9.13.2010

また、アイドルの死



■谷啓逝去のニュースは、シュガー・マイノット(とにかく若過ぎた)の死ほどではないにせよ、結構ショックだった。
が、昨夜、またまたショックなことに、クロード・シャブロルの死を知った。まさに昨日、9月12日の早朝、パリで他界したそうだ。
享年80歳。

いわゆる《ラ・ヌーヴェル・ヴァーグ》の映像作家たちの映画は、その周辺のアニエス・ヴァルダ、ルイ・マルや、ジャン・ユスターシュあたりまでも含めてたくさん観たし、好きな作品は数々あるが、でも、その中で一番好きな監督は誰かと今、考えると、ぼくの場合はジャック・リヴェットとこのクロード・シャブロルじゃないかと思う。

まあまあのヒチコキアンのぼくにとっては、本格的に映画を撮り始める以前、つまり『カイエ・デュ・シネマ』誌の映画批評家時代のシャブロルが、同志エリック・ロメールとの共著で世界で初めての本格的なヒッチコック論を出版したことからして既に尊敬に値する。世のアカデミックな映画批評家は誰一人として、“娯楽映画の監督”ヒッチコックに論じる価値を見い出さなかった時代に、である。
ヒッチコックのガイド・ブックとしては、フランソワ・トゥリュフォーがヒッチコック本人に全作品の解説を求めてそれを構成した『定本 映画術 ヒッチコック・トリュフォー』(1966年初版/78年増補版)がまさに定本の名著だが、シャブロル&ロメール著の『Hitchcock』は1957年に出された本ゆえに『知りすぎていた男』や『間違えられた男』までのヒッチコック論であり、つまり同書では『めまい』にも『北北西~』にも『サイコ』にも『鳥』にも触れられていないにも関わらず(実はそんなこととは無関係に)今も(特にフランスでは)映画を学ぶ人間必読のバイブルとなっている。この本に書かれている、ヒッチコックの構図やカット割りや心理描写に関するシャブロルとロメールの執拗な分析を味わうに、特に(彼もサスペンス映画を多数撮った)シャブロルの鋭角的なのに切り口の奥が深い表現描写がヒッチコック直系の美意識に貫かれていることを、そしてその古典様式を継承しながら自分のスタイルを作り上げていった職人のしなやかなプライドを、改めて確認することになる。奇しくも、そのヒッチコックの“一番弟子”も、師匠と同じ満80歳で今生をクランク・アップしたわけだ。

(Éditions Universitaires / Ramsay)


《『Poulet au Vinaigre(1984)』予告編》

50本超の長編を撮っているのに、日本では何故かシャブロルはそれほど紹介されてこなかったことが残念だ。ゴダール『勝手にしやがれ』の演出監修がシャブロルだったこともあまり知られていないだろう。もしかしたら、ヌーヴェル・ヴァーグ作家の作品に“分かりやすい”難解な芸術性を求めてそれをありがたがる風潮があったために、シャブロル映画のエンターテインメント性は作家の仕事としては格下に見られたのかもしれないし、あるいは、彼はフランスの田舎のブルジョワ階級(家庭)を題材(舞台)にすることが多かったせいで、日本人には親しみも薄く、フランス映画としてシックでもスタイリッシュでもない、という捉えられ方をしたのかもしれない。

でも、その田舎のブルジョワ階級の、世間体を気にして外面を取り繕い続けるも、その実、人生にやるせない不満を抱えていたり、家族間に不和があったり、夫婦間にすきま風が吹いているような家族の描写の中に人間の悲しい本質をえぐる作風にこそ、現代社会に対する彼流の批評眼がギラギラしていて面白かったのだ。往々にしてB級映画タッチの、あるいはテレヴィチックなホームドラマ風の軽快でひょうひょうとしたポップな絵作りで普段“作家の映画”など観やしない大衆の視線を引き寄せ、その後、渦輪と陰影の織りなす心理劇に引き込み、観終わったあとに「オレの中にも、もしかしてこういう部分が潜んでいるんじゃないか……?」と思わせるのが彼の真骨頂ではないか。そんな平易な映像・編集の“可読性の高さ”の行間に、厳格な演出に基づく豊満な心理描写が横たわっているところが、言うなればパルプ・フィクションと古典文学の垣根を取っ払ったシャブロルの魅力である。

