12.27.2011

アジズ・サハマウイ&グナワ大学


■アジズ・サハマウイ&グナワ大学の最新ライヴ映像を見つけた。
パリの《Radio Nova》の夕方の番組での、先週のスタジオ・ライヴの模様。

モロッコ生まれの彼が、フランス移住後に組んだオー・エヌ・ベー(オルケストル・ナシオナル・ドゥ・バルベス)の中心メンバーのひとりとして強烈なマグレブ・フュージョン・サウンドを引っさげてメディアに登場した1995年、ちょうどパリで彼らのフリー・ライヴを観て衝撃を受け、ファンになった。で、ONB自体はその後も何度か観たけれど、デビュー当時の爆発的な躍動感を凌ぐ演奏は聴かれず、今やアンサンブルが洗練され過ぎてしまった感が否めない。

その一方で、アジズ・サハマウイの初ソロ作品となった今年のアルバムは素晴らしかった。ここで見られる映像はアルバムの3曲目に入っていた「Ana Hayou(アナ・ハユー)」で、ベイスが沈んでいるのが少々残念だが、ゴツゴツと角張った生っぽいビート感にそそられる。サハマウイの太い歌と、他メンバーとの掛け合いもいいし、とにかく画的にカッコいい。つーか、夕方6時台にラジオをつけると、こういう生演奏が流れてくるなんていいよね。


アルバムのインフォ:

ここではアルバムのプロモ映像が観られます。
これも今年何十回も聴いたアルバム。出た当時、すぐにピーター・バラカンさんも『バラカン・モーニング』でプッシュしていた。

12.26.2011

Don’t buy what you don’t need. Think twice before you buy anything.

■今夜(25日夜)もジムで運動をし、帰りに行きつけのスーパーマーケットに寄ったら、従業員のおねえさんに、「昨日クリスマスやったの? 今日?」と訊かれ、毎年のことだが、返答に窮した。

オレにはクリスマスを祝う意志も、その根拠も資格もない。みんなが口にする、「メリー・クリスマス」という呪文が何のためのものなのかも分からない。オレにとっては、何も買わず、誰とも会わず、静かに本を読んだり、ウィスキーを舐めながらハワード・ホークスとかフリッツ・ラングの映画をDVDで観て過ごしたい! という激しい欲求をかき立てられる方向に作用するようだ。……何も買わない、といっても、ビールとか、食材くらいはスーパーに買いに行くわけだが。

といいつつ、実はたまたま24日の昼にひとりで渋谷の蒙古タンメン中本で北極ラーメンを食べてから、タワーレコードで楽しみにしていた新譜2枚:Common『The Dreamer / The Believer』と The Roots『Undun』を買い、ついでに買い逃していたBurial の2nd.も買ったけれど、そんなのはごく日常的ないつもの行動だ。

それから同日夜、妻は何故かオレに靴下をくれた。オレの目の前に、ある明確な意思表示として靴下を提示したということか? なんだか、よく分からない。

まあ、それはそれとして。

そんなクリスマスのタイミングで、パタゴニアがひと月前に『ニュー・ヨーク・タイムズ』に出稿したこんな広告のことを知った。


オレはしばらく前からパタゴニアというブランドに一定のリスペクトを払っている。そして、この冬、本当にひとつパタゴニアのジャケットが欲しかったのだけれど、この広告を見て、広告の通りに、まだしばらく買わないことにした。
そして、買うのを止めた分だけ、この会社に対するリスペクトの念が増した。
この世の中に必要なのは、こういう会社であると思う。

さて、世の中は麗しいブラック・クリスマスを送れたのでしょうか?

12.25.2011

『ミュージック・マガジン』2012年01月号

■こんな年でもやってくる、年末のお楽しみ、『ミュージック・マガジン』1月号。

(この他の記事など、内容詳細は http://musicmagazine.jp/mm/ 

例によって今年1年のベスト・アルバム特集号なので、これを見て今年(2010年12月01日~2011年11月30日)リリースされた作品の中で、未聴かつ興味の湧くものを買いに行く、というのが年末の過ごし方だ。

ぼくは毎年のように〈レゲエ(海外と国内それぞれ)ベスト5〉を大石始さんと合議し、それから〈個人のベスト10〉も選んでいる。

もちろんその内容はここには書かないが、ひとつ〈個人ベスト10〉で個人的に興味深い現象があった。そのリストには1位~10位という番号が振られているわけではなく、“今年の10枚”を発表しているみなさん(上記写真参照のこと)は、その10枚をアーティスト名のABC順で並べたり、(大半の人は)順不同として並べたりしてるんだけど、ぼくは毎年ボクシングのマスト・システム採点法のように、敢えて順位をつけて上から並べている――“お祭り”企画を、自分でより徹底的に楽しむための方策として。

