■今日、〈朝霧JAM〉 に行ってる人は、マヌ・チャオ~ラ・ヴォンテュラの最後の日本公演を堪能することだろう。
ぼくは昨日の夕方、東京でマヌ・チャオと会うことができた。『ミュージック・マガジン』の取材だったのだが、その話の前に、道義上、お詫びをしなくてはいけない人たちがいます。
ぼくは誰かアーティストの取材をしてインタヴュー記事を書いたりするのが不得意で、かつ、明らかに下手くそなので、20代から30代にかけて何十回とやりましたが、その都度直されたりして落ち込むので、もうこの10年以上、自分が作る本のための取材以外では、一切の取材/インタヴュー仕事を断ってきました。そういう仕事の依頼があるときは、たいていの場合、誰かの新作アルバムの宣伝のためにレコード会社が雑誌媒体に広告を打って、そのバーターで本文にそのアーティストのインタヴュー記事を載せる、というパターンなので、特に好きでもないアーティストの新作をがんばって好意的に書くのはぼくにとって恐ろしく苦痛だし、こんな仕事してまで原稿料はいらねえや、ってすぐ思っちゃうし、でも好きなアーティストのときだけ仕事を受けるというのもいやらしいので、それですべて断ってきました。中にはぼくの好きな日本のアーティストのマネージャー氏からじきじきに自宅に電話がかかってきて頼まれたりして、そんなありがたい申し出を丁重にお断りするのも本当に辛かったのですが、とにかく言葉を重ねてご理解をいただきました。
そうした方々に対しては完全に道理のはずれたことになってしまうのですが、マヌ・チャオに会って話を聞かないか? と言われたら、どうやってそれを断れましょう。それも、うちから歩ける距離にあるホテルに投宿しており、そこに行きさえすればいい、というお膳立てです。すみません、とにかく彼は別格に特別な人なもので、これは全くの例外としてご容赦下さい。それで、ほいほいとでかけてしまいました……。
その内容は11/20売りの12月号に掲載されることになるのでここには当然書けないが、決められた取材時間のあとで(というか、その時間さえオーヴァーしました、すみません)、東京有数の繁華街の路上でマヌ・チャオと立ち話を(パチンコ屋のネオンをバックに!)した内容の一部については、今日のうちに書いておく必要があるので以下に記したい。
チャオは、沖縄問題について、先日の大阪のステイジで〈米軍は日本から出て行け!〉と叫んだことが Twitter 上でも話題になっていたが、今夜の朝霧のステイジでも再度アピールすると言っていた。さらに、彼は朝霧から東京に戻ってきて、日曜(10日)午後の〈米軍だけじゃない、自衛隊も沖縄を踏みにじるな! 新宿ど真ん中デモ〉にも行ってオレも一緒に歩くと言い出し、チャオのマネージャーも「あったりまえだ、行かなきゃダメだ!」と言って盛り上がったのだが、予定を確認したら、次のツアー地アメリカ西海岸へ発つ飛行機の時刻との兼ね合いで15時出発のデモに参加するのは不可能なことが分かり、マヌ・チャオは“非常に残念がって”デモ参加を諦めたのだ!
彼は、沖縄を、その海を、そこの人たちの尊厳を守るために東京でも有志市民が立ち上がったその運動のデモで、明日の日曜、オレたちと一緒に新宿を歩こうとしていた!
彼の気持ちを無駄にしないため、そしてファンのひとりとして、多くの日本のマヌ・チャオのファンとその気持ちを共有したいので、そのことは今日のうちにここに書いておく。
その、明日の〈米軍だけじゃない、自衛隊も沖縄を踏みにじるな! 新宿ど真ん中デモ〉は、当局が事前のデモ申請を正式に受理していたにも関わらず、今日、直前になってデモの集合場所とコースの変更を強制してくるという撹乱戦法の暴挙に出ており、この集会とデモは、始まる前から異例の弾圧をくらっている。それこそ、政府が東京でもこの声が大きくなることを恐がってる証拠だろう。菅再任後の現政府としては、この沖縄問題は連中のアキレス腱になりかねないからだろう。
とにかく、〈朝霧〉を日曜の最後まで見る人たちは当然参加は無理なわけだが、明日東京・新宿に来られるマヌ・チャオのファンは、彼の分まで一緒に新宿を歩きませんか!?
来週日曜17日には、連続企画Radiochango JPプレゼンツ〈マニュ・チャオ講座〉の第3回がいつもの新宿二丁目カフェ・ラバンデリアで行われるが、その詳細は週明けに。