さらには品のいいデコやエレガントな小物使いも気が利いていたり、フレイム・ワークがかっこよく、きれいなものはちゃんときれいに、おいしそうなものはちゃんとおいしそうに、怖そうな目はちゃんと怖そうに映す、美醜に対する頑固なセンスから生まれる映像には、安心できて、心躍るカットが満載だった。

役者としてもコミカルな存在感があって親しまれたし、インタヴューを受ける際の飾らない語り口も人気が高かった。

個人的なことを言えば、イザベル・ユペールがぼくのフェイヴァリット俳優のひとりになったのも、シャブロルの描いた彼女の冷たい美しさのせいだ。

またすぐに真っ暗い映画館でシャブロルが観たくなった。


《シャブロル54本の映画の予告編を繋げて3分間に編集したもの》


《2009年11月のインタヴュー》

9.11.2010

Chim Cherie

■(今日のエントリーは、レゲエ・ファン、あるいはレゲエの何が面白いのか分かんないけど興味はある、という人のみ、お読み下さい。それ以外の方はおそらく頭痛がします・・・連日3けたの数のアクセスを下さる、マヌ・チャオのファンの方は読んで下さった方がいいでしょう)

先日《過ぎ去ったもの、と、たまったもの》という題名のエントリーで、イギリスのプレッシャー・サウンズからリリースされ、ぼくが解説原稿を寄せたリー・ペリーのレア・ダブ・プレイト集『サウンド・システム・スクラッチ』について触れた。


日本での発売元のビート・レコーズのウェブ・サイトでその解説が読めるのだが、その中の収録曲(6曲目)The Upsetters名義の「Chim Cherie」について、先日、友人の石川貴教くんから電話をもらった。

ぼくはその解説で以下のように書いていた:

06. Chim Cherie - The Upsetters

ミステリアスなトラックだ。ペリーが最初にリズム・ボックスを使用したのは、おそらく『Roast Fish, Collie Weed & Corn Bread』の「Soul Fire」ではないかと思う。仮にそれが正確ではないにしても、その(1978年)頃のことだろうし、このダブ冒頭のチープな打ち込みの感じは、「Soul Fire」の感触と類似している。しかしこの録音は、そのあとに明らかに音(電子音の“スネア”)が被せられており、それがペリーによるものかどうかには疑問を抱くし、仮にペリーによるものだとしてもブラック・アーク期の(70年代の)音色ではない。その一方で、それ以外の部分の音は、感触からして間違いなくアーク産であろうし、このベース・ラインにも聴き覚えがある気がするのだが、何度も聴き返しているうちにそんな錯覚を覚えているだけかもしれない……。

石川くんは、この「Chim Cherie」を聴いてすぐに、これがシャインヘッド「Billie Jean」の元だと気がついたという。聴いてみれば、あ! なるほどそうだ。しかしシャインヘッドのこの曲を相当長い間耳にしていないオレは、もっと別の曲でこの曲のベース・ラインもしくはコード進行を記憶していたはずだ。石川くんにはその電話で、「教えてもらった情報を膨らませて「Chim Cherie」に関する正しい情報をこのブログにアップするよ」と伝えたのだが、そもそもオレが何の曲でこのリディムを記憶していたのかがパッと頭に思い浮かばない。

で、ぐずぐずしているうちに、石川くんからメールでまた新たな情報をもらった。これのリディムのオリジナルはスタジオ・ワンのバンプス・オークリー「Get a Lick」だと言うのだ。ああ、そうだ、オレはこれで知ってるんだ。これ(下記 Bumps Oakley の YouTube 映像参照オレの大好きなレコードだもの。

3つ並べて聴き比べてみて欲しい。リー・ペリー『サウンド・システム・スクラッチ』からはこの曲が7インチでシングル盤がカットされたばかりなので、まずは問題の曲の7インチから、〈1.〉と表示されているA面のサンプルを。