で、蓋を開けてみたら、今年のぼく個人のベスト10枚の上位5枚が、他の誰の〈個人ベスト10〉とも見事に1枚もカブっておらず、そして〈各ジャンル別ベスト・アルバム・チャート〉の中にも全く入っていない。つまりこの『ベスト・アルバム 2011』に参加した選者のどなたも選んでいない5枚を自分の1位~5位にしているわけで・・・よほどオレの耳が悪いのか、好みがオリジナルなのか、その両方か、ということだろう。

でも6位~10位までの5枚はすべて他の方々と激しくダブっているし、ワールド・ミュージックやR&Bやハウス・テクノのジャンル別ランキングにも入っているものばかりだった。

ということで、そのぼくの"オリジナルな"個人ベスト1~5位までの中から、1枚だけならここでバラしても叱られないだろうと思い(『マガジン』にジャケ写も載ってないヤツだし)、そこから1曲だけ紹介したい。

もしかすると、今年聴いた回数も1番多い曲かもしれないし、ぼくの頭の中で鳴り響いた回数も一番多い曲だと思う。フランスのプロデューサー&マルチ器楽奏者の Tom Fire がジャマイカのヴェテラン歌手ウィンストン・マカナフの息子をヴォーカリストとしてフィーチャしたヒット・チューン。彼のデビュー・アルバム『The Revenge』に入っている「Brainwash(洗脳)」という曲で、歌い出しはこんな歌詞だ。

Brainwash the whole world
Putting people under pressure
Turning men into business
Women into pleasure

They try to take our voice and even our face
Even try to whipe out our race
The devils in their mind and greed corrupt their heart
Power has them sick like a poison
2000's not enough they want 200 more years
But we no longer give long affairs

Brainwash
it's a serious thing
Pressuring my people
In your world of sins...

今年は、とにかくあいつらのマインド・コントロールのえげつなさに戦慄を覚えた1年だった。フライング・ダッチマンの「ヒューマン・エラー」がオレの今年の1曲だけど、この曲も、ザクザクと心に突き刺さり、あるいは心を鷲づかみにされる曲だった。
話変わって、同じ号の『ミュージック・マガジン』の書評のペイジでは、名著『ジャズ喫茶に花束を』や、『レコードコレクターズ増刊 マイルス・ディヴィス・ディスク・ガイド』などでおなじみの、日本を代表するジャズのオーソリティーのおひとり村井康司さんが、12/20発行の拙訳書『だけど、誰がディジーのトランペットをひん曲げたんだ?』をレヴューしてくださっています。ありがとうございます!

それから日本を代表するジャズ・ミュージシャンのおひとり菊地成孔さんも、ご自身のブログで同書をお褒めくださいました。ありがとうございます!

それから、出版元《エディシオンうから》のfacebookペイジもできました。
この本に関する情報や、ジャズの小ネタなんかが随時アップされていますので、どうぞご覧ください。

12.15.2011

脱原発デモ@渋谷・原宿 a.k.a. ツイッターデモ vol.07(The 7th Twitter-organized Anti-Nuclear Protest)

■今週土曜、第7回の“ツイッターデモ”に行く。


そもそも見知らぬ者同志だった人たちが、脱原発の思いひとつで twitter でつながり、デモをオーガナイズした・・・つまり一般人が作り、一般人が参加するためのフレンドリーなデモ。

20年近く渋谷・青山・原宿の街はまあまあ見慣れたつもりだったけれど、あるときその車道をゆっくり歩いてみたら、知っていたつもりだった街並みが随分と違って見えて驚いた。昔、毎日通っていた渋谷の街すら、その一面しか見えていなかった。

今、この国で普通に暮らしていて、この国のことがどれだけ見えているんだろう? 
それってTVのチャンネル数が2倍になったら2倍よく見える、という種類のものなんだろうか?


除染は原子力村の新しい収入源になっています 小出裕章(仏 ル・モンド 12/08)
京都大学原子炉実験所の小出裕章助教は、日本の原子力分野で最も注目される人物の一人だ。日本政府の原子力政策に異を唱えたために、他の同様の考えを持つ科学者たち同様、ほぼ40年間にわたって科学界の「牢獄」に閉じ込められてきた。小出助教は何の責任も任されず、少しの予算しかあてがわれない「助手」に留められてきた。


・未来の世代は、私たちに聞くと思いますよ。あの時お前は何をしていたと 小出裕章(TOKYO FM 12/14)
要するに原子力発電所というのは危険過ぎて、都会ではその危険を負えないと。だから過疎地に原子力発電所を建てて、電気だけは都会でもらうという、それを続けてきたのですね。


・杉並・小学校の芝生シート セシウム9万ベクレル検出(東京新聞 12/14)
東京都杉並区立堀之内小学校の芝生の養生シートから、一キログラム当たり九万六〇〇ベクレルの放射性セシウムが検出されていたことが十三日、分かった。埋め立て処理を容認する国の目安、一キログラム当たり八〇〇〇ベクレルの十倍以上。


