7.31.2009

させていただく

■って言葉、いつからこんなに安く使われるようになったんだろ。世の中に、そんなにへりくだるシチュエイションがたくさんあるかね?(あるとしたらオレはとっくに自殺してるな)。何で用事があって向こうからやって来たヤツに対して、「古賀さんとお話しさせていただきました」となるのか? 対等に会ってるのに、なんで「お会いさせていただきました」になるんだろ。当然の仕事をやってるだけなのに、何で「国会に○○の法案を提出させていただきました」なのか?毅然と、「しました」「いたしました」って言うんじゃダメな理由は何だべさ。


仮に“ビジネス・トーク”であれ、とにかくやたらと丁寧チックな表現を、電気製品の箱に入ってる発泡スチロールの緩衝材のように自分の言葉の中に詰め込むクセがついているヤツは、経験上信用ならないな。こっちはストレートに話がしたいのに、オレとの間に気持ち悪いふにゃふにゃの盾を何重にも立ててくるようなヤツ。こっちは、ごくフレンドリーに、対等に話そうとしてるのに、向こうが勝手に(自覚的であるにせよ、ないにせよ)腰を低くして、ズルズルと一方的に地面にもぐっていって、目から上だけ出して上目使いでチロチロこっちの反応をうかがってる感じのヤツだ。


もし相手の腹に一物あってそれが戦略だとしたら、そんな邪悪なヤツはスナフキン流に一切相手にしたくないところだ。もし相手がそうでないなら、それって正面から目を見て会話すべき相手から一方的に目線を外す、慇懃どころか卑屈で無礼な行為だと思う。オレは花粉じゃないんだから、会話するときはその防御メガネとマスクを取ってくれ、人と握手するときはそのゴム手袋を外してよ、という気になる。


へりくだれば自分を護れると思ってんのかな、例えばタチの悪いクレイマーかなんかから・・・。なんだか、オレらの税金で生きてる政治屋を筆頭に、世の中の多くの人間が、とにかく自分を護ることに汲々として常に(おそらく下らない)何かから逃げ回っているように思えるのだ。空気が濁ってるのは、その無駄なエネルギー放出のせいかもしれん。


ためしに、意中の相手とセックスするときもその表現を使ってみろよ。人間の尊厳はめでたくゼロになるよ。