Read full review of Chim Cherie - THE UPSETTER on Boomkat.com ©


次はこれ。もちろん、マイケル・ジャクソンのカヴァーだ。
Shinehead - Billie Jean

で、これがすべてのオリジナル。
Bumps Oakley - Get a Lick


で、これで充分に謎は解けたのだが、さらに突っ込んで調べてみると、ロック・ステディ期に生まれたこの「Get a Lick」自体が、スカ時代の末期――要するに母体のスカタライツから新バンドのソウル・ブラザーズが誕生し、しかしリズムはまだロック・ステディになっていない1967年――に、ソウル・ブラザーズが録音した「Take Ten」が下敷きになっていることをつきとめた。聴き比べると、「Take Ten」は「Get a Lick」と同じリディム、というより、前者は後者の元曲、というべき関係性にある。

The Soul Brothers - Take Ten
で、この「Take Ten」は、そもそもデイヴ・ブルーベック・カルテットの、かの有名曲「Take Five」の作曲者、兼アルト・サックス奏者のポール・デズモンドが、同曲の続編として作った曲で、このソウル・ブラザーズ版はそのスカ・カヴァーである。ならばポール・デズモンドのレコードを引っ張り出して聴いてみたら、ソウル・ブラザーズ・ヴァージョンはオリジナルのメロディーにかなり忠実であることを再確認した。もちろん原曲の拍子(4分の5拍子に聴こえるが、テンだから、これって8分の10拍子なのかな? 曲の途中がそう?)がスカの4分の2拍子になってるわけだけども。

Paul Desmond - Take Ten
ってことは、大元はポール・デズモンドまでさかのぼる、ってことか。楽しいぜ、ジャマイカン・ミュージック。

、問題のリー・ペリー(アップセッターズ)「Chim Cherie」に立ち戻ろう。
上に貼りつけた、「Chim Cherie」のシングルを試聴できるサイトはマンチェスターの相当ナイスなレコード屋《ブームカット》のものだが、そこにあるこの曲の解説には、これが〈Billie Jean〉オケの元であることもきっちり書いてあるだけでなく、ジャマイカにドラム・マシーンが導入された最初期のものであり、ここで聴ける打ち込みのプログラミングは、アップセッターズ、のちに(ボブ・マーリー&)ウェイラーズのリズム隊になったアストン&ファミリーマンのバレット兄弟によるもので、それをリー・ペリーの作ったブラック・アーク産〈Billie Jean〉オケ――つまり、もっと正確には〈Get a Lick〉オケ――に被せたもの、と書いてあるのだ。バレット兄弟がいつこのプログラミングを行なったかは記されていないが、仮にブラック・アーク・スタジオが存在した70年代の後半だとしても、そのビートを打ち込む作業自体はリー・ペリーの手を介していないわけだから、この「Chim Cherie」の打ち込み音の感触が、知られているブラック・アーク産の録音にはない種類のものだったのは、つまりそういうことだったのである。

なので、ぼくが解説原稿に書いたことは半分は当たっていたわけだ。「Billie Jean」が頭に浮かばなかったのは、レゲエ評論家としては結構なミスだが。

で、こうした曲とリディムの関係がクリアーになってくれば、派生した曲の関連性はどんどん見えてくるもので、なんてこったい、ハーフ・パイントのこの名曲も同じリディムだったね。

Half Pint - One in a Million
さらに冷静になって考えてみると、リー・ペリー自身も1990年のマンゴ盤『From the Secret Laboratory』の中の「You Thought I Was Dead」でこのリディムで歌ってるじゃん。

バックはダブ・シンジケイト名義だが、実質のリズム隊はルーツ・ラディクスなのでドラムズはスタイル・スコット。石川くんから聞いたところでは、例のシャインヘッドの「Billie Jean」も、あのドラム(打ち込みっぽくシンセ・ドラムを叩いてるのか?)はスタイル・スコットだということだ(シャインヘッドのレコード、オレ、持ってないのよ……)。

Lee Perry & Dub Syndicate - You Thought I Was Dead
http://www.youtube.com/watch?v=NtWPj0Ce0rI


ってことで、長くなったのでこのへんで止めますが、『サウンド・システム・スクラッチ』を買われた方は、是非、この追加情報も参考にしてください。

石川貴教くんは、レゲエ・ファンにはおなじみですが、ぼくの20年来の友人でもあります。ジャマイカに暮らしていたこともあり、レゲエもぼくよりずっと詳しい(つーか、あらゆるジャンルの音楽について深い知識を持っている)。ギヴ・サンクス!