阿武隈川から海へ1日500億ベクレル 放射性セシウム(朝日新聞 11/25)
福島県中央部を流れる阿武隈川から海に流れ出る放射性セシウムの量が1日あたり約500億ベクレルにのぼることが京都大、筑波大、気象研究所などの合同調査で分かった。福島第一原発事故に伴い、東京電力が4月に海に放出した低濃度汚染水のセシウムの総量に匹敵する。専門家は継続的な監視が必要としている。


西日本でもセシウム検出 文科省、汚染地図作製へ(朝日新聞 11/26)
東京電力福島第一原発の事故で大気中に放出された放射性物質が日本全土に降り注いだことが、25日に発表された文部科学省の調査で裏づけられた。第一原発から約1700キロも離れた沖縄県を含む45都道府県でセシウムが観測された。半減期が2年と短いセシウム134が全地域で見つかっていることから、文科省は「第一原発事故からの降下物」と判断している。

・放射線測定器「文科省は数値改ざんを要求してきた」(日刊ゲンダイ 12/09)
設置業者が怒りの告発――「文科省が放射線測定器の数値“改ざん”を求めてきた」――。福島の小学校に放射線測定器の設置を進めてきた業者が怒りの告発だ。


・脱原発ビジネス本格支援 城南信金・吉原毅理事長に聞く(東京新聞 12/14)
城南信用金庫(東京都品川区)の吉原毅理事長は本紙のインタビューに応じ、「脱原発にかじを切ることで、新たなビジネスを生み出す」と述べ、取引先の中小企業が開発した節電商品を手始めに「脱原発ビジネス」を積極的に支援していく考えを明らかにした。 




土曜のデモ会場では新しいTシャツも販売されるそうだ。オレも1枚買おう。(このTシャツが欲しいから行ってみる、というだけの動機だって何が悪かろう?)


そういえば、デモに行って恋人ができた人もいて、「今回の原発事故が起きなかったら、私たち知り合わなかったよね」という会話も聞いたことがある。不幸の中からポジティヴなものを紡ぎ出す力は人間の才能である。原発マフィアは、今、何よりそれを恐れているだろう。だから、楽しもう。

12.06.2011

メガバンクから城南信用金庫へ口座を移すアクション

■城南信用金庫が4月に事実上の“脱原発宣言”を行ったことは大きなニュースになったから、当然ぼくも知っていた。



そして先週土曜の東京新聞朝刊の1面の記事(↓)を見て、「あ、オレも来週、城南信金に家の口座を移そう」と決めた。

(クリックで拡大)

これまで家賃とすべての公共料金を引き落とすための口座を、ただ単に地理的な利便性から三菱東京UFJ銀行に置いていた。が、そのメガバンクが、長らく法人税を免除されながら、自分たちがうまいことやるために都合のいい政治屋に献金することは許されており、そのくせ預金者には低金利を強い、貸し剥がしをし続け、三菱東京UFJにいたっては、オレの預けているお金をオレの全く支持できない企業に融資しているほか、シオニスト企業のディズニーと提携して通帳にディズニー・キャラクターを印刷し(もちろん、オレはそんな通帳は拒否したが)、他にも個人的に腹立たしい体験も数回あり・・・ということでそのうち口座を閉じてやろうと思っていたので、一石二鳥だ。

もちろんオレひとりが三菱東京UFJから預金を引き上げたところであっちは痛くも痒くもないわけだが、同じことを大勢がやると、様子はちょっと変わってくるだろう。ヨーロッパでは去年から、メガバンクから大勢で一気に預金を全額引き出して意志を表示する市民アクションが浸透し始めている。あなたが新自由主義経済の仕組みに賛同しない場合、そのことを地元の政治屋に陳情したって何の効果もないどころか、話の意味さえ分かってもらえない可能性が高い。そんな無駄な時間を使うなら、ネオリベラリズムの血液をみんなで少しずつ止めにかかる方がずっと話が早い、というわけだ。

たしかに、公共料金や家賃、新聞代の引き落とし口座をすべて変更する手続きは面倒くさいが、とにかく3日前に報じられた城南信用金庫の英断に賛同する具体的アクションをとるべく、今さっき、口座を開けて来たところ。

ぼくのように、今まで信用金庫の存在意義を意識してこなかった人は、城南信金ホームペイジの「信用金庫とは」を一読することをおすすめしたい。

そこの〈概要〉にはこんな一説がある。

自由主義、個人主義に根ざした市場経済の進展により、損得やビジネスによる取引関係が拡大し、結果として地域社会や企業などの共同体が弱体化して、社会の連帯、モラル、活力が低下していますが、協同組織運動は、こうした近代の自由主義、個人主義を批判し、地域住民・中小企業・経営者や従業員の相互扶助を促進することにより、地域コミュニティーを再構築し、コミュニケーションを通じて、お互いの成長と育成を促進し、健全で良識ある社会の発展に貢献する社会運動であり、経済環境が厳しさを増す中で、信用金庫に対しても、こうした協同組織運動の精神を持った金融機関という本来の役割発揮の期待が高まっています。
また、〈銀行との違い〉には・・・

