■経団連会長:米倉弘昌のコメントを、3月21日の東京新聞は以下のように報じたという(ソースは『保坂展人のどこどこ日記』)。http://news.livedoor.com/article/detail/5434344/
〈経済界からは早くも原発の危険性を忘れたかのような発言が飛び出した。日本経団連の米倉弘昌会長は記者から「日本の原子力政策は曲がり角か」と問われ「そうは思いません。今回は千年に一度の津波だ。(地震に)あれほど耐えているのは素晴らしい」と強調。見直しの必要について「ないと思う。自信を持つべきだと思う」と述べた。〉
保坂展人のブログでは、そのあとに与謝野経済財政担当大臣による、米倉同様、日本の原発政策を肯定する発言も紹介している。
さらには本日(25日)付け『ウォール・ストリート・ジャーナル 日本版』の、この作業服官僚の言い草はどうだ。
経済産業省傘下の原子力安全・保安院の西山英彦審議官(54)は23日、インタビューで、過去25年で最悪の原発危機にもかかわらず、原発推進の動きは後退していないと語った。原子力の代わりは「停電」だという。
(中略)
西山審議官は、大幅な原子力抑制は大規模な停電を意味すると警告。しかし、「そうは言っても電気のない生活も考えられない」とした上で、「現実的に、いかにこういう非常事態にも対応できるものを作っていくか、ということでいくしかないと思う」との考えを示した。
(中略)
その上で、「保安院と東京電力が癒着していたから今回の事態が起きてしまったということではまったくない」と発言。今の原子力安全委員会と原子力安全・保安院のダブルチェック体制はベストだと思われる形だ、と述べた。(後略)
連中の意見を合わせてみると、すべて悪いのは地震津波を起こした自然の力で、原発は素晴らしく、さらなる耐性は求められるものの今でも十分堅固であり、自信を持つべきで、それがないと電気が止まるぞ、という超ラフで強引なロジックができあがる。
で、“電力マフィア”に飼われている政府も、マスメディアも、その勢力の人形(スポークスマン)として同ロジックを担保する方向にしか、声明も、報道も発しないようにしている(上杉隆とか勝谷誠彦が民放局から干されたり圧力かけられてんのって、だからでしょ?)。
しかるに、原発の事故処理(今こそ大事故の真っ最中なんだが……)に時間がかかっているものの、拡散した放射性物質量は「たいしたことはない」し、被爆した作業員も「たいした被害はない」――ところで危険な現場仕事を下請け業者にやらせる連中が何のために作業服着てるんだ?――し、水も原乳も葉っぱの汚染も「たいしたことはない」けれど、みなさんのためを思って念には念を入れて措置を講じてあげた、という声明の方向性をキープし続ける以外にないのだろう。
つまりあいつらの作戦は、何が起きようと、「原発は安全」という声明を、こっちが嫌になってどうでもよくなるまで何千回でもリピートする、ってことなんだろう。警察の得意な不当逮捕後の取り調べと同じ手法だ。
国民の命とか、健康なんて二の次なんだよな。大事なのは“原発推進電力マフィア”まわりの利権で、その既得権を何としても死守したいだけだ。意味もなく趣味でウソをつき続けるヤツなんて、世界広しといえども、そうそういるもんじゃないだろう。
もちろん連中は、国民の尊厳なんておそらく四の次にも五の次にも考えてはいない。考えてたら、原発の事故がこれだけの国民をつらい目に遭わせ、恐怖を味わわせているのに、
「あれほど耐えているのは素晴らしい」
「自信を持つべき」なんて言えるか?
「原発か? 停電か?」なんていう乱暴な脅しができるか?
これだけの事故を起こしておいて、現在の「ダブルチェック体制がベスト」だと開き直れるか?
笑いも出てこないし、さらにこいつの語彙の中の〈人間〉には、作業着を汚したり、被曝するランクの“平民”は入ってないっつーんだから、ほんと露骨なお偉いさんの年収を知りたいぜ。
日本中に原発問題数あれど、こうしてみると福島原発をまずは確実に廃炉に持っていく運動が、原発バトルの”フロント・ライン”になるはずだ。というように思う人は、バトルの手始めとして、まずはこうした署名運動などに参加してみるのはどうだろう? 東電は、まだ廃炉にする気なんかないんだろ? 多分。
(メイル署名もできます。締め切り:第1次集約 3月末日、第2次集約 4月末日、とのこと)
大規模な停電を意味する、だと? 死の灰かぶって死ぬよりずっとましだ。そもそも、今のうちから東京23区も公平に停電させるべきだ。三軒茶屋も暗くしろ! 経済に、首都機能に与える影響がどうだとか言うけどさ、人間が死んで経済に何の意味がある? 都民が死んで何が首都機能だ。