6.28.2012

ジェロニモレーベルでスカッとする

■世の中が悪くなると、ジェロニモレーベルはどんどんよくなるし、今回は特に、聴くたびにスカッとさせてくれる。
今年の新作『Negative』は、ほぼすべて“The 311”以降の世界観を、直接的間接的に歌っているが、そのもやもやした煩悶の歌詞や呪詛も、オレの中のもやもやとスカッとシンクロする。そして曲の進行とともに、そのもやもやを2秒前、3秒前の過去に少しだけ置き去りにできてる気になる。
それは一種のカタルシスであり、またしても忘れかけてた深呼吸であり……歌詞に共感し連帯に身を置く行為が自分のエンジンになってることを実感する瞬間だ。
「気ぃ狂って当たり前」な状況なんだと気づくことは、何よりも気持ちを楽にさせ、正気を取り戻させる。あ、そうか、狂ってるのは、TVを観てる側のオレの頭じゃないんだと。

『Negative』と、自分の中のネガティヴさは乗法作用を為す。だから“The 311”以降の原発問題に一切ネガティヴな感情を抱かない人は、このアルバムは聴かない方がいい。

この新作に入ってる「ナメられてるにもほどがある」は、ここでも紹介したが、“フロントライン=”大飯テント村ヴァージョンのヴィデオも出来上がった。そこには日本各所の最新のライヴ映像がエディットされている。福島にも何度も行き、そしていつも日本中のどこかを駆け回って歌い、30日にはまた大飯に行くそうだ。その野生動物のような機動性としつこさが、他の何にも似ていないロックンロールを奏でている。


01. ヘラヘラしてたかった 
02. ナメられてるにもほどがある 
03. 景色が壊れた
04. ネガティブ
05. 気ぃ狂って当たり前
06. FUKUSHIMA311 
07. 難民

〈アルバムPV〉




〈ナメられてるにもほどがある〉




〈ナメられてるにもほどがある/大飯テント村ver.〉