銀行が株式会社であるため株主の利益を優先するのに対して、信用金庫は地域の人々が利用者であり、会員となって、お互いが地域の繁栄を目指しながら取引を行うという地域機関ですので、利益第一主義ではなく、会員・地域社会の利益がまず優先されます。誰のための金融機関であるかという点が大きな相違点です
と、ある。
城南信用金庫の営業地域は:

東京都全域、神奈川県川崎市、横浜市、相模原市、大和市、厚木市、海老名市、座間市、藤沢市、伊勢原市、綾瀬市、平塚市、秦野市、茅ヶ崎市、鎌倉市、高座郡、愛甲郡
だが、この地域にお住まいの方/お勤めの方は、今の銀行からお金を移してみるのはどうでしょう? みんなでやれば、〈2方向〉に対する継続的なアクションとして、いい感じに機能するかもしれない。それによく考えると、こんな効率的なアクションって、他になかなかないでしょう!?

12.01.2011

NO NUKES MORE HEARTS - NO NUKES ! ALL ST☆R DEMO 2

■今週土曜、結集しよう。
いいデモになると思う。
“いいデモ”とは何なのか? と首をかしげる人もいると思うけど、“いいデモ”というものは確実にある。


NO NUKES MORE HEARTS
NO NUKES ! ALL ST
R DEMO 2
稼動中の全原発の即時停止!
2012
年を全原発廃炉の年に!
★日時:2011123(土) 雨天決行
★時間:集会1 13:00~「代々木公園野外音楽ステージ」
 :デモ 14:00~ 集合場所:代々木公園けやき並木 最寄駅JR 渋谷駅・原宿駅 (徒歩10分)
 :集会2 15:0017:00「代々木公園野外音楽ステージ」
集会会場変更のお知らせ
フライヤーなどで告知していた集会会場が変更になりました。「代々木公園野外音楽ステージ」にて集会1部、集会2部とも開催します。
集会1部:13:00
集会2部:15:00
デモは予定通りに代々木公園けやき並木(渋谷側)出発。デモから参加の場合は14:00までにけやき並木に集合ください。

★主催:NO NUKES MORE HEARTS
★協力:LOFT PROJECT / 楽器・音響.com
★協力参加:TwitNoNukes / エネルギーシフトパレード


(主催者twitterアカウント)https://twitter.com/#!/NONUKES_MH


●その先のデモ。これも、いつも“いいデモ”だ。

12.17脱原発デモ
今年最後、第7弾Twitter発脱原発デモ!!!!!!!

他にも日本中でたくさんの“いいデモ”が作られ、行われていると思う。
で、“いいデモ”とは、オレの定義では、自分たちが、ほんの少しずつであっても“強く”なってきていることが実感できるデモだ。

11.28.2011

今年の1曲

■先週、『ミュージック・マガジン』の今年の《レゲエ・ベスト・アルバム(国内・海外各ベスト5)》の選出のための合議を大石始さんと行いました(昨年12月01日から今年の11月一杯までが“今年”という設定です)。その結果は、同誌2012年01月号(12/20売り)に掲載されます。
それから、同じ号に載る、今年の個人的なベスト10も選び終えました。そこで選ぶのはシングルでも映像作品でもいいのですが、ぼくは自分の例年の習慣で、すべてアルバム作品から10枚選んでいます。

それらはもちろんここには書けませんが、それらのベスト選出作業と同時に頭に浮かんだ(けど、そこには入れていない)、個人的な《今年の1曲》だけ、ここで紹介しておこうと思います。


Flying Dutchman「Human Error」
(フライング・ダッチマン「ヒューマン・エラー」)



この曲を聴き始めたら、なかなか途中では止められないだろうし、やるせない高揚感に突き動かされて最後まで聴き通した末に、多くの人が、ぼくと同じようにこれを《今年の1曲》に選ぶのではないかと思います。

http://www.fryingdutchman.jp/

11.25.2011

怒りのドラムデモ(#02)

■11月26日土曜日、あのデモの第二弾。


怒りのドラムデモ・渋谷

2011. 11. 26 (土曜日)

13:00 代々木公園ケヤキ並木集合
13:30 デモ出発
14:35(予定) 代々木公園ケヤキ並木北側到着


荷物を預かります
http://goo.gl/3M8Gd

その他、総合インフォは:
http://drumsofprotest.blogspot.com/

11.22.2011

本日の予定

■いろいろ打ち合わせなどあり、そのあと、地下大学へ。


東京を放射能のガレキの山に? それでも逃げたい!? それじゃ喰えない! じゃあ、どうする?

