10.14.2011

リュリュ・ゲンズブールがいい


■ボリス・ヴィアンの話題の翌日に、ゲンズブールの話でも。といってもセルジュの方じゃなくて、今ホットなのはバンブーとの間に出来た息子リュリュ・ゲンズブール(Lulu/カナではルル・ゲンズブールって書かれちゃうんだろうな…)のアルバム・デビューの話だ。
そのタイトル『From Gainsbourg to Lulu』(Universal)!

このエキゾティックな色男、ピアノがなかなかいいことは知っていたが、親父の楽曲でアルバムを作ったらしく・・・息子が親父の歌を歌うのは、アイディアとしてはありがちだが、この場合・・・勇敢過ぎる。バーキンが歌うのとは訳が違う。同じ男の歌として聴いてしまうからだ。それも、アルバムのリード曲が「L'eau à la bouche(ロー・ア・ラ・ブーシュ/唇によだれ)」だというではないか。 

パリのジャズ専門FM局〈TSF Jazz〉の、オレの好きな朝の(こっちじゃ昼過ぎからだが)番組に、おとといリュリュが出て、そこで初めて「ロー・ア・ラ・ブーシュ」を聴いた。最初は「おまえの歌も6割“息”か!」と思ったが、最後まで聴くと、なかなか味わい深い、どころかカッコいいのだ。サンバ・アレンジもアイディアとしての驚きはないが、本気で錬られている。そのリュリュ出演部分のポッドキャストがアップされたので、(調べたらYouTubeにもこの曲はプロモとして上がってたけど、リュリュの話す声も聴けるから)こっちを紹介します。

〈From Gainsbourg to Lulu - 1/2〉

始まって4分後に「ロー・ア・ラ・ブーシュ」。その後、リュリュのジャズ・トーク(ジャンゴ・レナルトやジャコ・パストリアスが大好きetc.)があって、新作からもう1曲リュリュによるマヌーシュ・スタイル・インスト・アレンジの「Le poinçonneur des Lilas (ル・ポアンソヌール・デ・リラ/リラの門の切符切り)」(最高!)が聴ける。

興味のある方は後半もどうぞ(アルバムからの曲はないけど)。
〈From Gainsbourg to Lulu - 2/2〉

彼のオフィシャル・サイト(JDコスプレ?)に行くと「La Javanaise」(一部)も聴ける。

ゲストもマリアンヌ・フェイスフル、スカーレット・ヨハンソン(が、ブリジット・バルドー役!)、イギー・ポップ、ヴァネッサ・パラディー、ジョニー・デップ、アヨ、スライ・ジョンソンなど超豪華。来月のアルバム・リリースが楽しみだ。マジで、結構、楽しみだ。