9.09.2010

医薬品としてのマリファナ

■今年の《マリファナ・マーチ2010》のエントリーでも書いたが、大麻は“善悪の観念を含む、基本的な社会通念”を理解できる一般成人に対して、厚生労働省やオマワリ連中から〈ダメ。ゼッタイ。〉などと頭ごなしに指導されなくてはならない筋合いのものではない。

以下の映像は、この8月、米国でまずはカリフォルニア州サクラメントのFOX 40 TV からオン・エアが始まった、初のオフィシャルな医療マリファナの30秒CMである。
作って流しているのは〈CannaCare〉で、“medicinal marijuana” の知識を患者や政界に広め、患者を支援する団体。



このTV-CMのテロップには、以下の、大麻が有効に作用する疾患名の一部のリストが記されている:

カンナビス(大麻)は——

・糖尿病の、
・慢性の痛みの、
・高血圧症の、
・アルツハイマー病(認知症)の、
・睡眠中無呼吸症の、
・関節炎の、
・C型肝炎の、
・MRSA感染症(抗生物質の効かない黄色ぶどう球菌による病院内などでの感染症)の、
・骨粗鬆症の、
・HIV / AIDS の、
・ALS(筋萎縮性側索硬化症/治癒のための有効な治療法が確立されていない神経変性疾患)の、
・線維筋痛症(全身に恒常的な激しい痛みがある)の、

苦痛を軽減する。

なんだか難しい名前の病気が多いが、たとえば肩こりや背中・腰の痛み、睡眠障害、夏バテなどによる食欲減退、便秘など、日常的な問題の一時的な改善には結構な即効性があることも知られていますね。

9.03.2010

マニュ・チャオ通信(#20 bis)

■追伸です。

Radiochango jp の情報によると、来るのは MadjidGarbancito だって。
いいね。

9.02.2010

マニュ・チャオ通信(#20)Manu Chao 来日情報続報

■今日18h00に正式に発表されましたね。


やっぱり〈スペシャル・トリオ・セット〉って書いてあるね。ヨーロッパではこの〈La Ventura〉のせいでラジオ・ベンバ・サウンド・システムは遂に解散か? なんていう噂も立ってますが――というか、実のところRBSSは、毎回のツアー終了時に毎回解散してるんだけどね、彼らの約束事として――昨日のエントリーでお伝えしたように、〈スペシャル・トリオ・セット〉というのはマヌ・チャオ+RBSSの2人、っていう構成なんだと思います。

こちらはまだ正式にインフォを出していないですが、ラジオ・チャンゴJPプレゼンツ〈マニュ・チャオ講座〉第3回(会場はいつもの新宿二丁目カフェ・ラバンデリア)は、来日後の10月17日開催予定。今回はゲストを2人迎えてトークする予定です。


9.01.2010

マニュ・チャオ通信(#19)Manu Chao 来日 !?

■巷では twitter 中心にマヌ・チャオ来日の噂が飛び交ってますね。
東名阪の〈小箱〉が予定されているようですが、招聘元の会社が企画するフェスにも出るのかもしれないね。

〈MANU CHAO LA VENTURA 来日決定!〉なんて見出しで報じているサイトもあって、これだと〈LA VENTURA〉がこれまでの〈RADIO BEMBA SOUND SYSTEM〉に取って代わった別バンドのように思えるけど、これは〈MANU CHAO - LA VENTURA TOUR 2010 来日決定!〉って意味だろう。