By 地下大学東京 11 8, 2011 Post a comment

11
22
7:00 PM

────東北育ちの元少年たちが「放射能と労働の地理」を語り合う。
入江公康(サンジカリスト労働運動史)
小倉利丸(経済学)
原発震災は何ひとつ終わっていない。
海に流れ、魚が食い、花粉に飛び、ガレキの山になる放射能がやってくる。
だらだらと核分裂し続ける崩壊した原子炉建屋の中で働くたくさんの人々。
次の地震はいつなのか?
傲慢な大電力消費地・東京に放射性廃棄物を持っていけ!
──
というフクシマの声が聞こえる。
少年時代に仙台や郡山を駆け回った二人の労働経済の思考者たちと、
東京フリーターたちが語り合う。
【日時】1122日(火)19時~
【場所】素人の乱12号店・きたなかホール(高円寺)
杉並区高円寺北3丁目8-12 フデノビル2F 奥の部屋
(北中通り沿いアヤマ接骨院脇の階段を昇って奥)
http://trio4.nobody.jp/keita/shop/12/map.html
【料金】資料代500円+投げ銭(自由意思)

10.20.2011

Rally for a Nuke-Free World in Japan - 原発のない世界を求める大行進 -

■今朝のテレビ朝日《モーニング・バード!》で、千葉県の行政の担当者が(言葉に気をつけて)ハッキリ言っていた。千葉県の今の農産物の放射性物質の検査は、自治体ごとに一品種で“いちサンプル”しか抽出しておらず、(別に町ごとに汚染しているわけではなく、帯状に汚染区域があらゆるところに散在し、ホット・スポットも予期せぬところにできている現状をかんがみると)今までの検査のやり方では、汚染された野菜が市場に流れてしまうことがないとは言えない、と。

もちろん県や自治体によってサンプリングの仕方は多少異なるだろうが、行政側も今のような検査方法では不十分だと分かっていながら、農家と小売業者を救うために、形だけ検査している、と、言われても一切反論はできないだろう。

みんなの近所のスーパーマーケットの野菜売場こそが、その危険さの証明である。うちの近所の《サミット》も《西友》も《東急ストア》でも、野菜売場に〈当店の野菜はすべて放射性物質検査をクリアしています〉という意味の表示はどこにもない。種類ごとに〈この**は放射性物質検査をクリアしています〉という表示もない。狂牛病禍の際には、アメリカからの牛肉の輸入は止めたし、国内産の牛肉には、今も〈BSE検査済み〉という表示がパックごとについている。何故、野菜については何も謳わないのか? 謳えないのである。加えて、消費者もなるべく、ウソでもいいから安心したい、平時と同じ買い物が、家事が、食事がしたいので、頭の中で何もなかったことにする方があらゆる意味で楽である。
かくして双方の思惑が暗黙のうちに見事な一致を示し、現在の“解決策”を見つけ、それを許しているのだ。

「分からないものは売っちまえばいい。どうせあとで消費者の体に何か起きてもうちで売った野菜との因果関係なんか絶対に証明できないんだから。コンヴィニエンス・ストアも、ハンバーガー屋も、牛丼屋も、みんな使ってるんだから。政府が何も言わないんだから。で、いざとなれば業界がまとまって、形ばかりの検査でよしとした政府の不作為を責めればいいんだから。お上が止めないものは市場に出回るし、うちはそれを売るだけよ。お客さんも、買う、って言ってんだからさ」

「スーパーでも並べてるんだから、きっと大丈夫。みんな買ってるんだから、きっと大丈夫。もし汚染されてても、うちの子に限って、大丈夫。だいたい、気にしてたら食事が作れないし、それで感じるストレスの方が体に悪い、ってテレヴィで言ってたし。それに、野田総理も福島のお米を食べるって言ってたし」

国民の間にそういう空気が蔓延していくことが、結果的に、そして知らないうちに、原発推進派を助けてしまうことになる可能性について、充分意識的であるべきだと思う。ウクライナ人よりも頑健な肉体細胞を持つ、かつ勇気のある人は野菜でも何でも普通通り食べればよいだろう。ただ、こういう事態もまた、望むのかどうか? そこは考えた方がいい。

計画・建設中の原発12基 7基「計画通り推進」

東京電力福島第一原発の事故で脱原発への流れが加速する中、全国の電力事業者が計画・建設中の原発十二基のうち七基で、計画通り建設を進める方針であることが十九日、本紙の取材で分かった。(本日付け・東京新聞)
記事全文は:


