯定されないのだろう。

そうしたイランにおける女性の容姿ふるまいに対する“コード”は、もちろんイスラムそのものの問題ではなくて、その国の教義解釈の問題なわけだが・・・しかしながらその一国限定の神様じゃないわけで・・・だとしたら地球上の国々で女性の毀誉褒貶にここまで極端な差があることを、“グローバルな宗教”の指導者がどうとらえているのかに興味がある。彼らが、日本の女は全員ビッチだ! と喝破するのかに(それを聞く前には、ユニクロはイランに出店しない方がよい)。

一方、オマワリがとんちんかんにいばりくさったすっとこどっこいなのは、たいていの国の均質化が達成されているようで、そっちには立派なグローバル・スタンダードがあるようだ。