ぼくが2008年にパリで観たショウは、いわゆるラジオ・ベンバでのフル・ステイジ3時間+フランス・ツアーだけの特典(終演後に再度登場して『Sibérie m'était contéee』のフランス語の歌だけを続けて何十分か歌いまくる)までついていた特大版だったが(それを2日観たんだけど、なんと1日目の前座はケニー・アルカナで、またそれが強烈によかった !!!)、通常は、その本編部分、〈ラジオ・ベンバでのフル・ステージ3時間〉というのがマヌ・チャオのライヴの基本形だ。去年リリースされた『La Radiolina』では、そのうちのおよそ2時間半が収録されていたから、あれが、近年のステイジの様子をほぼ丸ごと記録したものだったわけだ。

で、その〈Tombola Tour〉も終了(?)し、今年5月には〈Manu Chao La Ventura〉と称するツアーをブラジルで敢行している。その名を冠しているんだから、おそらく今回はこのツアーの一環として日本に来るんだろう。


〈ラジオ・ベンバ〉の名前がないから、どんな音の構成かが気になるところだが、ブラジル・ツアーの様子は全く目にも耳にもしていないので推測の域を出ない。ただ、報道に当たってみると、ブラジルではシンプルでアクースティック・サウンド中心のショウだったらしい。メンバーはラジオ・ベンバのギタリスト:マジッドと、ドラムのダヴィッドかベースのガンビートかは一緒みたいだけど、どうやらそんな2人プラス、ゲストがいるかいないか・・・? といった感じの小編成らしい。

それでブラジルでは〈バー・ミュージック〉を演ったらしいんだけど、ラ・マノ・ネグラやラジオ・ベンバでのレパートリーも、ハードなアレンジで演るかと思えば〈バー・ミュージック〉、ミュゼット、マリアッチなスタイルにも巧みに変形させるのが彼らの得意技。このまえの〈Tombola Tour~『La Radiolina』〉のショウの大半がハードな音の連続だったから、今度はアーシーで場末感漂う音数の少ないショウなのかもしれないですね。それはそれで楽しいだろう! 
目にした数少ない報道の感触では、少なくともブラジルの〈La Ventura〉ツアーでのショウは、大規模なアリーナ向きの演奏ではなく、まさに〈小箱〉向きの内容だったようだが・・・まあ、それと全く同じことを日本でやるのかどうかは分かんないけどね。

8.27.2010

過ぎ去ったもの、と、たまったもの



〈なんとかフェス 2010〉は大盛況のうちに終了。実に素晴らしい遊びだった。第1回より規模拡大、出演者充実、建物乱立(モンゴル式のゲルや、盆踊り用のやぐら、ステージ脇のお立ち台風高楼・・・)、ブース類も多数出店し、あぶ、ぶよ、蜂、熱中症からぎっくり腰まで、なんでもありのまさにサマー・パニックだった。


現地で毎日発行されていた日報(素人の乱/松本哉・筆)だが、つまりぎっくり腰になったのはオレで、でかい寸胴鍋に水を張って、かまどに乗せようとした瞬間に腰に閃光が走った。そのまま、すぐ近くに開店していたケイくんのマッサージ店に倒れ込み、彼のマッサージ(実にうまい!)のお陰で、まあなんとか最後まで活動できた。今も普通に生活しているけど、椅子に長く座っていると腰がズキズキしてくる。かといって、長く立ってるのもつらい。ってことで大事を取って、今日の〈NO BASE OKINAWA 新宿ど真ん中デモ〉は不参加。


明日、あさっての〈宮下公園夏まつり〉もこの調子だと行けるかどうか分かんないが、みなさん、近くを通ったら是非のぞいて見て欲しい。

で、フェスの残務処理も、本日〈なんとかフェス・フード班〉のメニューを今年の記録として、また来年の参考のために一覧に書き出すことでほぼ終了した。フェスの期間中、これらの食事(ヴィーガン食・・・なのに、1点だけ、食パンに脱脂粉乳が入っていたのを見逃して提供してしまうというミスを犯した。さすがヴェジタリアンたちはその食パンには手を伸ばさなかった)を1食300円(朝食は100円)以上のカンパをもらって会場で提供していたのだ。