あさって、今週土曜のデモ。


101日にアメリカで開催されたRally for a Nuke-Free World (主催:Coalition Against Nukesに呼応して、東京・渋谷でデモを開催します。日本からそして世界から全ての原発を無くしたい人々の大行進に是非ご参加ください!
Rally for a Nuke-Free World in Japan -原発のない世界を求める大行進-
日時:20111022()  集合13:30 デモ出発14:30 (雨天決行)
集合場所:代々木公園ケヤキ並木南側
(最寄駅:JR&メトロ渋谷駅、JR原宿駅、メトロ明治神宮前駅)
Call
20113月に起こった福島第一原子力発電所の事故はチェルノブイリの事故を上回り、未だ収束することも無く放射能による環境や生命への汚染は続いています。日本の政府や電気事業者はそれでも原発推進をやめようとしないどころか、放射能の拡散や被曝の実態を隠し、より小さく見せようとしています。また政府やマスコミのこのような態度に疑問を持たない人々も多く、この原発事故も過去のこととなってしまいそうな気配さえ感じられます。
そんな中去る101日に福島の原発事故に呼応して、全米で反原発のアクション「Rally for a Nuke-Free World Oct 1(主催:Coalition Against Nukles)」が開催されました。それは福島第一原子力発電所の事故により甚大な被害を受けた日本への支援と、全米各地の原発の安全性への疑問を訴えるアクションでした。
このアメリカの動きに呼応し、311以降主に東京でデモやアクションを起こしてきた団体やグループが連携し、デモを開催いたします。私たちの足元のまずは日本の原発を全て停めること、更に世界中から原発を無くしたい、世界中の有志たちと繋がっていきたいという思いで企画を進めています。
原発の無い新しい世界への道を、わたしたちが主役になり繋がりあい切り開いて行きましょう。
1022日、渋谷。多くの同じ思いの人々で集い歩きたいと思います。
是非ご参加ください。
主催:首都圏反原発連合(Metropolitan Coalition Against Nukes
呼びかけグループ:Act 311 Japan / 安心・安全な未来を子供たちにオーケストラ / 「怒りのドラムデモ」実行委員会 / TwitNoNukes / NO NONUKES MORE HEARTS / 野菜にも一言いわせて!原発さよならデモ
協力:エネルギーシフトパレード / たんぽぽ舎
詳細:

10.18.2011

オマエのロレックスをよく見てみろ。反逆の時間だ。


■オマエ、っていうのはニコラ・サルコジーのことで、フランスじゃ反政府デモのスローガンとしては既にクラシックになっているものだが、最近の反格差(オレたちは99%)デモでもイケる文句だ。

左派日刊紙『Libération(リベラシオン)』のネット・ショップではTシャツまで売っている(笑)。



10.14.2011

リュリュ・ゲンズブールがいい


■ボリス・ヴィアンの話題の翌日に、ゲンズブールの話でも。といってもセルジュの方じゃなくて、今ホットなのはバンブーとの間に出来た息子リュリュ・ゲンズブール(Lulu/カナではルル・ゲンズブールって書かれちゃうんだろうな…)のアルバム・デビューの話だ。
そのタイトル『From Gainsbourg to Lulu』(Universal)!

このエキゾティックな色男、ピアノがなかなかいいことは知っていたが、親父の楽曲でアルバムを作ったらしく・・・息子が親父の歌を歌うのは、アイディアとしてはありがちだが、この場合・・・勇敢過ぎる。バーキンが歌うのとは訳が違う。同じ男の歌として聴いてしまうからだ。それも、アルバムのリード曲が「L'eau à la bouche(ロー・ア・ラ・ブーシュ/唇によだれ)」だというではないか。 

パリのジャズ専門FM局〈TSF Jazz〉の、オレの好きな朝の(こっちじゃ昼過ぎからだが)番組に、おとといリュリュが出て、そこで初めて「ロー・ア・ラ・ブーシュ」を聴いた。最初は「おまえの歌も6割“息”か!」と思ったが、最後まで聴くと、なかなか味わい深い、どころかカッコいいのだ。サンバ・アレンジもアイディアとしての驚きはないが、本気で錬られている。そのリュリュ出演部分のポッドキャストがアップされたので、(調べたらYouTubeにもこの曲はプロモとして上がってたけど、リュリュの話す声も聴けるから)こっちを紹介します。

〈From Gainsbourg to Lulu - 1/2〉

始まって4分後に「ロー・ア・ラ・ブーシュ」。その後、リュリュのジャズ・トーク(ジャンゴ・レナルトやジャコ・パストリアスが大好きetc.)があって、新作からもう1曲リュリュによるマヌーシュ・スタイル・インスト・アレンジの「Le poinçonneur des Lilas (ル・ポアンソヌール・デ・リラ/リラの門の切符切り)」(最高!)が聴ける。

興味のある方は後半もどうぞ(アルバムからの曲はないけど)。
〈From Gainsbourg to Lulu - 2/2〉

彼のオフィシャル・サイト(JDコスプレ?)に行くと「La Javanaise」(一部)も聴ける。

ゲストもマリアンヌ・フェイスフル、スカーレット・ヨハンソン(が、ブリジット・バルドー役!)、イギー・ポップ、ヴァネッサ・パラディー、ジョニー・デップ、アヨ、スライ・ジョンソンなど超豪華。来月のアルバム・リリースが楽しみだ。マジで、結構、楽しみだ。

オキュパイ・トーキョー!(10.15 アクション)

■朝のTVのワイド・ショウなんか見ると、ウォール・ストリートの占拠が大変だ、これからどうなるのか? っていう論調だけど、オレはな~んにも大変なことだとは思わない。マネー・ゲーム・センターの中で、鐘鳴らして気持ち悪い作り笑いをしている奴らが正しい立派な大人で、ウォール街の路上で寝泊まりして、叫び、ドラムを叩いている奴らと、そこにピザを届けさせる奴らは“イカレた困ったちゃん”というわけか? 困ったちゃんが大勢集まると、ますます訳がわからないから、ニューズになるのだろう。

だったら、困ったちゃんの集まりが普通になるくらい大勢集まればよい。
そして、困ったちゃんが困らない世界を現出させればよい。ただし、連中のような暴力的な方法を採らずに、だ。

15日は、世界で、そして日本でも、そうした困ったちゃんが集まる日だ。

東京でもいくつかのアクションが同時多発的に行われるが、オレは、六本木に行こうと思う。知ってる仲間も、知らない仲間もいっぱい集まるだろう。知らない人なのに、その人が仲間であることが分かる、というのはなんと素晴らしいことだろう(日常生活に、そういう瞬間を多く持つ、ということは実に豊かなことだと思う)。その中で無理のない程度に多くの人たちと知り合い、話をし、ドラムを叩き、一緒にビールを飲んで過ごしたい。

訳の分からない、イカレた話だと思う人は多いだろう。つまり、一部の人にとっての“困ったちゃん”になることは、そういう人にとっても重要なことなのだ。そうでもしないと、そういう人は頭が良過ぎて、どうしてそんなやかましい、目障りな連中が街に出てタムロするのか、全く考えもしないからだ。

オレ的には、アンチ電力マフィアのアクションと、何ら変わらない。
そもそも怒りの対象は同じだし、つまり日常(毎週末?)のように、理性を持って怒りを表し、仲間とのつながりと、その空間をできる限り楽しむ。それだけだ。


TOKYOを占拠せよ!
2011917日、米国のニューヨーク・ウォール街にて、米国の経済界・政界に対する大規模な抗議運動が起こりました。合言葉は、「ウォール街を占拠せよ!(Occupy WallStreet)」。「1%の金持ち、99%は貧乏」「富裕層に課税を!貧乏人に食べ物を!」。参加する若者たちは、ピザの箱の裏や段ボールにこうしたメッセージを書き、貧困と格差が広がりきった米国社会に怒りをぶつけています。
この運動は、インターネット上で次々と呼び掛けられ全米はもちろん全世界へと広がっています。多くの国では米国同様、利潤のみを求める暴力的な市場経済が広がった結果、人間のいのちや暮らしが脅かされ、貧乏人は生きていけないという状況が共通しています。
そして米国の「ウォール街を占拠せよ」のグループは、20111015日を「国際アクションデー」とし、全世界でこの日に一斉に立ち上がろうと呼びかけました。ここ日本でも、若者の雇用不安や貧困問題は深刻であり、また多くの人たちが現在の経済のあり方に疑問を持ち、「利潤よりも人間を中心にした経済」を求めています。この日、私たちは日本で「Occupy TOKYO」をスローガンに、一斉にアクションを行います。グローバル・アクションに呼応しながら、私たち自身が日常に抱える疑問や怒りを、みんなで共有し、訴えましょう!

世界のアクション

当日はプラカード・メッセージを持ち寄ろう!
アクション当日は、それぞれの人が思っていること、社会に訴えたいことをボードやプラカードに書いてお持ちください。「仕事をくれ!」「金持ちに課税を!」「貧乏人にも生きる権利を!」「私たちは99%」(世界は1%の富裕層と、99%のそうでない人たちがいるという意味)などなど、どんなものでもOKです。世界同時アクションのサイトでは、英語版のバナーがありますので、こちらをダウンロードしてもOK!(日本語版は各自でつくりましょう!)。また鳴り物を持ってきたり仮装もしてこよう!
Info:

10.13.2011

ホットなボリス・ヴィアン! そして黒人音楽都市パリ ~鈴木孝弥インタビュー~

■光文社古典新訳文庫からボリス・ヴィアン『うたかたの日々』(野崎歓/訳)が発売になりました(これで3ヴァージョン目の邦訳ですね)。

それに関連して、先日《光文社古典新訳文庫カフェBlog》の執筆者である渡邉裕之さんの取材を受けました。

『うたかたの日々』といえば、〈2つのことがあるだけだ:あらゆる流儀で楽しむ、しゃれた女の子たちとの恋、そしてニュー・オーリンズかデューク・エリントンの音楽。それ以外は消えてなくなるべきだろうな。それ以外は醜いんだから〉という序文がつとに有名ですが――(これはオレ訳です。野崎訳はどうなってるのかしら。新潮社版『日々の泡』のこの箇所は、ジャズ愛好家的には看過できない誤訳があります)――、渡邉さんが同ブログで新版『うたかたの日々』について書かれる際に、(ぼくが『ボリス・ヴィアンのジャズ入門』を訳した関係で)氏よりジャズ切り口の話を聞かせて欲しい、というお申し出があったからです。ありがたいことです。