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2010年なんとかフェス 
フード班メニュー&主要な使用食材一覧(基本調味料は除く)


8月20日(金)

《夕食》

*麻婆豆腐ライス(白米・豆腐・ひき肉風ベジミート、干し椎茸、にんにく、ショウガ、トウチ、ザーサイ、甜麺醤、豆板醤、粉末昆布、花椒(ホワジャオ)、長ねぎ、生ニラ)

*揚げ茄子

*サラダ(ゴーヤー、青唐辛子、ピーマン、大根、タマネギ、キュウリ)


8月21日(土)

《朝食》

*パンの耳トースト(アヴォカド、ジャム)、プチトマト


《昼食》

*サブジ&ライス(白米、にんにく、ショウガ、タマネギ、モロッコインゲン、キャベツ、人参、オクラ、ピーマン、クミンシード、コリアンダーシード、ターメリック、ガラムマサラ)

*サラダの豆腐入りフレンチ・ドレッシング和え(豆腐、キュウリ、タマネギ、人参、ミョウガ、しそ)


《夕食》

*ガンボ&ライス(白米、刻みオクラ780本分、にんにく、タマネギ、トマト缶1、ベジミート2袋、ベジブイヨン、粉末昆布)

*サラダ(うり、クレソン、タマネギ、ピーマン、キャベツ)

*フライド・ポテト


8月22日(日)

《朝食》

*本物の食パン・トースト(アヴォカド、ジャム)、ラタトゥイユ、ヴィーガン・ケーキ


《昼食》

*前半マカロニ、後半ペンネのベジミート入りトマト・ソース和え(パスタ計5kg、ひき肉風ベジミート、にんにく、タマネギ、セロリ、茄子、ズッキーニ、トマト缶大5、ベジブイヨン)

*コールスロー・マスタード入りフレンチ・ドレッシング和え(キャベツ、マイユのマスタード)


《夕食》

*中華丼(白米+玄米、厚揚げ、にんにく、ショウガ、タマネギ、干し椎茸、人参、ピーマン、茄子、もやし、青ネギ、チンゲンサイ、ししとう、白ゴマ、甜麺醤、花椒(ホワジャオ)、粉末昆布)

*ヤバスタ・サラダ(昼の残りのトマト・ソースに砂糖、酢、カイエンヌペッパーを足したものに、生タマネギ、ピーマンのスライスをマリネしたもの)

*野沢菜の漬物

以上
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さて、この2週間、遊びの準備に一生懸命だったので、仕事はしないは、買いためた本を読むのも眠りに落ちる前の3分以内だわ、送られてきた本、雑誌や、新譜のサンプルCDもどんどんたまっていくわで、机の上が山のようになっていたので、さしあたり読むべき、聴くべきものを整理してみたところ。
CDは10枚以上あったけど、サンプル盤の写真を載せても意味ないよね。まずは9.22リリースのマニックスから聴こう。前作も好きだったし、楽しみだ。


最近、オレが解説原稿を書いたCDのサンプル盤も送られてきてた。8月14日にリリースされたリー・ペリーの超レア・ダブ・プレイト集『サウンド・システム・スクラッチ』(プレッシャー・サウンズ/ビート・レコーズ)。


スクラッチ・フリークは必聴です。下のリンクから解説原稿が読めます。

会社務めじゃない身には、夏休みという概念がない。〈なんとかフェス〉は体力と精神力を使って真剣に遊びまくったので、まるで“休み”にはなっていない。で、目の前には読むべき、聴くべきものの山(この他にも古本で読むものが10冊くらいある)。


8月31日までに感想文を書かなくちゃならないわけでもないし、腰も軽く痛めたことだから、この週末は、ねっ転がって気楽な乱読の夏休みをとろうかと思います。ってことで、まずはスーパー行って、ビールのシックスパックを買ってこよう。

8.11.2010

tokyoなんとか2010-08 & なんとかフェス新ヴィジュアル

■この男、多忙につき、またもコピペにドラッグ・ン・ドロップでブログ更新。


この表紙は〈なんとかフェス〉オフィシャルTシャツのデザインをアレンジしたものだけど、またまた別のかわいいやつもできてた!

(作者)

他のグッズも告知ヴィデオもできてる!

8.04.2010

Panic, Panic !!

- NantokaWall(聖地・なんとかの壁)-

■忙しいのに慣れてないから、忙しいとすぐ体調を崩す。珍しく10日間で締め切り仕事が5つもあったので下痢をした。TABO(O)というヤツだ、オヤジなんとか的に言うと。

実際にとても忙しいんだけど、でも、今の忙しさは〈なんとかフェス2010〉の準備によるところも大きく、遊びの計画で忙しいときだけは元気だ。

しかしこのフェス、勝手な連中が勝手にいろんなことを考えるので、準備段階から強烈この上ない。だいたい、フェスの告知ポスターからして、みんな勝手に作るから、メタル版だとかパンク版だとか、すでに何種類もある! 欧文だと〈Nantoka Fes〉なのか〈Nantoka Fest〉 なのか〈Nantoka Party〉なのか、そんな違いも、誰も気にすら留めていない。D.I.Y.は、ある部分では多分に無秩序と同義であり、それこそ、この管理されまくり社会においては、金を出しても買えない価値である。
http://nantokafes.blogspot.com/2010/07/blog-post_29.html

加えて、このフェスにはヒエラルキーも権力も、マネー・パワーも介在しないから、スティーヴィー・ワンダーも矢沢永吉も出ない代わり、何が起こるかも分からない。あっちは、大金払って行って、そこで何が起きるか最初から分かるのである。

パニックこそプライスレス(だろ?) ヴィザもマスターも要らない(つーか、そんなもの使えるはずない)。クレジット・カードより、虫よけスプレーとか懐中電灯の方が大切な、クールな祭りまであと2週間。

今日4日はフェスのインフォ・ツアーとして広島でイヴェント。
明日5日京都でイヴェント。
8日(日)東京・高円寺スタジオDOMでプレ・イヴェント。

なんか、全員、大人がヤバイくらい本気で遊んでいる。何が起きても困らないように、パニックの免疫を養おうとしてるのか?

総合案内は・・・
なんとかフェス2010 オフィシャル・サイト

7.27.2010

サマソニ? サマパニの間違いだろ?


■去年の第1回は、どうなることかと思ったら、みんなが予想した以上にハッピーだった〈なんとかフェス〉。去年ビビって来なかった人は、実際の記録映画を観て、その様子があまりに楽しそうなんで、みんな後悔で泣きべそかいた〈なんとかフェス〉。ってことで第2回はみんな来ちゃうんで、その意味でもパニックだろうな。

そもそも大枚むしられ、お仕着せの感動を買わされるのなんか全然ロックじゃねえ。

で、その去年の記録映画、遂に一般発売。
もうすぐだ。みんな準備せよ!


7.20.2010

Do you know / Social living is the best

14日の〈2010年のフットボール〉というエントリーに書いた、「嫌われる“社会主義” ~米政権批判のフレーズ」という記事に関して追記です。

今朝の朝刊にはもうひとつ、「嫌われる“社会主義” ~米政権批判のフレーズ」っていう由々しき記事もあったんだけど、それもweb上じゃ読めないみたい。

と書きましたが、2日後の16日に「「オバマ氏は社会主義」 米政権批判、目立つフレーズ」というタイトルに変更になって、asahi.com で読めるようになってました。その記事はこちら。

教えてくれたのは、itsukiiiくんです。どうもありがとう。
(恋に焦がれて鳴く蝉よりも……)

彼曰く、字数の都合とかもあり、紙面とウェブでは違う見出しがついたりするんだそうです。なるほどね。 確かに、今も〈嫌われる 社会主義〉じゃ記事検索にヒットしない。こういうシステムでいいのかね。

だけど、ウェブは写真がカラーで見られてよりリアルです。この5枚目の写真の、いかにもネオリベな顔つきの少年(ごめんね、見た目で判断して)には、こういうナイスな曲を聴かせてやりたい。でも、ほんとに聴かせたらライフルで射殺されそうだ。(そんな目してない?)