ここが《光文社古典新訳文庫カフェBlog》のそのペイジ

で、そこに受けたインタヴューのさわりが載っており、そこからインタヴュー全文の掲載された渡邉さんのブログにリンクが延びています。


ぼくのインタヴューというよりも、パリとボリス・ヴィアンとジャズとレゲエの話ですので、ご興味のある方はぜひご一読ください。

10.12.2011

我が家の近くのホット・スポット


東京・世田谷区で、1時間あたりの放射線量が2.7マイクロシーベルト(μSv)を超える、高い数値が測定されていたことがわかった。 世田谷区によると、10月6日、世田谷区弦巻の住宅街の歩道で放射線量を測定したところ、最も高いところで、1時間あたり2.707マイクロシーベルトを観測したという。 これまで文部科学省が福島第1原発の事故後に測定した都内の空間線量率で、最も高い値は、3月15日の1時間あたり0.496マイクロシーベルトだった。 世田谷区は、すでに線量を下げる対策を行っているという。
10/12 17:34 FNNニュース

でも、こういう情報もあるんだよね。


で、他にいろいろ調べた情報を併せて考えると、2.7どころじゃなくて、実は4.7あったので、区が高圧の洗浄器を使って歩道部分の洗浄を行い、そのあとに測定した数値が1時間あたり2.7マイクロシーベルト(μSv/h)まで下がった、ということらしい(オレが掴んだいくつかの断片情報では、2つが同じ場所の話だという確証はないんだけど、逆に別の場所だったらもっとおおごとだ)。

つまり、FNNニュースの《区は、すでに線量を下げる対策を行っているという》という表現はトリックか? 「これから下がりますよ」と、いう意味に取ってもらうことを期待しつつ、実は「すでに線量を下げる対策を行っているのに、ここまでしか下がらなかった」という意味の原稿なんじゃないの? 世田谷区民はそこを注視しよう。話がかなり違ってくる。

いずれにせよ、これをチェルノブイリの区域管理基準に照らしてみると・・・

5.362μSv/h以上:強制避難ゾーン
2.011~5.362 μSv/h:強制(義務的)移住区域(4.7だと、このランクでも一番上の方になる)
0.670~2.011 μSv/h:希望すれば移住可能な区域
0.134~0.670 μSv/h : 放射能管理が必要な区域

で、今日の飯舘村よりも、この報道の世田谷区弦巻の数値の方が高いわけだ。


この場所は世田谷区中央図書館のそばだし、オレの好きなラーメン屋のそばだから(今日の昼も行った)、この半年にも何十回も通ってるところだ。

さて、世田谷って、この国の首都の、都心23区内で一番人口の多い区でしょ? 85万人以上住んでる。で、弦巻は区の真ん中だし、区役所のそばでもある。そこでこの数値だ。これを国は、都は、どうするのだろうか? 強制的に移住せよ、って言ってくれよ。オレはすぐにどっかに越して、このブログのタイトルも変えるから。
世田谷人って、ウクライナ人より体、丈夫なんだっけ?

「ノー、私たちはお前たちの危機に金を払うつもりはない」



■ナオミ・クライン による『ウォール街を占拠せよ:今世界で最も重要なこと』と題されたスピーチを〈BeneVerba〉さんが訳されている。

「ノー、私たちはお前たちの危機に金を払うつもりはない」
「我々はお互いを見つけたのだ」
「私はあなたを気にかけている」
「ようこそ」

おりしも彼女の最新刊『ショック・ドクトリン』(上・下)を読んでいる最中だが、クラインのこのスピーチに含まれる上記のようなパンチラインは、恐ろしき欺瞞に満ちた〈ショック・ドクトリン〉・システムに対する、まさに抵抗と団結のスローガンたるものだ。世界最大のマネー・ゲーム・センター=NY証券取引所のそばの路上で起こっていることは、その抵抗と団結の象徴に過ぎない

クラインが〈ショック・ドクトリン〉と呼ぶのは、その原因が自然災害か人災かにかかわらず、起きた大惨事を絶好の材料として、そのたびごとに急進的な市場原理主義改革を断行していくという、その、言わば“1%連中”のやり口のことである。

人々が災厄に見舞われて泣き叫び、うろたえるとき、彼らは無防備であり、抵抗力もなく、ただただ、災いの起こる前の暮らしに一刻も早く戻りたい、ということのみを祈りつつ震えている。その子羊のような赤ずきんちゃんに対して、仕立てのいい背広を着た狼が正体を隠してその手を差し伸べるとき、それは助けるためではなく、食べてしまうためだ。

我々の危機は、“狼連中のための危機”になっている。

TVウォール街の様子を見て、感心したり呆れたりしている場合ではない。これは福島の、日本の話である。



追記:その、『ウォール街を占拠せよ:今世界で最も重要なこと』スピーチを〈人間マイクロフォン〉によって行うナオミ・クラインの画像はこちら。かっこいいぜ。