7.19.2010

壊す会社、直す会社

■下の記事は朝日新聞6月27日の『オチビサン』の隣の記事で、山形県のウェルボンという製本会社が、本を作るだけでなく、壊れた本を直してあげるセクション〈ブックスドクター〉も社内に設けて年間330冊の注文をこなしている、という話だ。〈本好き〉を自認する人は、クリック(拡大)して読んでみて欲しい(この記事もasahi.comでは読めない)。


なかなかいい話だと思った。もう手に入らない、代替のきかない大切な本が手元にあって、でも、ボロボロ。という場合に、多少費用が高くても、自分の手になじんだその大切な本を直してくれるなんていう仕事は素敵じゃないですか。いい靴は直して履くし、いいジーンズは直して穿くし、いい本は直してさらに読み込みたい。そういう生き方がいい。

で、この記事を読んだちょっと前に、家からそれほど遠くないところにある印刷会社で、ちょっと驚くサーヴィスが始まっていたことを知った(で、その会社のウェブ・サイトを読むと、もう既に若干いかがわしい類似業社がいっぱい出てきているので注意せよとまで書いてあってまたびっくり。こういう商売のこと、知らなかったの、オレだけ?)。

それがこれだ。《ブックスキャン(低価格書籍スキャンサービス)》というもので、なんと、350頁以内の本ならたったの100円で中身を全部データ化してくれ、それをPDF書類に加工してメイル添付で納品するか、CD-RやDVD-Rなどに焼いて郵送納品もしてくれる。350頁よりもペイジ数の多い本は、追加200頁ごとに1冊分の料金(100円)を加算する。

1冊あたりさらに100円の追加料金で〈OCRオプション〉を付けると、すべてがテキスト・データ化される。つまり本の中の文章語句を検索できるし、コピー&ペイストできるようになるというのだ。

しかし、ショックなのは、まず必要な代金をカードで先払いし、本をその会社に郵送すると、スキャン作業のために書籍は裁断され、申込者にデータが納品されるとそのバラバラになった本は製紙会社で熔解処分されるというのだ。この株式会社ブックスキャンさんのウェブ・サイトには:

《BOOKSCAN(ブックスキャン)は、書籍を裁断しスキャナーで読み取り、PDF化するサービスです。
本が好きだけど、本棚はいっぱいだし、本をたくさん買いたいのに 場所的に置く場所がなくて困ってる』という方のためのサービスです。》

と、こともなげにあっけらかんと書いてあるが、本というのは紙質の手触りや匂い、表紙、カヴァー、ときにオビまで含む装丁美術の価値も含めてのものだと思うし(じゃなきゃ、それって本じゃなくて、ただのデータじゃん?)、本来「本が好きだ」っていう人の多くは、そこまで全部含めた物体が好きなんじゃないかと思うんだけど。
・・・で、結局、この会社の論理では、問題の元凶は家賃の高さってこと? 家賃が高くて本を置くための充分なスペイスが確保できないから、人間の暮らしから本が消え、物理的な体積を持たないデータが残る。家賃に追われ、暮らしに潤いがなくなり、本は切り刻まれて溶かされる、ってことなのね。
しかしこの会社、日本の出版業界の電子書籍化に相当時間がかかることまで読んでこういう商売やってんの、凄いなあ。“本”を読んでんのかどうかは知らないけど、少なくとも世の中は読んでるってことなんだろうな。
いつかこういうサーヴィスを頼る日がオレにも来るのかな。今も音楽はできるだけLPで聴きたいと思い続けてるようなアナクロなオレに……。 

で、オレはこの会社と同じ国道246号線沿いにある古本屋《三茶文庫》で先日古本を6冊ほど買ってきたので、この海の日は、本の海で過ごしてます。しっかし、“データ”じゃ、顔に載っけて活字の迫力と紙の匂いの中にまどろむこともできないよね。ロマンティックじゃねえなあ、やっぱ。